新選組!第25回「新選組誕生」

とうとう芹沢鴨暗殺でございます。全般として、哀愁と迫力の入り混じった回でございました。
まず冒頭。予想通り、土方歳三山南敬助を責める近藤勇。土方が、「武士にあるまじきことをしたやつは切腹」というのに対し、近藤はかなりぶちぎれているらしく、言い放つ。
「仲間を罠にはめるのはいいのか!士道にそむいたことにはならないのか!」
うんうん、まさしくそのとおり。先週のみんなの感想どおりですな。そして極め付けにこの一言。
「…お前は切腹しなくていいのか!」
うわー、言っちゃったよ。相当に頭に来ているのがよく分かる。幼馴染にこう言ってしまう近藤の感情、また言われてしまった土方の感情はいかばかりか。…土方はまばたき一つせず、こうつぶやく。
「あんたがそうしろって言うならいいぜ。…俺は腹を切る。」
近藤のために鬼になった土方の悲壮な決意が込められた台詞、かっこいい。さすがに近藤もこう返されては何も言えない。なかなか秀逸な冒頭でした。
オープニングの後、再び近藤と土方。次は芹沢の番かと責めるように言う近藤に、開き直ったように「あぁ」と言い放つ土方。そこまでして京に残りたくない、という近藤に、土方も思わず「かっちゃん」と愛称で。耐え切れず、多摩に帰ると言う近藤を、土方も責める。近藤を中心とするために動き出した流れは止められない、とばかりに。これにたいし、まだ近藤は決めかねている様子。
さて一方の鴨。用心棒に斉藤一を連れている。長生きしたくなった、という鴨。まだこの時点では覚悟し切れていない様子。しかし、何も言わず鴨に従う斉藤。本当に義理堅いやっちゃ。お梅が、死んだらどうするのか、というのに対して、鴨は「俺の墓に入ればいい」と。それに喜ぶお梅。なんか、お梅と芹沢、先週の一見以来結びつきが強くなった感じ。安心して死ねる、というお梅の言葉に、微妙な顔になる斉藤。なんか感じているか。
副長ズと一行は、鴨暗殺計画を練る。宴の帰り道、芹沢より後に出て、先回りして斬る、と。近道でも使う、ってことかな?その辺の描写はあいまいだった。長州藩士の仕業に見せかける、ってのが汚い。うれしそうな原田左之助。先週からこいつが一番ダークかも。そして実行隊士に声をかける土方。永倉新八は仲間はずれ。こういったのが離隊につながるのだろうな。「だれかさんと同じで融通がきかない」と近藤を見ながら言う土方。相変わらず露骨やねぇ。沖田総司藤堂平助は幼いから除外、斉藤は鴨擁護だから除外。おまけに近藤も除外。井上源三郎は一員に。源さん大活躍か、と思わせたが実際はw。
そして運命の日。褒美をもらいに近藤と鴨に行ってもらうつもりが、鴨は断る。新見錦の初七日がすんでいない、といいながら実はもみじ見物らしい。そして平助と新八は体よく役を与えてのけものに。
出かける鴨とお梅。それを見送る沖田。うわー、すげぇ青あざ。そんな沖田を土方が呼び出し、暗殺計画について暗に説明。首を突っ込まないように言う。しかし、そんな土方に、沖田は言う。
「芹沢さんは私が斬る。あの人は私が斬らないといけないんです。芹沢さんはそれを望んでいる。」
おー、ここまで言い切りますか。でも、たしかにそんなそぶりはずっとありましたからなぁ。
嵐山でもみじ見物の鴨&お梅。田舎で暮らそう、というお梅。金はどうする、という鴨に、寺小屋でもやれ、と言う。「俺らしくねぇ」と返す鴨に、「ものすごう、あんさんらしいと思う」と言うお梅。なんか、ただの仲のいい夫婦みたいだ。お梅がちょっと丸くなりすぎ。何気に一緒に来てる一ちゃん。お梅に、きれいだろうと言われて、「あぁ、まるで血の色だ」と返す一ちゃん。まったく、こいつわ〜〜w。
