じっくり楽しめる骨太3DRPG 〜『世界樹の迷宮』レビュー

DS注目作の世界樹の迷宮(略称:セカキュー)。昨日のエントリ(世界樹の迷宮『早期購入者特典ミニサントラCD』レビュー)ではまず特典の方をレビューしましたが、今度はゲーム部分についてのレビューです。一応、プレイとしては第1階層のB3Fまで一通り探索完了した状態でのレビューとなります。なお、プレイ時には以下の有志によるWikiを主に参考にプレイしています。いろいろ貴重な情報が日々更新されているので、プレイされる方はご参考ください。

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キャラメイキング

まず、行うのはギルドでのキャラ登録から。これをしないと先に進めません。最初に、ギルドの名前を登録します。これはやり直しがきかないので慎重に。文字数が6文字しか入れられないので、結構悩ましいですね。その後も常にこのギルド名で呼ばれるようになるので、結構重要です。
次に、いよいよキャラ登録。名前、職業、キャラ絵を選んでいきます。ステータスについては他のゲームなどにあるように、ステータスを自由に割り振ることはできません。また、キャラの性別も設定自体は無く、キャラ絵が男性用に2つ、女性用に2つあるだけです。絵自体、女性キャラでもツルペタが多いのでw、「美形の男性キャラ」と脳内変換すれば女性キャラの絵を選んでも問題ないパターンもあります。実際、自分は1人そうしたキャラ絵を選んでますので。

自分の場合、子どもの頃TRPGなどで使っていたキャラの名前を使いました。キャラ絵はそれなりに近いものを選べたのですが、髪の色がイメージに合わないところがありましたね。絵柄自体はそのままでもいいので、せめて肌の色、髪の色ぐらい選ばせて欲しかったです。また、ダークハンターなども明らかに鞭を持っているので、主要武器を剣にするのは違和感がありました。このあたり、もうちょっと配慮してほしかったですね。キャラ育成が重要なゲームなんですから。絵柄自体は自分はもともとライトノベル好きなので全然OKなんですけど。

ちなみに、自分が選択したパーティはパラディン、ソードマン、ダークハンター、メディック、アルケミストです。これは、そのまま昔自分が作ったRPGキャラの職業に合わせたものです。バランス的にもそれほど悪くはなさそうですし。

冒険開始〜地図作製

パーティを作ると、街の中の様々な施設に行けるようになります。ただ、この段階では酒場などでクエストを受けたりはできず、まずは執政院ラーダに行って最初のミッションを受けることに。そのミッションは「地図作製」。セカキューの特徴的なところですね。
ひとまず「シリカ商店」でアクセサリなどを整えてダンジョンに挑戦。ダンジョンに入ってある程度進むと兵士がおり、その人から地図をもらってミッション開始となります。
地図の作製は、すでにWii体験会でプレイしていたので、大体思った通りの操作感。直感的に操作できます。ちょっとずつある気ながら線を書き、交差点にさしかかったらまず左右を見て状態を確認して、さらに移動と、そうした細かい地味な作業がなかなか心地よいですw。

ただ、操作系について気になったところも何点か。まず、フロア全体図から拡大・編集表示への移行はXボタンもしくは全体図でのタッチ動作となるのですが、タッチで拡大した場合、その後移動しても自動追従してくれません。これは不便でしたね。また、拡大表示の時のスクロールも直感的ではなく、左右にある数字・アルファベットをタッチすることで地図がスクロールします。できれば、手のひらアイコンなどで自由にスクロールできるようにすべきだったとおもいますね。おかげで、長い直線通路などを進んだ後、壁を引こうとするときが面倒です。
また、コメント機能についてですが、これはまずいくつかのアイコン(イベント、宝箱など)を置いてから、それに重ねるようになってます。重ねられること自体は非常にいいと思うのですが、何もない通路などにちょっとコメントを残したい、ということがやりにくいのが難点です。あと、コメントを後から再編集できないのも面倒ですね。この仕様だと、コメントをのせているアイコンごといったん消去してからやり直す必要があるので。←これはコメントを置いたマスをタッチしてコメント表示した後、コメント欄をもう一度タッチすれば編集できるようです。

他にも、隠し通路や扉などではDOORアイコンを置くわけですが、これを置いた後線を書こうとすると結構邪魔に。歩いた場所は自動的に色が変わるオートマッピングでやっているので、壁の位置は後からでも大体分かります。ですので、まずは忘れやすいドアの場所にアイコンを置くわけですが、その後ドア周辺の壁の線を引く際、おもわずドアアイコンをドラッグしてしまうことがあるんですよね。ドアアイコンは大きいのですから、もうちょっとつかみ判定部分が小さくてもよかったかな、と思いました。まあ、その他のマス全体を占めるアイコンもそうなんですけど、特に壁に近いところに置くことが基本のドアでは気になった感じです。

ダンジョンの移動自体は、特典マンガでメディ娘が指摘していたように、カニ歩きがないのは多少気になりますが、まあそこまでは気になりませんね。むしろ、B3Fとかまで進んでいると、B1FからB3Fまで一気に移動したいので、ダッシュ移動とかを用意しておいた方がありがたかったです。

