新選組! 「永倉新八、反乱!」 前編。

いやぁ、なんかどす黒いところが満載な回でしたなぁ。でも、その中にもそれぞれの個性、せつなさなどが込められていました。土方の暴走っぷり、しかし、その分人間くささが。永倉新八には熱情的なところが、山南の近藤を信じる心が、そして近藤には誠実さとカリスマが。人間的なドラマがどっぷり詰まった回でした。

まず冒頭、坂本竜馬おりょう。前回はおりょうはおしとやかなかんじだったけど。今回ははっちゃけ(死語w)ております。でも、じっさいおりょうはかなりいっちゃってる女性だったみたいなので、これもいいじゃないかな。乙女姉さんにはかなりぼろぼろ言われていたみたいだし。
そして近藤勇土方歳三井上源三郎は広沢様から報償をもらう。いったん断るところが近藤らしい。しかし、禁門の変ではなく池田屋事件と聞いて受け取る。しかしすごい額だなぁ。
坂本は西郷隆盛と対談。金平糖進呈。今長州をつぶすのはおしいと。なんか本当に竜馬は大政治家だよなぁ。こいつ中心で世界がまわっているというか。
夜、600両を前に酒を飲む土方と近藤。上出来だと言う土方。たしかに一年半で600両得られるぐらいになっているのだからすごいよな。そのあとの、喜べよと言われて喜ぶ近藤、何言ってるか訳わかりませんw。よっぱらいの親父ですか。ちょっとここの演出がよくわからない。そして、井上が沖田をヨンできて飲み会に加わる。「山南さんも来たがっていた」という井上に、「やめてくれ、今日は試衛館生え抜きの4人で飲むんだ」という土方。ああ、なんでそんなひどいこといいますか。生え抜きとか、そんな小さなことにこだわらないでくださいよ。なんで、この土方は狭い同郷意識持つかなぁ。
しかし、やっぱり参加したかったのか、山南敬助登場。土方の言葉があっただけに、すげーきまずい雰囲気w。その様子に、きまずそうにきょろきょろしながら、「私も、よろしいでしょうか」と小さく。最近仲間はずれにされていて、寂しかったのかなぁ。近藤は元々山南をはずすことに特に乗り気でない近藤がすてきな笑顔で応じる。ああ、山南を救ってください、近藤。
しかし、そんな乱入山南が気にくわなかったのか、土方報酬の配分の話をしはじめる。池田屋組を優遇、屯所警備はなし。うわー、極端ですなぁ。沖田が気遣っても、土方は「いいよな?」の一言。土方は、これは意地悪ではなく、山南はこういったことに欲を持ってがっつかないと把握してのコメントのように思う。実際、「私は別に」と答えちゃう山南さん。近藤が心配そうに見つめる。そして話を進める土方。実力主義に拍車をかける土方の案に、山南は口元に笑みを浮かべながらも、全然笑っていない目で土方を見つめる。この辺、演技が深いです、堺雅人さん。近藤は「公平のほうが…」と言うが、結局土方の考えもこの時代にしてはすごく漸進的ですばらしい案ではあるので、そのままながしてしまう。
でいよいよお金配分の時。尾形俊太郎初登場。河合、勘定方の面目躍如の仕事。松原忠司17両に、浅野薫が得意げに20両といばる。こいつ、池田屋でびくびく隠れていただけなのに本当にむかつく。さっさと斬っちゃってください。そんな二人に、尾関は非常にせつない表情でもらえなかったと。旗持ちなのに、ひさしぶりの台詞がこれとは。そんな尾関を見て、永倉が非常に厳しい目でみつめる。いよいよやばいですよー。
一方、沖田はひでの誘いを断り医者へ。労咳はよくならないと言われて落ち込む沖田。そこへすれ違う老人。どこかでみたことが…とおもったらやはりw。
謹慎中の原田。謹慎にはこたえていないようだが、おまさを助けに行かなかったのには根に持っている模様。永倉は熱血中。そこへおまさちゃん登場。左之助にかなり好感持った様子。左之助めろめろですw。
さて、ここから土方ワールド炸裂w。いきなりすかした表情で三味線ひいていて笑える。そして沖田を呼び出して隊の改革を話そうとするが、沖田は天然か、開いてあるページ以外から発句を見つける。狼狽する土方。こんな土方見たことがねぇ。詳しく内容を聞く沖田に、土方得意げに読み上げる。
