新選組! 「源さん、死す」

今回は井上源三郎の死。前もって予告であおっていたのだが…。個人的には微妙な回でした。演出が違和感ありすぎて、悲しみに浸りきれなかった…。
まず、ハタノマエ。なんと8分弱も。まず前回の続き、近藤勇が打たれたところから。近藤は馬で逃げ帰り、島田魁らは篠原らを追いかける。近藤、重傷なのによく一人で帰ったな。しかも、結構普通に中で歩いているし。で、山崎烝が呼ばれて処置。医者代わりかよ。外科までできるのかよ。
島田、篠原がやったと断言。…これって、史実では特定できていなかったはずじゃ?あとで篠原が告白したから彼が犯人ということになっているだけで。土方歳三永倉新八原田左之助斉藤一らは、近藤の復讐に行こうと血気盛ん。しかし、源さんが必死で押さえる。ここでもやはり永倉から折れて、順に引き下がっていく。で、最後まで折れなかったのが斉藤一、というのがよくできているなぁ。本当に近藤思いだ。
その後、山崎が経過報告。近藤がもしかすると剣がもう握れないと。…実際握らなかったのかもしれないな、この先の展開を考えると。土方、山崎に「直さないと切腹」とか言ってるけど、それ無理ですから!残念!結局、大阪にまたあの松本良順が来ていると言うことでそれを頼ることに。この大事なときに近藤がはなれる…、時の巡り合わせが悪い方へ悪い方へ行ってますな。そして沖田総司も連れて行くことに。
近藤が沖田を説得に。「自分の警護をしてほしい」というのはうまい言い方だねぇ。そのまま「療養しに行く」と言ったら、沖田のプライドが許さなかっただろうから。沖田もそれを分かっていたから「いいですよ、ちょうど身体もなまっていたし」と返す。お孝だけがまじめに心配して「無理です」と近藤に言うけど、近藤も「百も承知。総司もわかっているはず」と。このあたりのつーかーなところがいいですね。そして最後に源さんと周平登場。ここで近藤が周平に、「たのんだぞ、近藤周平」と言うけれど、ちょっと違和感。いきなりまた近藤家の跡継ぎですか。最近の周平のがんばりをみとめたということなのか。でもちょっとご都合主義な感じがしました。ここでやっとOPに。ながかったー。
早速大阪城で良順に見てもらう近藤。剣が握れるかどうかは運次第、そのころには剣の時代が終わっていると。まー、そうでしょうが、近藤に言うのは酷だよな。そこへ永井様登場。江戸で騒動勃発。これを機に京に攻め入ると。事態は悪い方へ悪い方へ。
沖田とお孝がいるところへ、なにやら幕府の頭でっかちな奴が来て、お孝に「なぜ女が」と乱暴。そこに良順登場し、「ナース」と。なんか、へんなインテリみたいだw。
伏見奉行所御香宮に兵を置こうという永倉のアイデアは、「薩摩はせめてこん」とのばかげた考えで一蹴。この幕府のお馬鹿さが滅びた原因ですな。
岩倉具視西郷隆盛大久保利通が議論。岩倉が、なかなか周りのやつがなびかないことを愚痴る。ここで大久保が菊の御旗を使うことを思いつく。ここで西郷が「よくおもいつきもうした」と言うが、なんかすごく棒読みに感じたのは気のせい?
