PS Vita版「リトルバスターズ! Converted Edition」感想〜ボタン&タッチで快適プレイ

現在TVアニメ放送中のリトルバスターズ。自分はAIRKanonCLANNADなどプレイしていてどれも感動しており、リトルバスターズも初回限定版を購入していたのですが、序盤の野球ミニゲームがどうにもかったるくて積みゲーに、そのままクリアもせずにいました。ただ、とうとうアニメ化されるということでニコニコなどで視聴。ですが、「世界の秘密」に関するところでちょくちょくネタバレっぽいコメントが出てきたこともあり、「これは原作を楽しんでから見たほうが良さそう」と思って、急遽ゲーム版をプレイすることにしました。

リトルバスターズ! Converted Edition - PSVita

リトルバスターズ! Converted Edition - PSVita

前述通りノーマル版を持ってはいるのですが、せっかくプレイするならキャラやシナリオが追加されたエクスタシー以降がいいかなと新規購入を決意。購入しようとした時期はアニメが始まってしばらくしたころの10/22ということもあり、その時点での最新版で一番追加要素の多いVita版を購入してみました。購入後、ちょくちょくプレイしていたのですが、すごいボリュームで本日ようやく全シナリオとEDクリア。まだランキング一位関連のが残っていますがちょっと大変そうなのでこの辺で一段落に。クリアまでに1ヶ月以上かかってしまったかんじですね。結果的に、PCでつい先日出たパーフェクトエディション発売までにクリアできなかった形です。今買うならPC版の方がいいかもしれませんね。エクスタシーからの追加要素的にはVita版とほぼ同様のようですが。

リトルバスターズ! パーフェクトエディション TVアニメ化記念版

リトルバスターズ! パーフェクトエディション TVアニメ化記念版

以下、Vita版をプレイした感想です。まずはネタバレを含まない操作的な部分から。

Vita版でのプレイ〜ボタンを使って快適プレイ

PC版はさわりしかプレイしていませんでしたが、Vita版は十字キーやボタンが使えるのでミニゲーム関連が実に快適ですね。野球は普通の野球ゲームみたいな感じですし、射撃とかだとタッチ操作で直感的にプレイ出来ます。他にも、タッチ操作を使ったものとしては、タッチでメッセージ送り。左手片手プレイとかもできます。また、LRボタンでのメッセージ早送り、巻き戻しもかなり高速で快適。後は画面の左右スワイプで選択肢ジャンプが出来たりもします。一応背面タッチでのジャンプも出来るようですが、誤爆が怖いので自分はオフにしていました。オフが選べる時点で、まあそういう想定なんでしょう。画面をタッチしてメニューやセーブ場所などが選べるのも、PCでのマウス操作と同様の使い勝手になっている感じでしょうか。Bボタンでメッセージを進めると画面効果をオフにできるのも快適でしたね。

グラフィックも解像度としては発売時点では最高解像度、有機ELということもあって非常に美麗。前記ボタンとタッチと組み合わせ寝っ転がっても快適にプレイできるので、ギャルゲー用には最適ハードかもしれませんね、Vita。ただ、あらためてVitaのスピーカーの貧弱さを実感することにも。声とかがかなりこもって聞こえるんですよね。ですので、じっくりプレイするときはヘッドホンを付けてプレイしていました。BTイヤホンが使えるので、イヤホン付けても自由度が高いのはいいですね。

ただ、Vita版の欠点なところとしては画面が16:9のためか、一枚絵のCGが上下スクロールが発生してしまうこと。一応最適な場所に最初からスクロールはしているようなのですが、上下の切れているところを見ようとすると十字キーで動かさないといけません。複数枚あるCGなんかだとCG切り替わり時にずれが出たりするのも気持ち悪いところでしょうか。

以上、Vita版としての感想でした。以下はネタバレを含む内容の感想。ネタバレが嫌な方は見ないようにしてください。特に、アニメを楽しみに見ている方は見ないようにお願いします。