「うぐいすや はたきのおとも ついやめる」
…うわぁ、いまいちだ^^;。微妙な顔の沖田に、自分で解説する姿が痛い。
「そのまんまじゃないですか」
純粋につっこむ沖田が罪だw。それに対して得意げに。
「情景がうかぶだろ」
いや、そりゃそのまんまですしw。沖田さらになぜはたき?とつっこむところでさすがに土方も切れる。でも、沖田は懲りず一番のやつ聞かせてと言う。土方、「オレのことはいいんだよ」といいながらも、結局は手帳から選び始める。照れながら「これはちょっと…」「あ、これも…」とやりだすのを見て、ようやく沖田、さとる。
この下り、燃えよ剣のシーンとよく似てはいますが、いいですねぇ。あの冷血土方が、こんなしょぼい発句が好きだったというのが、人間性をぐっっと厚くしていていいです。
(※「風光る」の作者、渡辺多恵子さんは、「こんな発句集、焼いてから死ねばよかったのに」とか暴言はいたそうですが…。三谷幸喜さんに「同人レベル」とかも言ってますし、なんだかなぁ、と言う感じです。マンガは読んでみたいけど、作者がこれじゃな…。ちなみに過去の問題発言集はこちら→<>)
そして、今度は土方、沖田に夢を語る。新選組を変える、日本一にすると。沖田は同意。土方は隊を組織立てる見事な案を提示した上で、沖田に「だからいまのうちに、身体直しておけ」と告げる。固まる沖田。やはり診療所の老人は山崎烝だったわけで。本当、山崎いい仕事してるな。沖田、医者の腕は確かだと言うが、本当にそうおもってんのか?そして労咳を告白。みんなに内緒にして、そしておひでちゃんにも内緒にと。このあたり、実は沖田もひでのことが好きなんじゃないかなぁ。
さて、土方、得意げに自分の案をみんなにしめすが、ここで事態は思わぬ方向へ。武田観柳斎谷三十郎は自分が隊長で得意満面だが、永倉がかみつく。山南の名前がないのはなぜかと。命令系統を書いただけという土方。しかし永倉は信じず、「たてつきそうなのをはずしただけ、自分たちのいいなりになるわけわからん連中をそばにおいて」と。これ、永倉の曲解な気もするな。土方はそこまで考えてないような気がする。無意識にやっていた感もあるが。そして山南、土方に一つ忠告。
「すべては近藤さんの人柄についてきた。分け隔てなく接する近藤さんに。局長局長と持ち上げるのは、なにより近藤さんがつらいのではないか」
うわー、本当に近藤命な発言ですな。自分がはずされたことよりも、近藤さんのこと気遣うところが、本当いい人です。そのことばに近藤ぐらっときて、思わず土方の案を保留してしまう。
ここで、土方が切れる。自信満々で、すばらしいと思っていた案を、あろうことか近藤にけられた。これはかなりショックだったのだろう。沖田が「欲得づくで動く人じゃない」とフォローしても、アウトローな土方はよけいに切れる。編成図やぶりすてて毒はき。
「ちいせい男だな!近所のガキあつめて遊びに行くような気持ちじゃ新選組はついていけねぇ。くだらねぇ仲間ごっこやめてくれ!」
ここまでは、天才肌のクールな人間が、仲間重視で守りに入る人を責める姿とだぶります。実社会でもこういうシーンありますしね。でもこのあとがいけない。
「もうひきかえせないところまできているんだ。芹沢を斬ったときから…」
うわー、いっちまったーーーー。その瞬間の永倉の目がこわいーー。近藤、はっと永倉を見、山南は「やれやれ」と言う感じで目を閉じる。井上がなんとかフォローしようとするが、それで収まる訳もない。
「ちょっと待ったぁ!」
きましたきました永倉のコールが。見開いた目がすごいです。芹沢の件をといつめ、それに土方、逆ギレしてそんなこときづかなかったのか、と見下す。島田魁も根が正直だけに涙目。近藤がフォローにはいるが、激高している永倉には通じず。ついに「新選組を抜けさせてもらう」と。土方、その言葉に、「切腹ですよ」と。永倉、「ごめん」と言って立ち去る。島田も、だまされていたショックをぶつけてたちさる。…最悪の展開ですなぁ。そして、山南がフォローに回る。

…とここまで長く書きすぎたぁ。残りは明日。