PSアワード2012開催〜初回以来17年ぶりにミリオン無し

世界的に、ゲームマスコミで賞を決めるイベントや企画がいろいろあり、日本でもTGS日本ゲーム大賞ファミ通アワード、そしてPSアワードといったイベントがあります。ただ、どれも賞をとったことを宣伝に使うのがみえみえだったり、業界内の内輪的慰労だったりと、消費者から見ると冷めた感じになるところもちょくちょくありますね。

そんなイベントの一つ、PSアワードが今日開催されました。

プレイステーション®アワード2012 | プレイステーション® オフィシャルサイト

これはPSプラットホームでのソフト売上を元に賞を与えるもので、ミリオンでプラチナ、ハーフミリオンでゴールドと、売上ベースの賞となっています。これまではその年のミリオンを称える意味の強い賞だったのですが、今年は初回以来17年ぶりにミリオン無し、となったようです。

[プレイステーションアワード]PSソフト、ミリオンなし 初回以来17年ぶり | ホビー | マイナビニュース

こうして毎日新聞が記事タイトルにまで書くのも意外な感じがしますね。明らかにPS陣営に角が立つ書き方で、一般マスコミではあまり見かけなかった書き方です。

軸である「モンハン」を失った影響大〜乏しいファーストの看板タイトル

昨年もミリオンは主体を任天堂に移すことが決定していたMHP3rdだけ。今年はそれも無くなって完全に柱が無くなってしまった感じですね。ゴールドのラインナップも固定客を抱えているタイトルばかりで、それらもジリ貧気味。新規タイトルではSCEがいろいろオリジナルゲームで頑張ったところはありますが、売上というところではあと一歩、という感じでしょうか。軸となってPSPを牽引していたモンハンを失った影響が出ている感じです。

個人的には、新規タイトルという意味ではSCEの方が任天堂よりも頑張っているとは思います。任天堂はDSでヒットしたものの焼き直し、シリーズ新作とかばかりですからね。面白さは保証されていますが、それを劇的に上回るものや新鮮さには欠けます。SCEの方がいろいろ独自に頑張っているのですが、今度は逆にブランドイメージが薄すぎてピンとこないというか、評価はそこそこ高くても売上につながっていない感じです。PS1時代はポポロ、パラッパ、クラッシュ・バンディクーなどいろいろ独自ヒットを飛ばしていたんですけどねぇ。PS2の独走時にぐっと自社ラインナップをしぼってしまいサード中心に。みんゴルはマンネリ化、GTはあまりに開発に時間かかりすぎなど、かつての看板タイトルを次に繋げられていないのが痛いところです。洋ゲーの方ではアンチャやGOW、ヘビーレインのところなど優秀なんですけどね。

結果的に、国内では既存ブランド中心ながらミリオン連発できる任天堂3DSタイトルが独り勝ち、サードも3DSに注力してきてそれに続いているような状態。PS3は据置では一番頑張っているのですが、据置市場そのものが和ゲーサードでは体力的にヒット作連発が厳しい感じ。定番タイトルをリソース使いまわしたりして出来る限り低コストで開発、固定客層に特典などと絡めて手堅く稼ぐぐらいしかできてないので。

業界内の賞を大体的にやる意味は?

しかしこのPSアワード、プラチナが無いのにあわせて残りの賞も手前味噌な感じがするものが多いのがどうにも。PS Vita特別賞とか、それ一体なんですか?という感じの賞ですし。ユーザーチョイス賞も日本、世界で分かれていますが、数が多すぎるというか。ファミ通アワードもわけわからない名称で山盛りな賞を与えていましたが、グッドデザイン賞とかと同様、個人的には冷めた見方になってしまいます。

ファミ通アワード2011 ゲーム・オブ・ザ・イヤーが決定!!

先日もSCEみんゴルクラップハンズに特別仕様PS3をプレゼントした、というニュースがファミ通で出ていました。

SCEJが粋な計らい、『みんGOL』15周年を祝してクラップハンズにチタンカラーのプレイステーション3を贈呈 - ファミ通.com

これなんかも、裏でこっそりプレゼントするならまだしも、メディアを使って大々的に報じる意味が分かりません。他のメーカーに発奮して欲しいのでしょうか?クラップハンズの方々に、特別なものを持っているという優越感に浸ってほしいんでしょうか?しかもこれ、サードならともかく自社タイトルですからね。社内の業務表彰を一般のメディア使って広めているようなもので、なんだそれ、という感覚もあります。

正直、こうした賞やイベントでお金を使う分、ユーザーへのプレゼントなりイベントなりにお金を使ったほうがいいのでは、という感じもします。賞をあげるにしても、慣れ合いみたいなやりとりをメディアを使ってやる必要もないかと。売上に応じた賞だけ発表、イベントは受賞したメーカーからお礼という形にして、一般ゲーマー招待してワイワイやった方がファンも盛り上がりそうな気もするんですけどね。

日本のゲーム業界が盛り上がるような画期的タイトルを

現状、日本のゲーム業界はかなり正念場を迎えています。任天堂が頑張っているところはありますが、それでも既存タイトルばかりでイノベーションのジレンマに陥っている感がありますし、和ゲーサードは新しいゲームも作れず、既存タイトルもマンネリや予算不足といった内容が目立ち、ソーシャルとかで過去のタイトル再利用して日銭を稼ぐ、みたいな状況。

ゲームファンとしては寂しい状況なので、なんとかまたゲーム人口が増加して脚光をあびるような、すばらしい作品を送り出してほしいなと思います。