XboxLIVEにおける「竹島」騒動について

国内では年末商戦に入っても週販が4桁で安定してしまっているXbox360。ソフトのラインナップやオンライン環境は充実しており、ユーザーとしては比較的満足度は高いわけですが、ビジネス的には国内では相当厳しい状態が続いています。

そんなXbox360について、先日行われたシステムアップデート。XBOXソフトのオンライン配信やメニューの改善など、様々な要素が含まれていますね。

Xbox.com | Xbox 360 システム アップデート

個人的には、このアップデートでメニュー(ブレード)の切換が機敏になったことが恩恵が大きいところですが、このアップデートで新たに仕様が変更されたプロフィール機能ところで、MSが大変な騒動を引き起こしてしまったようです。

「ワードフィルタリング」機能の基準で大問題に

今回問題となっているのは以下のものです。

J-CASTニュース : 「独島」はOK「竹島」は不適切 MS「Xbox」の判断にネット騒然

今回の仕様変更で、地域名などを自由に入力が出来るようになったわけですが、この自由入力の部分に設けられた「禁止ワード」フィルタリングが今回の問題の発端。特に問題になったのは『「竹島」という言葉は禁止で、「独島」はOK』という点です。政治の話で非常にセンシティブな内容な為、本ブログで細かく話すことは避けたいと思いますが、日本と韓国が主張している事柄について日本の言葉だけ禁止対象というのが、大問題となっているわけです。

ちなみに、禁止ワードとしては他にもいろいろあるようで、「竹島」以外にも「満州」「尖閣諸島」「中華民国」といった言葉もダメ。その他、放送禁止用語系もいろいろと制限されているようです。実際にいくつか試してみましたが、XboxLIVEにログインしている状態で上記禁止ワードを入力すると、「不適切な表現」とされて再入力を促されてしまいました。

全国ニュースや新聞でも報道

ネタが国際的な政治問題を絡んだものだけに、右よりで知られる産経系列のフジテレビでは、いち早くニュースに取り上げられています。

「Xbox」で「竹島」が登録できない不具合 マイクロソフト「人為的ミス」と謝罪 - FNN Headline

Xbox360という名称が一般のTVに上がることは少なく、おそらく前回はXbox360が前代未聞の不具合騒動の時以来ですかね。前回といい今回といい、不名誉なところでしか国内では目立てないというのも、ちょっと情けないところですね。

Xbox360に史上最大規模の不具合 〜 問われるMSの品質軽視 - わぱのつれづれ日記

その他、新聞などでも同様の内容が報じられているものがあるようです。

MSの対応状態〜「竹島」入力可も、明確でないワードフィルタリングポリシー

この問題に対して、MSが今のところ以下のようなアナウンスを出しています。

Xbox 360 のオンラインサービスである Xbox LIVE® の一部の文字入力フィールドにおいて、 不適切な入力チェックが行われている ことが判明し、現在修正作業に着手しております。

本件に関しまして、お客様に混乱を招き、ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

Xbox.com | ワードフィルタリングに関する重要なお知らせ

また本日の段階で、すでに「竹島」という言葉の入力は可能となっています。ただ、上記で上げた「尖閣諸島」などの言葉は制限されたままで、結局のところこの手のフィルタリングに対するMSのポリシーや、今回の騒動の原因をより詳細に説明しないことには、騒動は収まらないような気もします。

正直、今回の問題はそもそもプロフィールの地域などの欄をフリー表記にしたことで生じているようにも思います。特に、この表記は全世界対応らしく、日本語で書けば海外の人が見ても日本のフォントで表示されるようなんですよね。これは、今回のアップデートで新規に加わったサービス「インサイドXbox」における「マイクロソフトChannel」の中の動画で紹介されていましたので。

なまじグローバル対応が基本のXbox360だったために今回のような使用にしたのかもしれませんが、その自由性がむしろ問題になっているという感じです。別に地域なんて、国名とせいぜい県名ぐらいでいいと思うんですけどね。なんで自由記述形式なんてしたのか、その時点で疑問が残ります。ワードフィルタリングをかけるぐらいなら、最初から問題のないものだけ大まかに選定しておいてそれを選ぶようにするだけでいいのに、とも思うのですが。複数の国の違いに細かく対応するが大変だから、という理由だとしたら、ちょっと軽率な仕様な気もします。

ただ、この手の「禁止ワード」機能というのは昔から多くのゲームなどで搭載されている物だと思います。名前とかで卑猥な名前を入れたりすると拒絶されるとかですね。ただ、そうしたものは基本的に一つの国に閉じていましたし、あまり国際的な政治問題まで深く考えなくても大きな問題にはなっていませんでした。今回は、世界レベルでのシステムに対してMSが不用意な対応を取ったことが問題を大きくさせてしまった感じです。他のゲーム会社も、今後は同様の問題が起こらないとも限りません。対岸の火事と思うことなく、いい機会なので自社の方針をしっかり見直すといいのではないでしょうか?

迅速で明確な理由説明と謝罪に期待

12/6には大作RPGであるロストオデッセイが発売されまずまずの評価、バーチャファイター5も快適なライブ対戦で好評を得ていた中で起きた今回の騒動。正直普通にXbox360を楽しんでいたユーザーからしてみれば不愉快な状態ですよね。本来無関係なはずのユーザまで、今回の件で批判を受けたりすることが出てくる訳ですから。

外国の企業が日本で不祥事を起こすと、謝罪などに慣れていないためシンドラーエレベーターなどのように対応がグダグダになり、ますます火に油を注いでしまう状態が目立ちます。MSも海外企業ですが、Windowsなどでこれだけ長く日本でビジネスをしているのですから、とにかくいい加減な対応をして今回の悪印象を残したままでズルズル行くことのないよう、しっかりとした、皆が納得できる対応が必要となるでしょう。

明日は2周年記念ということで都内でイベントも開催される模様。空気が読めないことで定評のある日本のマイクロソフト株式会社(通称:MSKK)、さらなる不用意な行動・発言で火に油を注がないよう、気を引き締めて望んで頂きたいところです。

Xbox 360発売2周年を記念して“Xbox 360 2nd Anniversary Party”などが開催 / ファミ通.com


P.S.
上記のパーティ会場でスタッフに今回の件を質問してみました。その内容を以下のエントリで紹介していますのでよかったらご覧ください。
『Xbox360 2nd Anniversary Party』レポート 〜 「竹島」問題Q&Aも - わぱのつれづれ日記