自分の生活パターンを手軽にデータ化〜「歩いてわかる生活リズムDS」レビュー

先日発売されたニンテンドーDSi

ニンテンドーDSi ホワイト【メーカー生産終了】

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ニンテンドーDSi ブラック【メーカー生産終了】

ニンテンドーDSi ブラック【メーカー生産終了】

初日の20万台は4日で完売、週末10万台が追加出荷されましたがそれでも品切れのところが出るなど、さすがはDSという存在感を示しています。

「任天堂「DSi」、初回出荷20万台わずか4日で完売」ビジネス‐新商品ニュース:イザ!

さて、そんなDSiと同日発売で個人的に楽しみしていたDSソフトが「歩いてわかる 生活リズムDS」です。

歩いてわかる 生活リズムDS (「生活リズム計」2個同梱)

歩いてわかる 生活リズムDS (「生活リズム計」2個同梱)

これはWii Fitでダイエットしていた際にも時々万歩計を使っては挫折していたので、期待度は高かったですね。

「Wii Fitを通じたダイエット」成果レポート 〜 発売から半年で体重約15kg減を達成 - わぱのつれづれ日記

せっかくなので買って早速レビュー…とも思ったのですが、理由があって見合わせ。とりあえず1週間使ってみましたので、そのあたりの理由も含めてレビューしてみたいと思います。

生活リズム計2個&クリップ付きのパッケージ

まずは、パッケージと生活リズム計のハード面から。

パッケージは、生活リズム計2個とクリップがケースに入っており、その他に説明書とソフトが付いてきます。箱の質感がざらっとしていて気持ちいいです。

生活リズム計は、非常にコンパクト。白黒のリズム計に、各々クリップ付き裏蓋が付いてきます。このクリップなのですが、取り替えるのがちょっと面倒で、裏側のネジをはずして交換しないといけません。本体のコンパクトさのため、クリップだけ手軽に着脱出来る仕組みは取りづらかったんでしょうね。落下防止の意味合いもあるのかもしれませんが。ただ、このネジはかなり小さく、取るには精密ドライバーのたぐいを利用する必要があります。自分は100円ショップで買ったのを持っていたのでそれを使いましたが、針金状の簡易なものでいいので、それぐらいは本体に同梱させておくべきだと思いましたね。


また、カードなんですが、通常の灰色のカードと違い、黒色のカードとなっています。この側面に、赤外線受光部も内蔵されていますが、非常に小さくてぱっと見た目では分からないですね。カード本体が黒いのも、この受光部をカモフラージュするためなんでしょうね。

リズム計は非常にコンパクトなので、クリップ付きでズボンにつけていても違和感は小さいです。その気になればシャツや下着につけてもなんとかなるレベルかも。また、クリップ無しならサイフにもなんとか格納出来るサイズで、ズボンにつけるのが面倒な人にはサイフに入れっぱなしも悪くないかもしれません。

まずは個人登録〜WiiからMiiの移行が可能

続いてはソフトの方です。こちらは、まず個人の登録から始まります。まずは使用する生活リズム計をDSのスロット部分に向け、ボタンを一押し。一瞬でデータ転送されて登録されます。生活リズム計が画面の中にぽとっと落ちてくるメタな感覚がいいですね。その後、日時の確認。おそらく生活リズム計にクロックが仕込まれていて、それと実際の時刻とのリンクをここで取っているのでしょう。

その後は、登録が「人」か「犬」かを選択。「犬」というのが実に斬新ですね。ただ、自分は当然人間なので人を選択。すると、今度はMiiをDS上で作るか、Wiiから釣れてくるかが選べます。DS上のMii作成は試していませんが、もともとMiiのソフト自体DS上で開発されていたソフトだったので、それを応用しているんでしょうね。

さて、自分はWiiからMiiの転送を選んだのですが、ここからが少々トリッキー。Wiiで「似顔絵チャンネル」におけるMiiを選んだ後、隠しコマンド的な入力が要求されます。具体的には「A→B→1→2(長押し)」です。いつから入っていた機能なのかしりませんが、このコマンドを入力すると画面にDSへの転送用のメッセージが表示されます。この状態でDSとの通信が可能になり、Wiiで使っているMiiをすんなり持ってくることができます。正直、この隠しコマンドみたいなのはちょっと分かりづらいですね。特に最後の2長押しが最初よく分からず、2,3回やり直してしまいました。このソフトがターゲットにしている層には、ここで詰まってしまう人も出てきそうです。

