リモコンとヌンチャクでの斬新な操作性〜「ウイニングイレブン2008 Wii」ムービー

昨日の任天堂カンファレンス2007でモンハン3のWiiでの発売がアナウンスされ、ゲーマーの中で「Wiiの操作方法ってあり?なし?」という議論がネットで巻き起こっており、自分のエントリのコメント欄でも盛んに行われていますが、また一つ論議を呼びそうな動画が公開されました。

それは、コナミの誇る看板タイトル「ウイニングイレブン2008」のWii版です。まずは以下のIGN Videoで公開されている動画をご覧ください(Play HI-RESをクリックするとポップアップウィンドウで高解像度版を視聴できます)。

なんとも、見たことのない操作画面で、非常に斬新な感じがします。以下、簡単に内容に触れてみたいと思います。

ヌンチャクとリモコンによる斬新な操作

具体的な操作方法についてはAll Wii Need さんのところで動画中の説明文を翻訳されているので、引用させて頂きたいと思います。

  • ヌンチャクを振ることでフェイント?(切り返し?)。リモコンを回すことでマルセイユルーレットができる。
  • 選手を指定してパスを出したり、距離によって自動でロングパスに切り替わったりする。
  • スペースにボールを蹴り出すと自動的に近くの選手が取りにくる。
  • ボールを持っていない選手もリアルタイムで動かすことができる。
  • プレイヤーがフリーで走っているときには、チームメイトは戦術的に行動する。
  • Wiiリモコンを振ることによって、オフサイドトラップを仕掛けることができる。
  • ヌンチャクを振ってシュート。
  • 配置についている、全ての選手をコントロールできる。
  • 大きな操作の変化は自由移動を可能にする。
  • Bボタンを押すことでサイドチェンジができる。
  • Aボタンを押すことでドリブルする。
  • AボタンとBボタン同時押して1-2パスができる。

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特に斬新なのが、Wiiリモコンとヌンチャクの役割ですね。通常のWiiのゲームにおけるヌンチャクスタイルでは、ヌンチャク側のアナログスティックで移動、Wiiリモコンでモーション操作+ボタン操作という、既存のコントローラ操作を一部モーションセンサーで置き換えたような操作系が普通でした。それに対して、このウイイレWiiでは移動を司るのがリモコン、そしてモーション操作がヌンチャクと、役割が逆になっています。まずこの時点で目新しい感じです。

ポインティングによるRTSライクなプレイ

そして、そのリモコン操作もポインティングによる「絶対座標指定」というメリットを生かした仕様になってます。基本操作はリモコンのポインティングで方向を決め、Aでドリブル、Bでパスというもの。ドリブルについてはDSのリンクやどうぶつの森のタッチペン操作と同じような方法ですが、パスはパスしたい相手を直接ポインティングすることが出来る分、自分が意図した選手にパスするということが簡単にできそうですね。また、ダイレクトにパス相手を指定できる分、ロングパスとショートパスという切り分けもユーザーが明示的に行う必要がなく、距離に応じて自動的に切り替わってくれるようで、これも理にかなっていると思います。また、フリースペースに出すことも出来、この場合は自動的に味方選手が駆けつけてくれるようですね。

また、ボールを持っている選手以外も自由に操作(フリーラン)できるというのが、面白いところ。ポインティングで動かしたい選手を指定し、その進む方向を指示できるわけです。動画の1:10あたりでは、ドリブルしている選手の進行方向の先をポインティングしておいてドリブル継続し、後ろから3人ほど一気に前に上げさせ、その後上がった選手にパスをするという例を示しています。このあたりは、何となくRTSリアルタイムストラテジー)っぽいですね。AoEなどのRTSに慣れている人ならなじみやすい操作な気もします。また、なにもかも全ての選手の動きを操作させる必要も無く、一人の選手をフリーランさせると、それ以外の選手は戦略的に自動的に動いてくれるようで、このあたりのゲームバランスもちゃんと考慮しているようです。雰囲気としては、サッカーのハーフタイムにハイライト紹介などをする際、画面に矢印を書いて選手の動きを解説することがありますが、あれをリアルタイムでやっているような感じでしょうか?

