ルーンファクトリー ファーストインプレッション

世間的には今日はファイナルファンタジー3DSの発売日という認識でしょうが、自分はFF3DSを華麗にスルーwしてルーンファクトリーを買ってきました。なじみのショップでは一番最初の予約だったので、もちろん予約特典付きです。



ルーンファクトリー -新牧場物語- 特典 豪華小冊子「プロローグコミック」付き


特典のプロローグガイドが思ったよりもでかいですね。アニメをつかったCMから「これなんてエロゲ?」と色々言われていましたが、初回特典もなんかサイズからして同人誌っぽいんですがw。実際、中身も最初に16ページほどのキャラ紹介があった後は、違う絵柄の人の書いた漫画が40ページほど載っている形で、ますます同人誌っぽい雰囲気です。もしかして狙ってやってる?


以下、実際にプレイしてみた感想を記します。なお、自分はずっとどうぶつの森をやり込んでいただけに、どうしてもそれとの比較での印象となっています。また、性格上、細かいところにかなりつっこんでいる辛口なレビューになっていますが、基本的には楽しんでプレーしていると先に断っておきます。あと、洞窟まではまだ進んでいない段階での感想ですので、ご了承ください。

○グラフィック

グラフィックは、非常にきれいですね。背景は2Dで書かれており、キャラクターは3Dとなっています。このため、3D性能があまり高くないDSでありながら、なめらかに美しい映像を実現しています。最近のDSは無理になんでも3Dにしようとしすぎてぐちゃぐちゃな画質になることも増えているので、DSでもきれいに疑似3Dを見せる、と言う意味ではこのルーンファクトリーの方式は一つのよい見本のように思えますね。

ただ、背景は2Dで非常に細かく書き込まれているためとてもきれいなのですが、その分見た目の立体感と比べて移動中はいかにも平面的にスクロールする分、ちょっと違和感は感じますが。どうぶつの森なんかは、全部3Dなのでジャギでまくりの荒い画像ですが、移動中にちゃんと建物のパースなどが変化して行く分、立体感をより感じることができるので、その2D独特ののっぺり感はちょっと気になりました。


一方、キャラクター。こちらは3Dなので、向きを変えたりするときにはスムーズに動いてくれていい感じですね。とはいえ、かなり荒いポリゴンなのは確かです。それは、ゲーム始めたばかりの、主人公の名前を付けるシーンでポリゴンキャラが拡大表示されるので、詳しく見て取ることができます。

右のキャラって誰だよ?!

って感じのポリゴン造形ですね。左のアニメ絵と比べると、全くの別人にしか見えませんw。
もっとも、ゲーム中では通常小さく表示されますので、この粗さが目立つことがないのでいいのですが。それでも、立ち絵ではかわいく表示される女性キャラも、実際のポリゴンはこんな造形だと想像してしまうと、ちょっと引いてしまうかもしれませんね(苦笑)。

○操作性

操作性については、かなり癖があるところが多いです。とくに、どうぶつの森に慣れている分、違和感はかなり大きいですね。また、それ以外でもちょっと洗練されてないなと思えるところもいくつかありました。

特に気になったのは「ボタン操作とタッチペン操作のバランス」ですね。どうぶつの森の場合、基本的にはタッチペンだけでも、ボタンだけでもすべての操作ができるようになっています。自分がどうぶつの森をプレイするときは、もっぱら十字キーだけを使って操作していますが、たまにアイテムなどを大量に整理したりするときにはタッチペンに持ち変えることがあり、その後だらだらとタッチペンで操作することもあります。タッチペン、ボタンそれぞれの操作性を工夫しているからこそ、そういったプレイができるわけです。

一方、このルーンファクトリーは基本的にはボタン操作で、タッチペンは完全に補助的な扱いです。タッチペンが活用できるのは農作業中のバッチ処理と、メニューでの操作となっています。

このうち、バッチ処理についてはかなり実用性は高いですね。まとまった範囲を連続して耕したり水をやったりするのに、前もって対象のマスを順にタッチペンでタッチしておくだけで、あとは自動的にキャラが動いて行動してくれますので。ただ、この操作も若干つめがあまいところがあるのが残念。その顕著な例が、どんな行動も必ず上向き向いてか自動的には行えないこと。このため、上から順にマスをクリックして耕す例を挙げると、以下のようになります。

「一つ下のマスまで移動→上に方向転換→耕す→一つ下のマスに移動→上に方向転換→耕す→…」

ようするに、毎回上に向きを変える手間が生じるわけです。このため、実際にバッチ処理するときはできる限り下から上へとマスを指定する方が効率がいいという状態。さらに、かならず上向きに行動するので、耕したいマスの下に障害物などがあると行動できません。そうでなくても、自動的に移動しているときに障害物に引っかかっても迂回動作をしてくれません。しかもそうやって非かかった状態になっても、タッチペンでの指示が自動解除されず、いったん手動でタッチして指示を取り消してから、障害物をボタンを使って手動で除去する必要が生じるわけです。