あとは服装や色を指定。さらに家族での利用を前提としているためか、家族名を入力させられます。ここまでやって初期登録終了、という形です。

毎日の歩数を記録〜操作はタッチのみ

続いては、生活リズム計で測ったデータの記録。これが基本的に毎日行う作業で、Wii Fitで言う「からだ測定」にあたる作業です。まず、メニュー画面から「生活リズムのチェック」を選択するわけですが、これがタッチ操作のみなのがちょっとうっとうしいですね。Wii Fitではリモコンの十字キー操作も可能にしていたのに、なんでボタンでの操作を入れなかったのか。正直、日々の記録をつけるためだけにタッチオンリーにしなければならない必然性が分かりません。ソフトの中でもほとんどの操作はメニュー選択のみですし、普通に十字キーとボタンの操作を入れておいてくれれば良かったのにと、残念です。

さて話を戻すと、データの転送は初期登録のときと同じくDSスロットに向けてボタンを一押しするだけ。データ転送は一瞬で終わります。その後、実際に歩いたデータに基づき、行動を分析してくれます。まず行動開始の時間が表示。朝から出かけているときは普通の時間が示されますが、休日などに家にずっといたりすると、行動開始が夜だったりすることもあります。

そのあと、時間経過ごとの歩数を追っていき、その日の目標歩数を達成したタイミングを知らせてくれます。初期設定は3000歩で、外出していれば比較的簡単にクリアできる数字。ちなみに、生活リズム計だけでもこの目標達成は把握可能で、歩数を記録した際に通常赤く光るランプが、目標達成後は緑にかわります。このあたりもなかなか面白いですね。

そして、それ以外の部分では1日で最も歩いた時間、最も歩かなかった時間を示してくれます。この際、前日との比較、今までで最長ならその情報も教えてくれます。こうした、自分の行動の変化のレポートはこのソフトの特徴でありおもしろいところですね。そして、10分以上歩いたところは赤色で表示されます。これも、長く歩くことへのモチベーションにつながっていい感じです。

最後に、その日の行動を生き物たとえてレポート。長く歩いた時間が多いとライオン、細かく昼間動いているとアリ、夜型だとコアラと、行動パターンに対して解説してくれます。ただ、同じ動物が出てきても毎回同じ解説がされるのでちょっとうざいところもありますね。そして、その日がいい日だったかどうかを3段階で評価してスタンプを選び、カレンダーに。これで登録が終了となります。最後にミニ目標が設定されて、翌日の記録でも聞かれますが、これは達成しても達成しなくても問題なし。ただ、「姿勢を良くする」「野菜を食べる」「人に優しくする」などちょっとした目標なので、毎日占いとかをチェックしていてそこに書いている行動などを実行するような人にはいい機能かもしれません。

ためた歩数で「記録で遊ぶ」機能

さて、上記まではある意味初日でも体験できたところですが、買ってすぐレポートしなかったのは「データがたまらないとその後やることが無い」という理由から。1日のデータを記録しても、買ってすぐはそれで終わりになってしまうんですよね。このあたりが、Wii Fitと違うところでしょうか。あちらは体重計がリアルタイムセンサー代わりになっていましたから、バランスゲームで遊ぶことができましたからね。それに対して、この生活リズムDSは完全に歩数データ記録管理ソフト扱い。これ単体で何がゲームをすることはできません。正直、勢い込んで買って試してみた人は、ここでちょっと面をくらうんじゃないでしょうか?もうちょっと単体で遊べる工夫があっても良かったかもしれませんね。例えば、歩数と健康の関係に関する読み物とか、そういったコンテンツが入っているだけでも少しは違ったかもしれません。

その後、実際に歩いて歩数をためて、入っている要素を試してみたのですが、結構どれも微妙です。一つは一応目玉と思われる「歩いてつくる世界地図」なんですが、てっきり日本を出発して世界を一周するようなものかと思いきや、「歩数を使っていろいろな絵を完成させる」という変なモード。ある意味、幼児向けのお絵かき問題みたいなノリで、途中まで線で書いていき「これなーんだ?」みたいなヒントが出されるのですが、大人が素でプレイしてもちょっと面白くありません。しかも、この絵が100もあり、その順番は世界中様々で脈絡がありません。ワインだったりスペースシャトルだったり、出てくる絵も様々。これでは、わざわざ歩数を使っている意義が感じられません。よっぽど、普通に世界を徒歩で歩きまわって名所などを紹介してくれるモードの方が良かったです。