ただ、動画見ていてちょっと思ったのは、対戦プレイ時。これって、お互いのカーソルの動きが見えますし、相手が野郎としているフリーランとかが丸見えな訳ですよね?もちろんリアルタイムでのプレイなので、それを理解しても反応するのは結構大変かもしれませんが。Wi-Fiでのオンライン対戦に対応していて、オンライン対戦プレイ中は相手のカーソルが見えない、とかあると面白そうなんですけどね。

シュートやフェイントなどに限定したモーション操作

一方のモーション操作ですが、これは限定的ながら重要な要素に使われていますね。まずオフェンスの時は、シュートの操作がヌンチャクに割り当てられています。果たしてこのヌンチャクシュートでどの程度のシュートの打ち分けが出来るかですね。CボタンやZボタンを併用することで、ループシュートなどと切り替えたり、ヌンチャクの振りのスピードで多少の強弱をコントロール出来たりするのかもしれません。

あとは、ドリブル中のフェイントもヌンチャクを振ることでのモーション操作。これはボタン操作の置き換えですが、フェイントという動き中心のプレイだからモーションにしたという感じですかね。またディフェンスの時は、リモコン側を振ることでオフサイドトラップをしかけることが出来る模様。これは正直、他の操作時に誤動作しないか心配なところではありますね。

まとめ 〜 スポーツゲームからRTSへ変化した全く新しいウイイレ

以上、斬新な操作系について紹介してきましたが、個人的には非常に斬新で、その操作についても理にかなっている点も多く、面白そうに感じましたね。自分はサッカーゲームは自分では購入したことはなく、友人宅に遊びに行ったときに対戦プレイとして遊んだ程度なのですが、だいたい馬鹿みたいにドリブルでつっこむか、適当にパスボタンを押してボール回すか程度のプレイしか出来ませんでした。複数のボタンを使うプレイは、短時間では覚えきれないんですよね。それに対して、特にこのウイイレWiiポインティングによる操作は非常に直感的なように感じました。

もっとも、自由な選手の動かし方が出来る分、操作が複雑になるところもあるでしょう。フリーラン機能を使いこなすには、結構慣れも必要になりそうです。ただ、どの選手をどこに動かすのか、といった戦略を考え、それをポインターで指示していくことは、実際のサッカーの戦術に詳しい人ほど凝ったプレイが出来そうですよね。

もちろん、根強いファンを持ち10作以上出しているウイイレシリーズですから、反対意見も強いでしょう。海外のニュースサイトのコメント欄でも「普通のコントローラでやらせろ」という声や「新しい息吹を吹き込んだ」という声など、賛否両論なようですし。
View topic - Pro Evo Wii revealed! - ComputerAndVideoGames.com

ただ幸い、このウイイレ2008は、モンハン3の時と違いPS3Xbox360でも従来操作のHD版という、いわゆる通常版が発売されます。ですので、これまでのウイイレが好きな人はそちらのウイイレを選択できるというのはいい点でしょうね。実際人気シリーズものですから、売れ行き自体は同じくマルチプラットホームで発売されたマッデン08同様、Xbox360版かPS3版が一番売れるように思いますし。

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それでも、今回のような動画を見て、ウイイレファンの中にもWii版の全く新しい操作で楽しみたいというユーザーも出てくるでしょう。また、これまで複雑な操作系だと言うことでサッカーゲームを敬遠していたユーザーにも、「これなら…」と思わせることも出来るかもしれません。そうした、新たな広がりをこのウイイレWiiで生むことが出来るのであれば、コナミにとっても冒険した価値があったと思えるのではないでしょうか?

パワプロWiiでは単にPS2版をWiiに持ってきただけで失望させられたコナミでしたが、このウイイレWiiでは思い切って操作体系をいじり、新しいゲームを生み出したのは、Wiiに新しい可能性を期待して購入した自分としては嬉しいことですね。任天堂すらなかなかWiiの良さを生かしたゲームを出せずにいる状態ですから。Elebitsでもコナミは新しい操作のゲームを出していますが、今後もどんどん新しく、それでいて面白いゲームをファースト・サード問わず作って欲しいところです。

単なるスポーツゲームではなく、RTS(Real Time Strategy & Real Time Sports)に変貌を遂げたウイイレWiiサッカーゲームというジャンルに革命を生むことができるかどうか。まずは体験プレイを是非してみたいところです。


P.S.
コメント欄で指摘をいただきましたが、IGNの記事を見ると、選手の通常の移動にヌンチャクスティックも使えるみたいですね。

IGN: Winning Eleven: Pro Evolution Soccer 2008 Preview