まあ、そんな感じで、赤線で指定された箇所のマップを一通り書ききるとミッションクリア。若干間違っていてもクリア扱いされるので、どの程度完成すれば完了と見なされるかは不明だったりします。

商店・クエストについて

最初の地図作製ミッションをクリアすると、酒場でクエストを受けることができるようになります。ミッションはモンスターを倒すものや、武器の材料を集めるものなど様々。ただ、武器作成など一部以外は特にクエスト主などとの話はなく、酒場でミッションを受け、クリアしたら報告する、という程度の流れになってます。MMOなどだといくつかNPCのはしごをさせられるのですが、シンプルなものですね。面倒さはないのでいいのですが、その分クエスト内容に対する感情移入はしにくい感じですかね。

また、戦闘でモンスターからいろいろアイテムを手に入れることができ、それを商店で売ることでお金を稼ぐことになります。ノリはMMOなどと一緒ですね。面白いのは、その売ったアイテムに応じて、武器や防具などが増えていくこと。つまり、その売った物を元に店側で商品を作ってくれるというわけですね。これが、単なるお金稼ぎになりがちなアイテムドロップ収集のモチベーションとなってくれていい感じです。ダークハンターの鞭なんかは、なかなか強い武器が出てこず、材料がドロップされるのを心待ちにしたりしましたからね。FOEなどがドロップするものも、新たな装備の材料になることが多いので達成感があります。

なお、道具を売るときは、Yボタンを押してアイテムを選択すると同一アイテムをまとめて売ることができます。ダンジョン帰りなどでうるさいには必須の操作と言えるでしょう。

ちなみに、自分はWikiの小ネタのところに書かれていた、レンジャー5人による序盤のお金稼ぎを利用しました。
世界樹の迷宮Wiki - 小ネタ
伐採スキルでB1F入ってすぐの伐採ポイントで伐採しまくり、売りまくるという作戦ですね。これを1階やると400enぐらい稼げるので、序盤はお金の心配はあまりいりません。装備は販売されたら即購入、アイテムもできるだけ多めに持っておくということができるのでおすすめです。

探索・FOEについて

続いては、ダンジョン探索において地図作製と同じぐらい主要な要素の戦闘。前々から鬼の難易度といわれ、ゲーム完遂度が恐ろしく低い自分は、これが一番のネックだと思っていました。というのも、自分がゲーム未クリア癖が付いたのは、SSのデビルサマナーで途中の敵の強さに萎えたからなんですよね。最近は単に飽きやすくなったのが主原因ですが、それでもこのセカキューで一番ひっかかった要素はこの難易度についてでした。

しかし、やってみると結構何とかなるもので。たしかに敵は強く、雑魚でも気を抜けないのですが、自分は元々RPGでは慎重にプレイする方なので、プレイスタイルとしては結構あってます。回復も回復量以下のダメージでも結構頻繁に行い、TPが無くなったらすぐに糸を使ってダンジョンから出てしまいます。逆に、それぐらいしないと、結構簡単に全滅してしまい、そうなると地図は残せるものの途中の経験値は全てクリアされてしまいますので、無駄な感じがしますので。

また、B2Fから登場するFOEも、なかなか緊張感を増してくれます。FOEは通常の敵キャラより2ランクぐらい強く、うかつに戦闘になると全滅必至です。一応このFOEは地図上にアイコン表示されるのですが、それはあくまで自分が通ったことのある場所しか表示されません。一方、上のダンジョン画面でも光の球の状態で目視により確認できます。これは、結構遠いところでも確認できますし、曲がり角の手前からでも、視点変更でぐるっと曲がる際にちらりと見えたりするので、このあたりの情報を駆使して慎重に歩みを進めることが必要です。

また、上画面右下には敵の出現危険メーターにあわせて、FOE接近メーターもあります。この情報も重要ですね。特に、戦闘中もFOEは歩みを進めてくるので、FOEが目前にいる状態で戦闘に突入すると、戦闘後すぐにFOEに突入されて全滅、という危険があります。実際、自分もそれでやられたこともあるので。場所によってはFOEが行き過ぎたタイミングでうまく抜けないといけないところもあり、そうしたときに途中で戦闘が起こると一大事。メーターが赤いときはわざと敵にエンカウントしてからFOE対策をすることも重要ですね。

FOE自体は、一定の場所を移動しているもの、範囲内に近づくと追っかけてくるものなど様々。動き方も、途中で一回止まるようなものもおり、その行動パターンを見極めながらプレイする必要があります。逆に、そうした戦略性を要するところが、なかなか頭を使わされて面白いところでもあります。

戦闘・スキルについて

戦闘は、オーソドックスなコマンド式戦闘。ですが、前に述べたように難易度が高いので慎重にコマンドを選ぶ必要があります。自分は前衛3人のパーティなのでこの3人の攻撃を相手の体力にあわせて散らし、タフな的にアルケミストの魔法を重ねています。メディックは基本は防御で、状況に応じてキュアなどを入れる感じですね。

