新選組!「避けては通れぬ道」

芹沢鴨クライマックスへあと2回。今回は副長の悪知恵とか、ダークな面が満載の回だった。ここの演出が秀逸で、この前の鴨が桂小五郎にやり込められた回以来の秀作かと。
まず冒頭。鴨をどうするか、試衛館の一同が議論。鴨を切ってもいいという土方歳三に、永倉新八が異論をとなえる。これはこの後離隊することへの伏線か。原田左之助があっさり「きっちゃやいいじゃん」と言うところにもどきり。そんな物騒なキャラに見えなかったのに。で、斉藤一は、江戸から逃げるとき鴨に世話になっているため、義を重んじる性格から逃げ出そうとするが、とめられる。それでも嫌そうに「決まったことには従う」と言って去る斉藤。めずらしくぐずってるなぁw。近藤勇は、真っ向から否定しないものの相変わらず優柔不断で決めかねている様子。いけてねぇ。
その後、出かける近藤のところへ、井上源三郎が。「不幸なことは、人の上に立たねばならない人が、人の上にいないということ」と言ってらっしゃいますが、正直現状の近藤は人の上に立つ人間にしては頼りなすぎじゃないですかね?
さて、その後副長二人の対談。ここで山南敬助のダークな面が炸裂。話し合いで解決しようと永倉に言ったことを、あっさりと「あれは方便」と言い捨てる。そして土方が言うよりも早く、「斬るべきです、芹沢さんを」と切り出す。そしてキーワードであるこの一言。
「志を果たすには、避けては通れぬ道です。」
まずは山南の発言。たまには意見が合う、と言う土方。でも最近息が合いまくっていたようなのは気のせいですかw?
さて、逃げ出してきたw、近藤は甘味処で土佐藩士、望月亀弥太と遭遇。たしか土佐のなんか署名集めていたときに坂本竜馬と一緒にいたやつか。相変わらず口が軽く、ぺらぺらとしゃべる。途中で近藤の立場に気づくが、それでもなお坂本の話などをしてしまうところが面白い。で、またまた捨助キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!。相変わらずめちゃくちゃで、買い物も満足にできないでやんの。近藤も遠慮なくひどいことを言ってのけるが、それを気にしないのが捨助だ。
さて後日の会合。小野川部屋の誘いで、土方の指示で近藤が大阪へいくことに。これはこの後の策略の前振りだったのか。鴨がいないことに、新見はほっておいていいという。しかし、ここは鴨のところへ。内容は有名らしい鉄の掟。どれも鴨に差し障りそうな内容で、かつそむいた場合は切腹だというのに、「武士らしく」というところでプライドを刺激されたのか、鴨はあっさり容認してしまう。ああ、またしても墓穴を…。
さて、ここからが新見をとりかこむ陰謀が炸裂。新見を呼び出した土方、新見をおだてて話を持ちかける。「あの法度、ある人物を体よく葬るものでしてね。」あー、デビル土方炸裂。ある人物というのは…。そうとは知らない新見、芹沢排除に対し、「私はなんらかかわりない」と言ってしまう。最近の鴨軽視の発言はここへの複線だったわけか。よくできてる。さてそんな新見ににやりとして土方は、又三郎殺害の件を問いただす。おお、こんなところでこの話が出てきますか。
さて、鴨一同は見世物小屋にオウム見学。オウムの色がいんちきだと水で洗い流そうとする鴨に、オウムが突然「アホウ」一言。そしてその後の言葉が不気味。
「アホウ、オマエシヌデ、シヌデ」
これが延々と繰り返される。しかも微妙に気味悪く音程変えて。うわー、露骨なまでの暗殺へのあおり。こえー。…でも、オウムって人から聞いた言葉しかしゃべれないはずじゃ…。この言葉教えたやつはいったい?
一方、法度が一般隊士に公開されているところへ、新見が来て土方を誘う。魚が網にかかったとほくそえむ土方。そしてその後土方は町で鴨一行と遭遇。笑ってる沖田総司に「お前ほどひまじゃないんでな」とばっさり切り捨てる土方w。そして話したいことがあると土方が鴨に。これもこの後の伏線になっているとはうーん、凝ってる。
さて、浪士組達が練習しているところへお梅さん登場。裸の永倉を誘惑するのに対して、永倉が胸をぴくぴくさせて恥ずかしがるところが爆笑。こんな真剣な回にもギャグ入れてくるのが三谷幸喜らしいなぁ。そしてその後、お梅と沖田のめずらしく真剣な会話。悪女っぷりとゆがんだ感情をあらわにするお梅に、沖田もめずらしくひるまず言い返す。そしてついには「お梅さんは私が幸せにする」とまで。告白ですかい。鼻で笑い抱いてみろと挑発するお梅に、ついに沖田も切れる。そして男となることにw。