内容について〜Refrainまで

自分はギャルゲープレイは基本的に攻略サイトを見ながらなので、今回は以下のサイトを見ながらプレイ。

誠也の部屋【PSVITA版 リトルバスターズ!Converted Edition 攻略】

実際にやってみて、これループものだったんですね。CLANNADなんかも繰り返しプレイすることをシナリオの根幹に入れていましたが、リトルバスターズも完全にシナリオに組み込まれている形。ちょっとメタ要素強すぎな間もありましたが。修学旅行を境に先にすすめずループ、というがよくあるタイムループもの。ハルヒシュタインズ・ゲートまどかマギカなど、なんだかんだでタイムループもの多いですよね。むしろシュタゲやまどマギがフォロワーってことでもありますが、ループ物に名作が多いとも言えるんでしょうか。

シナリオとしては、最初の鈴のルートはよく分からず終了。これは成長する前だから後から考えれば当然な訳ですね。小毬ルートは結構泣ける感じですが、アニメではあっさりし過ぎでしたね。アウトラインとしては典型的であっさりしていたというところも。クドルートはまさかの宇宙飛行士ネタ。ストーリーも重く、あれこれ悩んでいるところももどかしく、最後もあまりハッピーエンドじゃないかんじで個人的にはちょっといまいち。

葉留佳ルートはかなり心に来るところがありましたね。ただ、かなりひどい家庭内暴力・虐待ネタなので、大津事件や昨今の虐待事件が多い中だと、アニメでは詳細書きづらいのでは?という感じ。この葉留佳ルートはRefrainクリア後の佳奈多ルートで補完されており、こっちだと親戚が肉親同士を闘わせるという内容で、まるで今話題の尼崎変死事件のよう。こっちもこっちでアニメで書くのが難しそうな気はしました。結構麻枝さんのシナリオって、病気とか境遇とかで社会的にきわどいネタ多いですよね。たしかに胸が苦しく泣けるところはあるんですが。

美魚ルートはかなりファンタジーですね。ただ、傍から見たら単なる二重人格としか見えず、実際のところも最終的に二重人格が同化したかのようにしか客観的にはとれないところも。精神病の人がもうひとつの人格との別れとかを感動的にやられても個人的にはあまり同感することができなかったところがあります。来ヶ谷ルートは、来ヶ谷さんがかなり好きなキャラなので途中はとても楽しめました。ただ、ここで初めてループものであることが明確に示されて、来ヶ谷さんはその犠牲になるような形のストーリーなので胸が痛いところも。こっちで幸せになるGoodEndもあるといいんですけどね、パラレルで。

ここまでプレイして鈴の本ルートへ。修学旅行で事故にあった学校に慰めに行く学生、ということに。ネタバレになりますが、結局この学校というのは今いる学校のことで、修学旅行で恭介も含めた皆が死んだ後でも一人で生きていく、ということを無理やり実行させた、ってことですかね。別に理樹と鈴の二人でも良かった気もするんですけどね、振り返ってしまうと。結果的にこれでひどいトラウマに。最後は理樹と抜けだして村に逃避行、貧乏生活ですさんだ上に最後連れ戻されてEDという欝な展開に。でもこの部分があるからOPの歌の歌詞「いつかくじけたその日の向こうまで」が重みを持ってくるとも言えるでしょうか。

Refrainから追加シナリオ

ここからRefrain。修学旅行の事故で皆の乗るバスが崖下に転落したところから。ループの世界が、恭介達の思いが一つになって創りだした特殊な世界であることが明らかに。これまでの各種ルートクリアで強くなった理樹と鈴がいよいよ修学旅行の日の壁を超えます。最初のプレイでは恭介たちの思い通りに、強くなった二人が生き残ってこれから一緒に生きていく、という形でED。これはこれできれいなEDなんですが、いくらなんでもこれだと他のキャラ全員死亡なので虚しすぎる、と思っていたところ「これでいいよな?」→「よくない」でもう一度バス事故へ。理樹と鈴が創りだした「世界」で最適な救出方法を実施して全員救出、そのまま全員生き残った形でエンディングとなりました。かなりご都合主義的な内容で、自分たちがいなくても生きて行けるよう必死で理樹と鈴を成長させていたのはなんだったんだ、というところもありましたが、それがあったから「奇跡」を起こせたという感じですかね。Kanonで最後あゆが復活するところとか、CLANNADで渚死亡後の救われないルートから最後は家族で幸せになっているのとかと同じで、後味はすっきりします。

