WiFi無し廉価版PSPが欧州限定で登場〜PS3の値下げも

現在、欧州で開催中の世界最大規模のゲームトレードイベントgamescom。

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その中のカンファレンスで、PSに関するいくつかの発表があったようです。

WiFi無しの廉価PSP〜ただし欧州限定

一つは、PSPの廉価版の発売です。

新型 PSP E-1000 発表、WiFi を廃止した廉価版
New PSP Announced At Gamescom 2011 – PlayStation.Blog.Europe

なんといっても特徴は「Wi-Fi無し」。欧州限定のモデルではあるのですが、モンハンに極度に偏っている日本では考えられない仕様ですね。なにせ、Wi-Fi無しではアドホック通信での共同プレイが出来ないわけなので。さらに、ソニーが大きく比重を移しつつあるPSNにも結果的に未対応。PS Vitaで動かすことを考えればPSPソフトもDL販売を中心にしておいた方がいいであろう中で、この廉価版では直接購入できない仕様となっています。WinPCかPS3経由での購入が必須ということで、ますますDL購入の敷居が上がっている感じです。(PS3持っていないMacユーザーだとDL版購入手段が無いという思いっきりぶりです。)

本体のデザインも、透明部分がなくなってコストダウンがうかがい知れます。そのかいもあってか値段は€99。従来の€130に比べれば2割以上安くなっています。とはいえ、Wi-Fi削除がどう受け止められるか。これにWi-Fi足してもう10高くしても良かった気もするんですけどね。日本でもそれなら売れたと思いますし。ソニーの戦略的にも正直よく分からないというか。UMD無しでDLのみ、PSPの形状からも脱却して高め設定のPSPgoが大ごけしたので、このE-1000はその逆を徹底的についたということなんでしょうか。そういうことならコンセプトははっきりしているとは思いますが、「それを捨てるなんてとんでもない!」とならなければいいですが。まあ、日本人にはあまり関係ない話ですけど。

PS3は5000円値下げ〜日本では8/18から

一方、もう一つの大きな発表としてはPS3の値下げ。これは全世界のもので、日本では5000円値下げされます。160GBの3000Aが24980円に、320GBの3000Bが29980円といった形です。ちょうどVitaのWiFiモデルと3Gモデルと同じ価格帯になる形ですね。

速報:プレイステーション3値下げ、18日から2万4980円 (160GB)・2万9980円 (320GB)

これまでも、度々値段変更はあったPS3なのですが、今回これまでと違うのが、「新型番発売のタイミングでない」「値下げが翌日から即」というところ。これまでは、コストダウンした新型番に合わせてHDD増量して値段据え置きとか、値下げなどがPSでは多くありましたが、今回値下げする3000A,Bは各々7/4、6/24に発売したばかり。予告期間も無かったので、お盆にゲームやるために買った人も、ちょっと損した気分になりそうですね。新型番にあわせて3000モデルを買った人も。

こうした値下げはゲーム業界では度々あることですし、ぎりぎりのタイミングで買ってしまった人が損した気分になるのは常ではあるのですが、ニンテンドー3DSの件に続き、この値下げも結構唐突な感じで、消費者にしわ寄せが来ているなぁ、という印象です。3DSがフレアレッド発売直後に値下げしたので批難をうけたように、このPS3の値下げも6月末の新型番発売に合わせて行なっておけば、とくに角が立つこともなかったんでしょうけど。新機種発売から半年で40%値下げという異例の自体で補償を打ち出した任天堂ほど、消費者に補償する必要はないでしょうけど、ソニーも少なくとも3000型番買った人には何らかの誠意を見せてもいい気もするんですけどね。

想像以上に深刻なゲーム業界

しかし、3DSの値下げという今回の廉価版&値下げといい、全体的に感じるのはゲーム業界の厳しさ。他の業界でもそうなのですが、想像以上に世界経済が深刻な状態になっているのを感じます。テレビや携帯でも大手メーカーの撤退などがありましたが、もう各社、なりふり構っていられないほどの大きな不況が押し寄せているような、そんな印象をこうした状況からうけてしまいます。そうしたことが、消費者の消費意欲低下につながって負のスパイラルになる、そんなことにならないといいのですけど。

なんとか、ゲーム業界から、面白いゲームやブームを巻き起こし、景気のよい話題を振りまいてほしいな、と思います。