で、夜、見事に御香宮から薩摩兵に襲撃される。でも、なんか新選組のやつら楽しんでるしw。土方、源さんの制止を聞かず、薩摩にチャチャを入れに行く。で、すぐもどってくるしw。「早いな!」という土方のつっこみがw。
原田「花火みたい」とか行ってるし、、斉藤も袖の銃痕を見せて笑ってる。永倉は薩摩の旗を盗んでくるわ、その永倉の首根っこつかんで島田が持ち上げるわ。なんか陰惨さがないですなぁ。
その後淀の千両松へ。にぎりめしを原田が会津の兵士に。原田もやたら有名ですなぁ。そして翌日、周平が傷を受けて苦労しているところに、大石鍬次郎が。さりげなく手助けしてやる。おやおや、戦争が始まってひがんでいる場合じゃなくなり、友情がめばえましたか?武田観柳斎伊東甲子太郎を殺したくせに…。なんかやすっぽい青春ドラマのようですな。そして源さんが人生を語っています。平凡な人生を送るつもりだったが、今や戦争…。明るい顔で言ってますけど、内容としては半分愚痴?負け戦の中で語ってもな…。その状態で「飛び込んでいけ」と言っても、ちょっと説得力なし…。
その後、薩摩が菊の御旗を掲げて三角帽子で登場。怒濤の射撃が。会津早々撤退。土方らも後退します。ここで周平が戻り遅れ。怪我は肩だったはずだが、びびったのか?おまえのせいで源さんが…。
そして、源さんが周平を助けるために、薩摩の銃撃の前へ躍り出る。ここで、ありえないことが!まるでマトリックスのような残像を持つ銃撃に対して、源さんが刀を立てて銃弾を跳ね返す!…最悪の演出です。これ演出したの、去年の武蔵の巌流島のところとった奴と同じじゃないか?あそこもなんちゃってマトリックスだったし。たのむから、時代劇にそういったばかげた演出を持ち込まないでください。ちなみに、前にトリビアでたしかやっていたけど、日本刀に銃弾が当たっても、跳ね返らずに両断されてしまうみたいです。まっすぐ当たらなかったら刀折れるだろうし、どっちにしろあり得ない。三谷さんのシナリオだとしたら悪のりしすぎ。興ざめです。
そして、後ろ向いた時に背中に一斉に銃弾が…。でもその前の演出を引きずっていまいち感情移入できなかった。
倒れた源さんを助けるときに、銃撃が一斉にやむのもちょっと…。ヤリや大木で完全にひるんでしまうのも…。
その後の、源さんを土方が抱きしめるシーンは結構きた。とくに、島田の「強く抱きしめないと、魂が出て行ってしまう」という言葉がなんとも痛々しくて泣けた。で、ここで本当に抱きしめると意識をとりもどすところにびっくり。いや、あんなに銃弾くらったら普通に即死でしょう。まあ、ここは最後になんかしゃべらせないとドラマとしてしまらないのでしょうが…。周平に呼びかけ、「近藤さんに…」と言ったところで白目向いて絶命。ここで最近出ていなかった尾形などのみんなのアップが。鍬次郎も泣いてます。「そんなんじゃ駄目だ!」って抱きしめる島田にぐっときました。その後の源さんのアップで、源さんがわずかに瞬きしたのはちょっとひいたけど…。編集でそういうところけずっておけよ…。
そして、斉藤がぶち切れます。単身薩摩の銃撃隊につっこんでいって斬りまくり。これだけ豪快に斬りまくるのも新選組!始まって以来かも。ざっと数えただけでも9人も斬ってました。鉢金がずれるぐらい。人切りがぶち切れると本当怖いですな。
一方、斉藤が斬ったことが原因かは知らないが、賊軍になったことにぐちる松平容保。近藤腹を決めて、将軍に意見を。こうなったら戦争に勝つしかないと。そのために、将軍に前に出てほしいと。「これより他に、徳川家の生き残る道はない!」って、そこまで言いますか。さすがに、これは出過ぎた発言だったのでしょう、みんな一斉にふりむいてます。徳川慶喜、その場ではまた調子の良いことを言うが、その後また、例のまたあの決めぜりふが。
「余は決めた」
…この発言が出て、ろくなことになったためしはなし。やっぱり、江戸に帰るとか言い出します。逆賊は嫌だと。戦っている兵士も無視。まったく駄目上司です、バカ殿です。いい加減容保も切れて「好きにしていただこう」とか言っているし。でも、結局将軍について行かされるはめに。
一方、そんな事になっていると知らない近藤が、一人戦略を練っていると、そこへ源さんの幽霊が。また変な演出で、へんなオーラまとって。最初は気づかない近藤だが、江戸の話が出たぐらいで気がつく。しまいには、この発言。
「源さん…、バカ、死んだ奴が泣いてどうする…」
このちょっと泣き笑いながら言う近藤が痛々しい。幽霊という無茶な設定を結構うまく生かしています。そして土下座しながら源さんは消えて、近藤は一人涙する…。
次回予告はまた、人が死にまくり。佐々木只三郎が撃ち殺され、山崎が斬られ…。そして噂のあった草薙剛が登場!いったい何の役だ?船服着ていたけど。勝海舟も被災ぶりに登場だし。近藤だけがひたすら格好いいのが、なおいっそう憐憫さを感じてます。いよいよ終わりに近づいているなぁ…。正直見ているのがつらいです。でも、ちゃんと見届けますよ。