褒美をもらいに来た近藤に、松平容保がおもむろに筆で文字を書き始める。で、その後すぐに紙を手渡す。っていうか、文字書くの早すぎじゃない?それともほとんど書いてあって、単に最後の署名をしたとか、そういうのかな?妙に不自然に感じた。そしてその書を見てなきそうになる近藤。「新しく時代を築くもの」と自画自賛でご満悦の容保ちゃん。「持ち帰って芹沢たちと相談せよ」という言葉に、思わず礼をしながら表情の固まる近藤。うーむ、細かい演出。
そして宴。土方露骨に鴨に酒を注ぐ。ばればれ。「俺を斬るつもりか」と直球で返す鴨。さらに「俺の剣は酒が入れば入るほど切れ味がよくなる」と。厠へと席を立つ鴨はすでに酔って足に来ている。それを見てほくそえむ左之助。悪い顔やー。
外で考え事の鴨に、近藤がやってくる。容保からもらった書を見せる近藤。うっすらと紙の裏から新選組の文字が。芹沢の考えを仰ぐ近藤に、鴨は真剣な面持ち。いまだに鴨への依存から逃れられないでいる近藤を見て、ここで鴨も覚悟を決めたのであろう。今日の暗殺のことを(おそらくは)話そうとする近藤に、鴨は言い放つ。
「鬼になれよ近藤。鬼になって俺を食っちまえよ。遠慮はいらねぇよ。」
うーん、かっこええ。自分にしばられず、自分を超えていけというメッセージ。そしてもういちど新選組の文字を見て、
「わるかねぇな。明日からこれで行けよ」
と言う。自分には明日はないことを知っていての発言だけに、近藤へのエール、遺言なのだろう。そして去っていく鴨の後姿を見て、近藤は目を潤ませながら、声を発さず、口だけが「…はい」と動く。感動的なシーンだ。
別室。源さん、メンバーからはずされショックw。邪魔者近藤を抑えてくれるよう土方は依頼。
再び宴。飲みすぎ鴨さんを見て、状況分かってない平助、籠を呼ぼうとする。あせって土方止める。帰ろうとする鴨。平山らが補助するのを見て斉藤も立ち上がろうとするが、なんと鴨は斉藤を止める。覚悟を決めた鴨、せめて斉藤を巻き込みたくないと思ったのだろう。男だ。副長ズ見詰め合って相打ち。土方席を立ち、いよいよ決行の準備へ。
野口が鴨についていこうとするところを、山南が止める。これは野口を巻き込みたくないとする山南の独断か。そして平助にも別に話をし、真実を告げる。
斉藤は、一人考え込む。左之助、沖田の動きを見て、斉藤は感づいて席を立つ。見つめる近藤。斉藤が行ってどうなるのか、このとき想像していたのだろう。狼狽して駆け込んでくる平助。見つめられて顔をぴくぴくさせて立ち上がる近藤。いよいよ近藤動く。源さん、てっきり暗殺を止めに行くと思って近藤を制するが、近藤はそうでないと言う。そして一言。
「俺は、鬼になった。」
さて暗殺メンバーは腕もまくってやる気満々駆け出す。そこへ斉藤、ぬうっと登場。
「ここを通すわけにはいかん。俺は芹沢さんを守る」
争いたくない、という土方に対して、問答無用で刀を抜く斉藤。カチンと来て対抗する左之助
そこへ近藤登場。斉藤に通してやれと言う。鴨と近藤、両方に恩を感じている斉藤。忠犬の心が揺れ動くw。そんな斉藤にこの一言。
「すでに芹沢さんは覚悟を決めている!」
うーん、悲しい。斉藤もその言葉になきそうな顔で視線を左右に泳がせながら、剣を収める。無邪気に笑うなよ左之助w。
一緒に行くのかと思いきや、近藤は残る様子。沖田に対しては「強いぞ、敵は」と芹沢を敵呼ばわりですか。
そうこうしているうちに鴨ご帰宅。山南、日を改めるとか、家のものは、とかやたら気を使う。一方土方は強気に決行を決意。
雷にひでが目覚め、外へ。沖田の姿が雷光で浮かび上がる。ちょっと怖い。部屋から出るなと言う沖田、聞き返すひでにだんだん切れて最後は怒鳴る。
雷光、雨の降る中、いよいよ殺陣へ。4人が剣を抜くさまは思わず見ていて背筋がぞくっとする。ふすまを静かに開けて芹沢の部屋へ。一気に飛び込んで鴨の布団にぶすり。しかしそこでカメラがパン。そこにはどっしり座って身構える鴨のすがたが!雷光で浮かびあがるすがたがかっこいい!
