DS Liteヒンジ不具合について

好調の続くニンテンドーDSLiteの売れ行き。そんな中、先日DSLiteから発売されたアメリカで、DSLiteのヒンジ部分の破損が頻発していると話題になりました。
DS Liteにヒンジ割れ問題? - Engadget Japanese
日本でも、すでに3月に発売して4ヶ月経過しますが、あまりそうした報告がありませんでした。初期の不具合についても、液晶が斜めになっているとか、下のタッチパネルのところがパコパコするとかの不具合はいろいろ報告されていましが、このヒンジ破損についての情報は記憶に無かったように思います。
以下のサイトでは、これまでに報告されているDSLiteの不具合事例やその対応などが公開されています。

ニンテンドーDSライトの不具合

こうしてみると、DSLiteは細かい不具合が色々あることが分かりますね。最近では、Newスーパーマリオをプレイした際に、そのボタンを強くした拍子に電源が落ちる現象が話題になっているようですね。このリストで、自分のDSLiteでも該当しそうなのは以下のものでしょうか。

  • LボタンがRボタンより少し浮き出ている
  • どうぶつの森をプレイしていると音が良くなる。
  • 液晶が1〜2ドット分左右にずれている
  • 電源スイッチが硬い
  • 下画面の枠にへこむ感触がある

このうち、下の3つは個人的には気になりません。一番気になるのはLボタンとRボタンの押し心地の違いですかね。自分の場合はRボタンが軽すぎるというタイプですが。発売当初の供給不足も含め、DSLiteについては若干品質管理がいまいちなのかな、という印象は確かにありますね。


とはいえ、この不具合についても、海外ではすでに、破損したものについては無償交換に応じている模様。
任天堂:ヒンジ割れDS Liteは0.02%、無償修理 - Engadget Japanese
国内でも、2chなどの報告によれば、同様の無償交換の対応が取られているようです。まあ、まだ発売間もないですし、無償交換・修理は当然の対応でしょうね。ただ、Engadgetの指摘するように、破損の原因などは明らかにしていないので、これが構造的欠陥によるのか、単に品質にばらつきがあるだけなのか分からないところですけど。本当に構造的欠陥だとすると、リコールものな気はしますが、日本でこれだけ売った状態でほとんど報告が無かったわけなので、おそらく生産の際の品質のばらつきを検査ではね切れてないだけな気もしますが。

○不具合に対する対応の重要性

最近もパロマトヨタシンドラーなど、不具合が生じたときの対応のまずさでいろいろ問題が起こっています。ゲーム業界でも、PSP初期不良、「それが仕様だ」発言などがまだ記憶に新しいところです。

任天堂も不具合という点については例外ではなく、DS関連でも何件か不具合をやらかしていました。

「さわるメイドインワリオ」の不具合について
任天堂、GBA SP用動画アダプタ「プレイやん」の音声出力に不具合
「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊」に関するお知らせ

いずれも、結構お粗末だったり、重大な不具合だったりしますが、思ったより叩かれたりはしていません。これは、ひとえにこれまで任天堂が積み上げてきた信用と、対応の迅速さが要因だと思いますね。
他にも、松下の暖房機器不具合でも、死亡事故まで起こした割に、結果的に大量のCMが好感度調査で上位に位置する結果になっていました。こうした事例を見ると、いかに不具合に対する対応の仕方が重要か、ということが分かりますね。


自分が不具合対応で重要だと思う点を上げてみたいと思います。

  • 早い段階でアナウンスする
    • とにかく、素早い対応をすることが、消費者の不満が高まるのを抑えてくれます。任天堂は、この点がいつも早いのが好印象なのでしょう。パロマトヨタのように、生死にかかわるような問題を隠しておくのは問題外ですよね。
  • 不具合対応では、精一杯の誠意を見せる
    • 不具合に対して、その損得勘定をしてしまうのは愚作でしょう。不具合という時点で客に不快感、危険を与えているわけですから、そう言った直接金銭にならない部分も考慮して、精一杯の対応をすべきです。「損して得取れ」と言うやつですね。任天堂の無償交換、松下のCM差し替えての大々的な広報活動などはそのいい例でしょう。「仕様だ」と開き直るのは、これまた問題外です。
  • 無条件でミスを認めない
    • 上記と矛盾するような項目ですが、ただ単になんでも問題を認めればいいというものではありません。不具合が確定していない状態で、安易に過ちを認めてしまうと、クレーマーにつけ込まれたり、訴訟リスクを抱えるきっかけにもなります。非が不明確な場合は、その不具合を曖昧にした状態でとりあえず誠意を見せる、という微妙な対応はありでしょう。(ただ、この項目は日本と欧米では重要度は違う気もします。日本ではとりあえず謝ってしまうことが重要。欧米はある程度突っぱねることが重要。この微妙な温度差を感じ取れなかったのがシンドラーエレベーターの例な気がします。)


とにかく、不具合をそもそも出さないことが重要なのは言うまでもありませんが、昨今の技術革新の早さ、商品サイクルの短さなどを見ると、ある程度の不具合が出るのは仕方ないところもあります。そうした際に、以下に会社の信用を落とさないか。ブログや掲示板など消費者が声を大きくして文句を言える機会が増えただけに、この手の風評に対するリスク管理が、企業価値そのものを左右しかねない状態となっているように思います。各社とも、消費者の立場に立って考え、ばかげた発言などせず、誠意ある対応を取って頂きたいモノですね。