ケイブ、デススマイルズの「ONLY ON XBOX360」表記についてコメント

コンピュータゲームにおいて非常に古くからあるジャンルながら、現在は一部のマニアがプレイするにとどまっているシューティングゲーム。そんな中、コンシューマーゲーム機においてはXbox360シューティングゲームが集まってきており、パッケージソフトXboxLiveアーケードなどでいろいろなシューティングが発売されています。最近ではR-TYPE Dimensionsなんかも配信されていましたね。

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一方、パッケージソフトとして発売されるものとしては、ケイブの「デススマイルズ」が4/23に発売されることになっており、Amazon専用のスティックが用意されるなどいろいろ展開を見せています。

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今度のAOU2009で、続編も公開されるようですね。

デススマイルズII - 魔界のメリークリスマス

Xbox360版では、予約特典でのみフルボイスが可能など、固定ファンに向けての徹底した販売戦略を見せていた本ソフトですが、パッケージに「ONLY ON XBOX360」の表記がつけられていたようです。この点について、ケイブの開発日記でコメントが出ていたので紹介してみたいと思います。

メーカー側からの意思表示

今回、開発日記で出されていたのは以下のようなコメントです。

パッケージ画像を公開したことで、お気づきの方も多いと思いますが
デススマイルズXbox 360版はOnly Onマークを付けさせて貰いました。
Xbox 360への参入を決めた当初から、私の方でこちらのマークを表記しようと考えていていました。

勿論他機種への展開も考えましたが、現状マルチで出すことが余り現実的ではないことと
STG市場が少しだけ見えつつあったXbox 360しか寧ろ考えられないだろうなと
判断した事もあり、それならば少しの意思表示ですがOnly onを付けることで、ユーザーの皆さんに伝えられるんじゃないかと思い表記しました。

私自身が、Xbox 360が好きで好きな機種でやるのなら表記したいって我侭もおおいにありましたが(笑)
表記どおり、Xbox 360以外での展開は今のところ一切考えていません。
開発日誌: Only on

「Only on」については、これまでもいくつかのソフトでつけられていましたが、こうしてメーカー側から直接コメントされることは珍しい感じはしますね。

「Only On」の意味

「Only On」の表記については、MSのHPでは以下のような説明がされています。

Only On Xbox
Xbox 360 専用で、他社のコンソールでは発売されていないことを示しています
Xbox.com | Xbox - ゲームソフト情報項目についてのご説明

これ以上の詳細は、現状オープンにはなっていません。「他社のコンソールで発売されていない」という表記が結構微妙なところなんですよね。過去に「Only On」の表記がついていても、後にPS3などに移植されているゲームは出ていますからね。ロストプラネットトラスティベルなどがそれにあたるでしょうか?一応、これまでの傾向としては、Xbox360版発売から少なくとも一定の期間はたっていますが、それが単に移植の手間なのか、契約による縛りなのかははっきりしていません。まあ、ロゴをつけている以上、MSとの何らかの契約、取り決めがあるのは確かなんでしょうけど。

そうした意味で、今回ケイブから明確に「Xbox360以外で展開しない」というコメントが出たのは、「Only On」表記だけではあいまいなところを補完し、明確に意思を示している形ですね。

ニッチなジャンルではプラットホームの集約が必要か

個人的には、市場規模としてPS2時代とは大幅に劣り、なおかつ制作費は高騰してしまっているHDゲーム機市場では、数を売るためにマルチ展開が基本であると考えています。ただ、マルチ化といっても、コストはただではありません。マルチ対応の開発ツールを使っていたとしても、機器の違いによるカスタマイズ、動作検証、認証手続きなど、追加でいろいろな作業と費用が発生します。こうした点から、HDゲーム機でマルチでこうした勝負ができるのは、どうしてもある程度大きな売り上げが見込める有名タイトルの続編など、大型タイトルに限られてしまうでしょう。HDゲームでゲームソフトがなかなかそろわないのは、費用と開発時間の問題が大きいと思います。

そうした点を考えると、今回のシューティングゲームのようにファンがかなり限定され、市場規模が小さいものにとっては、マルチ展開するメリットよりも、余分に生じる費用と時間の方のデメリットが大きくなってしまう可能性もあります。ですので、今回ケイブが「シューティングゲームXbox360」というように、プラットホームを集約化させるための意思表明をしたことは、ひとつ意義があることかもしれません。

現状、DS、WiiPSPPS3Xbox360という多種のプラットホームが選択し、据え置きと携帯の主従関係もぼやけているため、さまざまなジャンルのゲームがさまざまな機種で展開されるようになっています。各種ソフトメーカーも、自社のタイトルをどのように展開するかは、頭を悩ませていることでしょう。

今回のシューティングのように「客層が限定的である」という割り切りをできるところはいいですが、そう簡単に判断しきれないところもあるでしょう。PS2で主流だったいわゆる「ゲームらしいゲーム」と称されるものにも、日本の保守層にしか売れないようなタイトルも増えてきて、それらは市場としてはすでにニッチになってきているものもあります。そうしたソフトを、ニッチはニッチなんだと割り切って、特定のプラットホームに集約して細々と商売していくのか、それともニッチで終わらせないために売れているハード、複数のハードに展開するのか。このあたりは、まだサードメーカーの中で意思がそろってない感じもしますね。

大手の場合は有名タイトルはマルチ、それ以外の中小サードのニッチジャンルはある程度割り切って特定ハードに集約、という選択が今後行われていくのかもしれませんね。消費者としても、特定のジャンルだけやりたいのならそのジャンルの多く出るハードを、多数のジャンルをやりたいのならば多機種持ちという形になる気もします。「好きなソフトが出るハードを購入」というのが、結局のところ一番わかり易い判断基準なんじゃないでしょうか?