「ずいぶん待たせやがる」
と言って一人ずつメンバーを確認する鴨。最後の一人沖田がよく見えないが、雷光で浮かび上がったのを見てにやり「うれしいぜ」。たたき起こされたお梅は悲鳴を上げて助けをもとめる。「たった4人か」と言われて腹がたったのか、それを合図に土方が切り込むが、なんと剣の柄で返す鴨。つえぇええ。そして飲んでいたひょうたんを放りなげるが、これが実は最後の伏線に。鴨、剣を抜き放ち、いよいよ殺陣開始。
お梅の声に、平山、平間登場。山南と左之助が相手に。山南VS平間。平間の腕を斬り、あっさり勝負はつく。しかし、山南は止めを刺さず、平間を逃がす。そして平山も向かってくるが、これも剣を叩き落してしまう。だが、やはり止めがさせない。雨に打たれ、ほつれた髪がうっすらと顔にかかるその表情は悲壮でかっこいい。おそらくヤマナマーはしびれているんだろうなw。
しかし、見逃された平山は懲りずに山南に切りかかる。はっとした表情で振り返る山南。しかし、左之助が投げた槍が平山に突き刺さり絶命。立ち尽くす山南に、左之助が冷たく一言。
「戦じゃなぁ、ためらったほうが負けなんだよ、先生」
うわー、目がすわってるー。こえー。それを呆然と聞く山南。今後への布石だなぁ。
さて、今度は鴨VS土方・沖田。土方の刀をたたき折る鴨。この刀って兼定じゃないのか?いいのか、折れちゃって。
布団に包まる八木家の皆さん。しかし、秀三郎だけ抜け出して覗き見。これは史実なのね。
刀と鉄扇で二人を相手にする鴨。扇は沖田に投げつけて失う。そして山南、左之助も合流して、いよいよ決着迫る。再び寝室に移動。沖田は切りかかろうとするが鴨居に剣が刺さってしまう。これも史実(沖田とは限らないと思うけど)。倒れこんだ沖田に迫る鴨。
しかし、ここで勝負はあっけなく決着。最初に投げ捨てたひょうたんに、鴨が足をとられる。その一瞬の隙を見逃さず、沖田が剣を一突き。そんな沖田ににやりと笑いかける鴨。沖田に剣を突きおろそうとするが、背後から土方がさらに一突き。とうとう、鴨陥落。
鴨のなきがらに泣きつくお梅。逃げてと言う沖田の言葉に耳もくれず、沖田の刀で自害するお梅。愛する人の肉を貫く感覚はきっついだろうなぁ。
念には念を入れて止めを刺す左之助。ダークだ。山南は鴨居の刀を抜き取る。そして土方は長州の模様の入ったもの(耳掻き?)をわざわざ捨てる。これだけおおっぴらにやっておいてそれやりますかw。
一方、近藤たち。無邪気に戻ってくる野口。そこで鴨が死んだことを告げる平助。野口、表情はいいのだけど、しゃべり方がちょっといまいちかなぁ。水戸に戻るよう言われて泣き崩れる野口。いいやつなのに、鴨派だったのが不幸だった、ということか。近藤はこうした様子に、ポツリと「つらい夜だ」とつぶやく。いやー、近藤さん、それは口に出しちゃだめでしょう。すごく安っぽくなる。この言葉は余計だったかな。
翌朝、鴨の追悼。結局暗殺は明らかにされず。そして新選組誕生。来週はトリビア武田観柳斎登場。近藤もいきなり髪の毛増えてるw。ひと段落して今度どうなることやら。

追記