それ以外では、歩いた歩数で家の電気をつけるという「リズムをあわせてライトアップ」というものもあります。これはその日の歩数データを使って、電気をつけるわけですが、家族で生活リズムがあっていると発電量が上がる模様。ただ、1人でやってもこれは微妙ですね。明かりがいろいろ付いていくのですが、どれも暗い中に黄色い光という形で差がぱっと分かりづらい。

それ以外に、Wi-Fiでは皆がためたデータで協力して宇宙旅行するというものもあるのですが、惑星を順に進んでいくだけ。自分だけのデータではなく全部まとめたデータなのでイマイチ面白さがわかりません。歩数ランキングもあるのですが、上の方の人の歩数は多すぎて「だから何?」という感じに。

ということで、この歩数を使った遊びについては、個人的にどれも残念な結果でしたね。社長が訊くのインタビューを見ていて、もう少し面白いものができていたのかと思ったのですが、自分には合わなかったようです。

過去の自分のリズムを確認

その他、肝の要素としてあるのが、「記録をみる」機能。こちらでは、過去の1日の歩数の詳細の他、カレンダーでの確認、7日or30日単位での比較などができます。1週間分たまると、平日と休日で一定のパターンが見えたり、たまに違ったデータがあったとき、「ああ、あれは○○があったから」という回想をすることができます。1日の詳細のところではそうしたメモも残すことができて、これはちょっとした人生ログになりますね。DSi専用ソフトなら、これでさらにカメラを使って写真もとり、それとリンクできたりすると面白かったんですが。それは今後に期待というところでしょうか?

まとめ 〜 健康系ソフトとしては優秀、エンターテイメント的には微妙?

以上、いろいろと一通り触れてきましたが、個人的には生活リズム計というデバイスや、それを手軽に記録して管理することが出来るという、このソフトの本質部分は良くできていると思います。ただ、インタビューなどでもあったように、そうした実際の記録データにあまりに頼りすぎになっている感もありますね。Wii Fitの運動貯金というも、それほどすごいおまけ要素ではありませんでしたが、この生活リズムDSのおまけ要素も、ちょっと個人的には微妙な感じを覚えました。「大人も子供楽しめるソフト」というものを任天堂は目指しているようですが、このソフトはそうした家族のシーンにかなり利用者想定が限定されている気がします。たしかに、そうしたコンセプトがしっかりしていることは悪くは無いのですが、純粋に歩数計+管理ソフトといった健康器具として優秀なだけに、シリアスに健康を楽しんでいる人向けのもうちょっとひねった遊びも提供していてくれると良かったかな、と思います。

あと、個人的な理由になってしまうのですが、そもそもこのソフトをDSiと一緒に買って、久しぶりにDSiも活用しようかと思ったのですが、このソフト、1日の終わりに一度起動するだけですので、ぶっちゃけ持ち運ぶ意味がゼロです。家族のデータを管理する、というコンセプトからしても、むしろWiiリモコンのカメラにある赤外線カメラでデータを受信させ、WiiウェアかなんかでWii上で管理させてもいいんじゃないかと思えます。で、どうせだったらWiiFitに記録されているデータも合わせてグラフ化し、歩数と体重の関連性なども見えるようにすると面白いような気もします。こうした、もう一歩進んだ遊びを提供してくれるといいんですけどね。

とまあ、色々駄目出ししてしまいましたが、元々自分は手軽に歩数を記録し、長期保存できるという目的でこのソフトを購入したので満足です。生活リズム計のおかげで、ちょっと空いた時間に周りを散歩するのが楽しくなりましたね。Wii Fitでも「歩くことがダイエットにつながり、体重グラフが下がる」というのがモチベーションになりましたが、この生活リズムDSならダイレクトに「歩数」が積み上げられますからね。

生活リズム計

生活リズム計

管理ソフトと歩数計2個ついて5800円と、健康器具の相場からすればかなり安いですし、健康に興味がある方にはお薦めなソフトだと思います。生活リズム計単体でも購入できますし、最大4人まで管理できるので、家族でプレイするともっと楽しいでしょうね。