PS3に「みんなのゴルフ5」同梱版登場

全世界的に調子に乗りきれないPS3。最近では大聖堂問題なども発生して泣きっ面に蜂状態ですが、ソニーの経営をも左右する大きな商品だけに、どう巻き返しを図るか多数の経済関係者から注目されている状態です。
先日はストリンガー会長自ら年内の値下げ可能性も言及したため、むしろ買い控えが起こるんじゃないかとショップ関係のブログではコメントされていたりもしましたが、本日、単純な値下げではないですが「みんなのゴルフ5」との同梱パッケージが発表されました。

SCEJ、PS3本体に「みんなのGOLF 5」をセットにした「PLAYSTATION 3 ビギナーズパック」発売決定

60GB版が61980円、20GB版が51980円。ちゃんと税込みですね。元々の60GB版がオープン価格だったため、定価で比較できるのは20GBのみ、というのが微妙なところですね。20GB版定価が49980円、みんなのゴルフ5が5980円なので、3960円分安くなっている感じです。

実売価格はどうなるか?

ただ、問題は実売がどうなるか、ですよね。実際、市場にはかなり本体の在庫がだぶついている模様で、小売りなどではゲーム機本体にもかかわらず定価売りは少なく、定価で売っていたとしてもメモリカードリーダやおまけなどを付けているところがほとんどです。Amazonでも、BDのカジノロワイヤル付きで60GB版が59980円と、今回のビギナーパックよりも2000円安い状態です。カジノロワイヤルは4980円なので、その差額を見てもさらに1000円安い状態ですよね。

それ以外でも、たとえばゲームショップの桃太郎王国のサイトなどでは、60GB版単体で57800円です。こうした、すでに結構値引きされている市場の中で、果たしてこの「定価で約4000円安い」というビギナーパックが果たしてどのぐらいの値段で出てくるか、興味深いところです。要するに、ショップへの卸価格によるんでしょうけど。

ちなみに、ファミ通の記事なんかは、アフィリエイトをそこら中に張りまくっているAmazonのカジノロワイヤルパックなどは無視し、オープン価格の60GB版に対してヨドバシなどの価格を持ってきて「実質ソフト分値下げ」と言っていますが、現状の市場での値下げ状態を見ると、あんまりたいした差にならない可能性もありますね。

実質的な値下げ!? 『みんGOL5』同梱のプレイステーション3特別パック発売決定! / ファミ通.com

みんなのゴルフ5のために5万円」は受け入れられるか?

そして、自分がこのパックで違和感を感じたのは、パッケージに書かれているみんゴルのかわいいキャラと、「5万円超え」という価格との違和感ですね。みんなのゴルフ自体は自分も結構好きなソフトで、PS2で出た3と4は持っていますが、どっちかというと「皆が気軽にできる」という印象の強いソフトでした。
ただ、これには「PSが国民的機種で、皆が本体を持っていた」ということが大きな背景としてあったように思うんですよね。子どものいる家庭は皆PS2を持っており、その上で大人でも気軽に出来るゴルフゲームと言うことで一気に浸透した印象です。こうした「子どもが持っているゲーム機から大人もとりこむ」というのは、PS1のときからSCEが得意としていた流れで、その成功例をみならってか、最近では任天堂の方がうまく行っている戦略でもあります。

しかし、肝心のPS3はまだ、「子どもが皆持っている」という状態にはなってません。というか、そもそも本体の方向性からしてあまり子ども向けな印象もしないんですよね。かといって、ゴルフ好きな大人が、みんなのゴルフ5をするためだけにわざわざ5万円も出すかどうか。

PS3買ってもいいかも」の第一歩として

まあ、団塊の世代などは退職金などでお金を持っていますし、その辺を引きつけられれば、この価格でも問題ないかも分からないですけどね。それに、BDなどで大人が好むタイトルが充実してきたり、みんなのゴルフのような大衆受けするタイトルがそろってくれば、「そろそろ買ってもいいかも」となるかもしれません。いきなりWiiの売り上げを抜くとか無理な話ですし、まずは出来るところからPS3の魅力を広げていくというのは重要かもしれませんね。後は、そうした緩やかな普及速度に、ソニーが耐えられるかどうか、そして他の陣営が黙ってPS3が広がるのを見過ごすのか、と言うところもありますが。

とりあえず、PS3ではようやく出てきたキラー候補であることは確か。この同梱パックが果たして初週どの程度売れるか、興味深いところですね。


P.S.
最初記事が二重投稿になっていたようです。(ご指摘感謝>リトさん)