戦闘に大きく影響するのが、各キャラのスキルです。このスキルはスキルポイントに応じて自由に割り振ることが出来、最初に3ポイント、その後レベルアップの度に1ポイント入ります。スキル自体も、マスタリーという種類に応じた基本スキルがあったり、スキルを取るために別のスキルを一定レベル以上が必要と行ったスキルツリーがあります。このあたり、自分が以前やっていたラグナログ(RO)と非常によく似ていますね。ROの時も、後半になるとレベルアップに半端じゃない経験値が必要となるため、最終的にどういったキャラに育てたいのかをよく考え、計画的にスキルを振る必要がありましたが、このセカチューでも、そうしたスケジュールを持った育成が必要のようです。

自分も、一応最初に上げたWikiを参考に育成しているのですが、Wiki自体がまだ発売直後ということで定説は定まっておらず、記述がころころ変わるので、結局自分もふらふらと余分なスキルをとりながら成長させている感じですね。まあ、一応このセカチューでは「休養」というシステムがあり、Lv10ダウンと引き替えにスキルをふり直すことができるので、例え大失敗してもROなどほどリスクは少ないのでいいのですけどね。ただ、RO同様、後半のLvに必要な経験値が多いとなると、スキル振り直しは早めにやっておいた方がいいかもしれませんけど。

今のところLv11ぐらいですが、メディックがエリアキュアを覚えてFOE戦などは多少楽になりましたね。またパラディンのフロントガードもかなりの防御力アップになっていい感じです。火力としてはアルケミストが大きく、毒の効果が結構いい感じです。一度毒にかかると、ターン終了時に毎回ダメージが当たるので、FOEなど体力の大きい敵には有効ですね。ダークハンターが今のところ微妙で、今後の育成をどうするか悩みどころですね。アームバインドあたりのLvを上げていった方がいいのかも。ブシドーやカオスメーカーは最初は選べないので、これらが選べるようになったら置き換えてみてもいいかもしれません。

あと、スキルがらみで操作性についても1つ苦言。通常マップで体力回復をしたりするとき、Yボタンでメニュー画面に映るのですが、このメニュー画面がBボタンでしか抜けられないのがかなり難点ですね。というのも、キュアなどで体力回復後、メニュー抜けるのに何度もBを押す必要があるので。Yがメニュー画面のトグルとなっていつでもYボタンで通常画面に戻れるようにしておけばよかったのに、と思います。何度も行う操作なだけに、こうしたところには気を遣って欲しかったです。

ストーリー部分について

ストーリーとしては、B3F途中まで進んでやっとNPCのブシドー、カオスメーカーが出てきてちょっと進展した感じですね。基本はダンジョン探索で、ストーリー部分はおまけ的な感じでしょうか。まあ、この2人はさらにその先でも出てきて、隠し通路を教えてくれたり、体力全快ポイントになったりしてくれていい感じなんですけど。ダンジョンは5Fごとに階層が変化するようなどで、まだまだ先は長そうです。

まとめ〜丁寧に作り込まれた良作でじっくりプレイ可能

以上、ざっと序盤部分を中心にレビューしてきましたが、印象としては非常に丁寧に作ってあるな、という感じです。販売が諸般の都合で伸びたことも、完成度を高める意味でよかったんじゃないでしょうか。懸念していた難易度も、基本的にはLv制コマンド式RPGなので、最悪LV上げを行えば何とかなりますのでそこまでつらいものではありませんでした。アクション性が強すぎて難しいのは、どうにもならないところがありますからね。今のところはしっかり探索してマップを埋めているうちにレベルもいい感じなってくる、というような展開なので、そこまで不条理感は感じません。FOEはB3Fとかべらぼうに強いですが、ちゃんと行動パターンを見切れば避けられますしね。(一度宝箱あけたら急にFOEの赤いアイコン出てきてびびったことがありましたがw。)

アイテムドロップによって販売品が増えていったり、出会ったモンスターをいちいち報告してモンスターリストを埋めていくのも、モチベーションの継続に役立ってくれます。演出部分は淡泊ですが、まったりと、しかし緊張感は持ってプレイできる良作だと言えます。

ただ、できれば中断プレイは許可して欲しかったですね。平日自分はもっぱらDSプレイは移動中の短い時間なので、とてもダンジョンを深く潜ることはできません。蓋を閉じてサスペンドにしてもいいのですが、そうすると他に毎日プレイしているどうぶつの森とか常識力トレーニングとかができませんしね。特典マンガのメディ娘の指摘で、ここも実に的を射た発言だったと言えるでしょうw。

まあ、細かい不満はありますが、全般的にはよくできたソフトだと思います。3DダンジョンRPGはとかく地味でマニアックな印象がありますが、このゲームはそこまで理不尽ではないですし、軟派な現代風キャラ絵(メディ娘談)も、今のPS世代のゲーマーには受け入れやすいのではないでしょうか?何より、テレビをつけながらだらだらとプレイできるのもDSのいいところですしね。DSの知育系やミニゲームにもの足らないと文句を言っている人、任天堂ゲームばかりだと非難している人には、是非プレイして頂きたいソフトだと思います。