ついにモーションキャプチャが一般人の手に〜Kinect対応MMD公開

ニコニコ動画における一大ジャンルとなっているMikuMikuDanceMMD)。アイマスでも、魔王エンジェルや876ユニットなどがMMDで再現され、独自PVなどが多数公開されています。
MMDでは、ダンスを踊る3Dモデルの存在も大きいのですが、肝となるのはやはりモーション。出来のよいモーションは、様々なモデルに適用され、バリエーションのあるPVが生み出されています。
ゲームなどで使われるモーションでは、ダンサーの身体にマーカーをつけて動作を正確にトレースするモーションキャプチャが主に使用されています。これは、精度は高いものの、ダンサーと専用機材、スタジオが必要になるため、一般人、素人ではそうそう真似のすることのできないものでした。通常MMDでは、これらのモーションは、踊ってみた動画などをバックで表示しながら、MMD上でモデルと人物とを部分的に重ねあわせ、途中は補間でつなげていく「手動モーションキャプチャ」がメインに行われていました。これでもかなりのクオリティなのですが、やはり細かいところでの重量感、自然さというところで微妙に違和感が出てくることも多く、本職のモーションキャプチャとの差が感じられていたところでもあります。

そんな中、最近注目されていたデバイスとして、Xbox360用のモーションキャプチャカメラ、Kinectがあります。

Xbox 360 Kinect センサー

Xbox 360 Kinect センサー

コントローラ無しでゲームをプレイ出来ることがうりのこのデバイス、ゲーム周辺機器としては単体で1万5000円と結構高い印象ですが、その中身はステレオ赤外線カメラによる距離計測にカラー画像のテクスチャ取得、マルチマイクアレイによる音声指向性取得なども含む、市販ヒューマンインタフェースとしては今までにないレベルでの高機能デバイスでした。そういったこともあり、発売直後から世界中のHI研究者が殺到し、即座にオープンドライバが開発、公開。その後も次々と応用例が公開されていました。

そして、そんな中、ついにMMDでもこのKinectによるモーションキャプチャに対応したバージョンが公開された模様です。

while I say one prayer: MMD の kinect 対応
VPVP

YouTubeで実際に動画も公開されています。

ただのカメラと違い、腕の前後といった部分もとれているのがいいですね。3Dモデルとシルエットを合わせたモーションキャプチャというのはそれこそ10年以上前から研究レベルでは行われいたのですが、まさか数万レベルで一般人でも手軽に利用出来るようになるとは、本当すごい世の中になったものです。YouTubeのはご本人が英語でわかるように公開されているだけに、コメントでも世界中からいろいろ賞賛の声が上がっていますね。「こういったものを待っていた!」「夢がかなった!」「インディーズデベロッパとかが使えるんじゃないか」といったかんじで。

現状では、まだ単にトレースしただけだと不自然なところもあったりする模様です。微妙にカクカクするようなところは、早速動きにフィルタリングをかけてなめらかにするなどの動画も公開されており、日進月歩でツールが進んでいます。

この手の技術は、学生時代に研究で携わった人、また現役の研究者なども結構な数の人がいますので、そういった人が余暇を費やして熱中すれば、あっという間に高性能になっていきそうな感じがしますね。非常にいいエコサイクルができてきている気がします。

ニコマスでも早速動画が上がっていますが、気を付けないと中の人がそのまま出てきてしまうようですw。

ともかく、昔からこの手の技術に興味のある自分としては、今後もどんどん発展して、おもしろいコンテンツが生まれていってくれることに期待したいと思います。