自動迂回機能と、バッチ処理自動解除機能、上下左右どの方向にも行動してくれる機能、この3つが備わっていればもっと便利に使うことができたのに…と残念でなりません。とはいえ、一応こうしたおばかなバッチ処理の癖さえ把握しておけば、1マス1マスボタンで耕したりするよりはよっぽど楽なので、実際には重宝しているのですが。


もう一つ微妙なのが、「メニューに対するタッチペン操作」。通常のフィールド画面で、タッチペンで移動できないのはまだ分かります。ただ、タッチペンだけではメニューも出せないというのは非常に不便に感じました。どうぶつの森では、右上の「↓」の記号を押せばメニューが出てきました。しかし、ルーンファクトリーではそういったアイコンはなく、メニューを出すときはスタートボタンを押すしかありません。十字キーは左手操作なのでタッチペン操作中でも押せますが、スタートボタンは右側。このため、タッチペンをいったん手のひらに納めて右手でスタートボタンを押す、といった操作が必要になるわけです。とくに、上記で書いたようなタッチペンでのバッチ処理を行っているときに、この面倒くささが顕著になります。
メニュー画面に入ってからは、いろいろなメニューやアイコンがあるため、タッチペン操作は非常に使い勝手がいいです。しかし、ここでも致命的にうっとおしいのが、メニューを抜けるのにもスタートボタンを押さなければいけないこと。素直に戻るアイコンを一つ用意しておいてくれればいい話なのに。開発陣はだれも気が付かなかったんですかね。

メニューがらみでもう一個変に感じたのは、通信メニュー。これは、マップ上の海辺にある貝殻に向かってAボタンを押すと表示されるのですが、なんとこのメニューから出るのは画面上の「戻る」アイコンをタッチするしかありません。つまり、通常のメニュー画面と逆な訳です。こうしたボタン操作とタッチペン操作の統一感のなさに、ちょっと練り込み不足を感じてしまいますね。


そのほかでは、ダッシュボタンがRボタンなため、タッチペンを右手で持っているとダッシュで移動しにくいとかいうのもあります。Lを押しながらBで道具切り替えというのも、慣れれば素早く切り替えられて便利ですが、初心者にはつらい操作。おそらく開発陣はボタン操作を主体で考えていたのだとは思いますが、初心者でも楽しめそうな作品だけに、タッチペンを利用した初心者向けの直感的操作ももうちょっと練り込んでくれたらよかったのに、と思います。

○キャラクター・ストーリー

キャラクターは、このルーンファクトリーの魅力の一つですよね。パッケージにも書かれているメインヒロイン、ミストなんですが、これが思った以上に不思議な感じのキャラ。電波系?とまではいかないまでもかなり天然でつかみづらいキャラです。街の住人にかたっぱしから「あんたもミストにだまされたのか」みたいに言われるのも、なんだかなぁと言う感じ。仲良くなるともっと変わってくるんでしょうかね?
そのほかのキャラについても、2日目に街のいろいろな家に訪問すると次々にイベントが起きて簡単にキャラの紹介がされます。もっとも、このイベント連続の際はキャラの配置がまちまちで、「あれ、さっきあっちの建物で働いていたのに、なんで自宅にまだいるの?」「おまえ、さっきあっちの建物いたじゃん」みたいな、時間的、空間的に入れ込んだ感じなってしまいちょっと気になりましたが。イベントがなければ、特に破綻はないんですけどね。


他のキャラは、まだまだちょっと話したぐらいなので、仲良くなってみないとなんとも言えませんね。個人的には雑貨屋のロゼッタなんかがいい感じな気はしますが。

なお、キャラクターボイスはたしかに結構ありますね。会話最初の挨拶などで入ることが多いです。BGMによっては音声が聞きづらいことがあるのがちょっとあれですが。

あと、どうぶつの森と違って、実時間とは連動しておらず、完全にゲームの中で独立した時間になっているので、どうぶつの森のようにわざわざ日曜午前中に起きて株を買う、みたいなリアルの生活を変更する必要がないのは楽でいいところでしょうかw。

○まとめ

以上、相変わらずいろいろと駄目出しをしてしまいましたが、これまでの牧場物語に慣れている方なら、もっとすんなりプレイできるのかもしれません。一方、自分のようにどうぶつの森の延長的に考えてプレイすると、そのタッチペン操作の練り込みの甘さで引っかかるところも出てくるでしょう。ただ、ゲームの雰囲気自体はいいですし、作物の栽培、出荷という作業もまったりと楽しむことができそうです。キャラクターの好感度もこれからどんどんあげていけることを考えれば、モチベーションを保って長く遊べそうな印象はしますね。まだダンジョンまでは行っていないので、ダンジョンでのプレイも楽しみにしたいところです。