新選組! 「流山」

今回は、近藤勇が捕縛される回。そして、同士たちとの別れの回でした。実質最終回に近い感じでした。
序盤に土方歳三の女好きのところとか、ここでも持ってくる三谷幸喜はすばらしい。そして、斉藤一も、前回の絶叫をみんなに話題にされて逆ギレするところもまたいい。
「どうしていちいち、俺のことを見るんだ?」
というのと、尾形に切れてつっかかるところとか。このときの尾形の「はい。」という言葉が妙にかわいらしいのに笑った。そして「流山」の名が出て、ウタノマエ終了…。
ここからは、別れのシーンが続きます。近藤は沖田総司と別れ。再び徳川の時代に…という話をしていますが、両者ともそんな分けないことは分かり切っているわけで。
そして永倉新八原田左之助。てっきり、前回の話で出番終了かと思っていたので、出てきたのはうれしかった。そして、永倉は武八郎と遭遇。これは意外。おそのが親だ時の話などをして、結局武八郎の仲間に加わることに。原田はおまさのいる京都へ戻る。ここでも別れです。
そして、いよいよ薩摩の有馬藤太が登場。すげぇ怖い顔してますw。しかし、これがどんな怖い人物かと思ったら、ちょっと意外な展開でした。
次は斉藤一と沖田の別れ。まず沖田が「来てくれてうれしいです」と言ったのに対して、斉藤、
「いつ頃死ぬんだ?」
いきなりそれかよ!思わず吹いてしまいましたw。「夏の終わり頃」と言う沖田に、別れ際に斉藤は「涼しくなる前にまた来る」と。しみじみ。
さて、ここからはひたすら駆け引き合戦です。有馬が踏み込んできて、近藤がしらを切る。調練をしているところに行っても、島田魁がなんとか話を合わせる。しかし、そこに、よりにもよって捨助が!近藤に引導を渡すのは捨助なのか?!土方なんて、さっと横に行って、拳銃で捨助ねらってるし…。
でも、ここは肩すかし。実は捨助、知ってて芝居を打っていたようだ。あぶねぇなぁ、もう少しで土方に撃ち殺されていたぞw。
で、絶体絶命のピンチを乗り切ったと思ったら、決定的な証拠が…。先週守ると誓った「誠」の旗が!もう、申し開きできません。
しかし、ここで有馬はすぐに近藤を捕まえに行かず、最後に近藤に問いかけます。ここからの展開が非常によかった。問いかけとしては、「近藤のことを、どげん思う?」と、かまをかけた感じ。いったん去り欠けて聞くところが、ちょっと古畑任三郎っぽく感じてしまったのは自分だけ?
そして、この言葉に、近藤はどんどん本心を語っていく。まずは「大罪人」と切り出して上で、考えを述べる。官軍を語ったこと、幕府に協力しながら最後に裏切ったことなどを非難していく。そして、逆に薩摩のやり方を有馬に聞く。有馬は、藩の命に従うのみと。そして、近藤の思い。
「義を重んじるものにとって、薩長を認めるわけにはいかなかった。戦では負けましたが、勝敗は時の運、悔いはない。今でもはっきりと言えます。正義は我らにある。これから何度生まれ変わっても戦い続けます。」
ここは、もう完全に近藤勇として語っていましたね。それを聞いて有馬、完全に近藤だと感心してもなお、その言葉に打たれ、感じ入る。
「もし今度が、ほんのごでそげな男であれば、敵ながらあっぱれち、いわんにゃなりもはんな」
そして、有馬は見逃そうとするが、ある一兵卒が進言。近藤を京で見たものがいると。有馬、この状況では見逃すわけにはいかず、近藤を連れて行く代わりに、守ると。
そして、とうとう近藤が連れて行かれることに。隊士は玉砕覚悟だが、近藤は自分で行くと。だめだったら腹を切ると。でも、土方は打ち首になることを分かっている。かといって切腹も許さない。結局、嘘を通して生き延びることを選択する。万に一つの可能性しか無いのだが…。
そして、近藤と周平の別れ。死を悟り、剣の終わり告げ、文の重要性を説く。そのあと、今日最後の別れ。土方と近藤。ここは、本当に最終回のようだった。コルクを見せ合って、抱き合って。BGMがそれをさらに後押しする。その長い抱擁が、本当に切なかった。
外では、兵を帰して一人たたずむ有馬。有馬も非常にいいやつだ。かっこいい。
そして取り調べ。しらを切る近藤、それを見て有馬は頷く。交わしたかに見えたが、なんと元新選組隊士がいると。いったい誰だ、…と思ったら、加納鷲雄。元御陵衛士、近藤狙撃メンバーだ。
加納、近藤の元へ。加納は、自分が近藤に引導を渡すべきかどうか、非常に迷いを見せる。それを見て、近藤、険しい目から、ふっと表情をゆるめ、微妙に口元に笑みを浮かべて告げる。
「加納君、お久しぶりです。」
はっとなる加納。…ここの香取慎吾の演技が最高です。加納の迷いに、覚悟を決めて告げる、その心の揺れ、動き、決意などが、その表情に非常によく表現されていました。
加納も、その近藤の言葉に、伊東甲子太郎の件を別にして、尊敬の念をしめす。
「ご無沙汰しております、局長」と。
そして、再び自分の命運がつきたことを悟った、寂しげな笑みを浮かべる近藤で終了。
予告では、打ち首に向かう近藤。ひげ面。もう終焉は分かり切っているのだが、その打ち首という悲惨な最期が、どのように描かれるのか。来週の最終回。心して見たい。