今度は藤堂平助とひで。ひでに片思い中の平助がめずらしくアプローチ。なんか恋愛関係もどろどろしてきましたよ?
そして本日の見せ場、新見と土方、山南の会話。又三郎の財布を持ち出し、鴨の部屋に隠して偽の証拠にしてしまおうと提案する新見。土方が「うまくいくだろうか?」と言うと、得意気ににやりと笑う新見。それに大して驚愕の一言が。
「ここは本人に聞いてみよう」
そしておもむろに隣のふすまを開けると、そこにはなんとなんと芹沢鴨。凍りつく新見。あっさり又三郎殺しを認めてガンを飛ばしてくる鴨。うわー、見事な策略だぁ。
又三郎殺しで鴨を責める土方に、山南がわざとらしく、「法度ができる前までさかのぼるのはどうか」という提案。いやらしー。土方も「それもそうだな」と、こっちはいかにもわざとらしい。
「謀ったな」と搾り出すように言う新見。さらに、追い討ちをかける土方。「もう一人、法度を破ったやつがいる」と、新見の今回の謀略を攻めると、「はじめからそのつもりだったのか」と返す新見。それに対して得意気に土方が一言。
「だから言ったろ、あの法度はある人物を体よくほうむるためのものだって。」
うわー、きまったぁ!前振りと締めがお見事だ。
新見に裏切られた形の鴨も、はめられたとわかっていながらも新見をかばうことはできず、腹を切れという。それに対して、死に際した絶妙な表情で「芹沢先生、」と言葉を搾り出す新見。しかし鴨は立ち去ろうとする。それに対して、新見の「先生ーーーー!」との絶叫!かっこええーーー。
ここからは新見節炸裂。
「これがお前達のやり方か」
「こんなやり方で精忠浪士組をまとめたとしても必ずほころびが生じる」
これをさくっと「壬生浪士組です」と切り返す土方、にやっと壮絶に笑い返す新見。しびれる。
「山南ー!お前はこれでいいのか!」
と叫ぶ時の笑い方もすさまじい。
で、そのままこの場で腹を切ることになっても口はとまらない。
「芹沢先生もばかだなぁ。次は自分だって言うのに。」
「土方ぁ、法度とは便利なものをつくったものだなぁ!」
そして極めつけ。
「あんたも足元をすくわれないよう、せいぜい気をつけることだな、山・南・さん。」
うわー、これまたこの先への伏線。きれまくり。
「先に行って待ってるぜ!」
と、本当に堂々として態度で切腹を成し遂げたにいい。いやー、かっこよすぎる死に様でした。
外では島田魁らが待っている。切腹させることは完全に予定済みだってことか。新見の言葉が気になってか暗い表情の山南。それに対して、土方。
「これは、避けては通れぬ道なんだ」
冒頭の山南の台詞とまったく同じ言葉。それを最初に山南に、最後に土方に言わせるこの演出がなんともにくい。
八木家では、男と女になった沖田とお梅が談笑。そこに傷心鴨帰宅。お梅は前に沖田と自分が一緒に寝てても鴨は気にしないといっていたが、この状況ではぜんぜん違う。沖田をめちゃくちゃに殴りつけて放り出す。ひでがとおりかかり、沖田に駆け寄る。微妙な表情の平助。うーん、三角関係。
そして、今日のもう一つの見せ場。鴨の表情。狂ったような、おびえたような目つきで、かすれたように一言。
「新見が死んだ」
そして笑いながら、なきそうな表情でもう一言。
「次は俺だ」
そして不安をかき消そうとしてお梅を求める鴨。うぉー、佐藤浩市演技うますぎだー。

で、ここから一転して大阪。近藤の女遊びキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!いや、今日一番の爆笑ポイントでした。あの壮絶な展開の裏ではこれですかい。前のどすこい事件といい、近藤馬鹿すぎw。さてそこにはまた都合よく竜馬いる。竜馬との会話で、佐幕の意思をはっきり示す近藤。腹は決まったか。

来週はいよいよ鴨暗殺。結構大人数で寝所におしいるっぽいな。お梅も一緒にやっちゃうのかな?
その後、7月からの予告も。裸で打たれる斉藤、髪型違う近藤。池田屋御用改め。斬られる平助。血を吐く沖田。いよいよ新選組、って感じになってまいりましたなー。視聴率も最近は15%越えて調子よくなってきたみたいだし、はてなでの注目度は高い。来月はますます目が離せなくなってきそうだ。