ここまでがどうやらノーマル版リトバスの内容だった模様(+筋肉ルートもそっちみたいですが)。追加であるのが、佐々美、佳奈多、朱鷺戸沙耶のルート。佐々美のルートは佐々美がいいキャラなので結構よかったですね。猫が世界作ったというのは、かなり冒頭からバレバレでしたが、動物が死の間際に元の飼い主に、というのはKanonの真琴を思い出してしまい古典的ネタではあるのですがやはりぐっと来ました。佳奈多ルートはすでに前述しましたが、葉留佳ルートの補完的内容ながら、完全に葉留佳が振られる形になるのが、個人的には葉留佳>佳奈多な印象だったのできつかったところもありました。幼い葉留佳が手を抜いていたと話していた辺りは思わず泣けましたね。「賢者の贈り物」の櫛と髪の話みたいで。

朱鷺戸沙耶ルートはかなり特殊で力入っていましたね。ただ、途中のダンジョンはちょっとうざかったかも。特にプレイキャラが沙耶に変わってから繰り返すところが移動も多くて面倒。地下8階もいらなかったんじゃ、と思うところも。それから、最終的に完全なハッピーエンドにならないところもちょっともやもやします。土砂崩れは修学旅行のバスが崖下に落ちたのと連動しているんでしょうかね?バスの方は理樹が助けましたが、沙耶の方はそのまま土砂に埋まって死亡ということでしょうか。EDの歌の歌詞で「欲しい物がもらえたから十分」といった内容のものがあったのが泣けます。結果的に救われないほうが心にずしりと残るというのはたしかにあるかもしれません。Kanonの真琴もそうですが。スクレボEDの方は恭介を倒して夢の世界を乗っ取ってループを続けるということで、ちょっとホラー的エンドでしたね。最後にプレイした筋肉ルートは、もう狂ってしまった何がなにやらってかんじですね。

まとめ

以上がプレイした感想です。非常にボリュームがある内容で、満足感が高い内容でしたね。いくつかつっこみを挙げていますが、こういったものは過去のKanonCLANNADでもあったものですし、感動や満足度が上回っていれば些細な点というか。個人的には葉留佳&佳奈多ルートがシナリオ的には胸に来るものがあり、シナリオ的にはやはり修学旅行事故でのくだりが一番感動的でしたね。Vitaを買って以来最も長く遊んだソフトになりますが、ギャルゲー用途にはVitaはかなりいい感じだとあらためて感じました。HDMIでTVに画面も出せれば、もう据置ゲーム機である必要ないって感じですね、ギャルゲーに関しては。

リトルバスターズ! 1 (初回限定版) [Blu-ray]

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この後はアニメの方を楽しみにしたいと思います。京アニでないのは残念なところはありますが、映像のクオリティは高いのでなかなか楽しめてます。後はループの下りとか社会的にまずそうなくだりとかどう描くかですね。小毬のシナリオはループ無しであっさりクリアしてしまいましたし。葉留佳と佳奈多を同時に描き、美魚はさらっと、クドもループなしで行けそうでしょうか。来ヶ谷はループ無しでやるのは難しそうな気も。後は鈴TRUEからRefrainってところで、朱鷺戸沙耶は無しかBD全巻購入のおまけシナリオかな、という予想ですかね。ちょっと不安もありますが、残りを楽しみに視聴したいと思います。