yodobashi.com : 「ニンテンドーDS Lite」のご予約販売について

詳細が発表され、店頭体験台の展示も始まって日に日に期待が高まっているニンテンドーDS Lite。しかし、なかなか予約が始まらず、一部予約を始めた店舗についても、ネットについては瞬殺されたり、サーバートラブルになったりして騒動が起きている状態です。
ゲームショップ店長のたまり場:開始から30分、DS Lite予約終了しました。
ニンテンドーDS Lite 入手への道: DS Lite 予約情報


そんな中、関東で最大の数を販売すると見られるヨドバシカメラが、予約販売の見送りを決定しました。

3月2日発売予定の「ニンテンドーDS Lite」は、現状、入荷状況や販売価格等が未定のため、ヨドバシカメラ全店およびヨドバシ・ドット・コム、モバイルヨドバシでご予約の受付は実施いたしません。

うーん、これは影響大ですね。たしかに、現在の需要>>>供給の状態では、予約を受け付けると一体どれほどの予約が集中するか分からず、当日売りとのバランス調整が難しいことがあるかもしれません。また、PSPのときと同様、実際に生産体制が追いついていないということもありえます。そういった意味では、予約を取らないという考えも、一定の理解はできます。予約をとらず、当日の出荷はヨドバシとかならかなりの量がありますから、発売日朝に並んでしまえば、かなりの高確率でDSLiteを購入できそうな気もしますし。


ただ、うがった見方をすれば、「販売当日に長蛇の列を作ることでマスコミに話題提供させる」ということもあり得るのですよね。PSPのときは、大型量販店で予約を受け付けなかった割には、発売日には各店舗に潤沢な出荷があり、発売日に限っては午後になるまで購入できたりしてましたので。PSPの場合、この行列を作ったことは、結果的にかなりマスコミへの効果が高く、DSとPSP、発売当初のマスコミ評は「PSPが人気の面で優勢」と書かれていたりしました。実売は、DSの方がダブルスコアをつけて圧倒していたんですけどね…(2005年1月末時点)。
データで見ミる DSとPSP -
ただ、3/2というのは平日であり、長蛇の列が出来てしまうとかなりの社会問題になってしまう可能性もあります。学生が無断で休んだりしたらまずいでしょう。社会人は有給を使うことができますが。そうしたことを意図的にやってしまうのは、任天堂らしからぬ行為なようにも思います。
今年に入ってからのDSの出荷不足、DSLiteの電撃発表は、自分はかなり批判した記事を書いていました。新型を生産するために、旧型の生産ができないのだろうと。この考え自体は未だ変わっているわけではないですが、任天堂広報は以下のように語っています。

同社は「発表はもう少し遅い予定だったが、売り切れの状況が続いているので、急遽前倒しで発表した。タイミングを誤ると、現行機を買った人から不満の声が出るかもしれない。それによって信用を失うことが一番怖かった」(広報室)と説明する。
ニンテンドーDS Lite、早すぎた登場のワケ - 夕刊フジBLOG

要するに、意図的に品薄を演出しているわけではない、という主張で、一部で噂されていた、新型発表を前倒しした、という憶測を肯定した形です。しかし、これは結局、旧型DSを大量に作りだめしてDSLiteを作っていたら、旧型の在庫が想像以上に早くつきてしまったと言うことで、やはり新型発売なければ起こらなかった事態ではあるのですよね。運がわるかったというか何というか。しかし、意図的で無かったとしても、新型発売を前倒ししたとしても、品切れで買えずに右往左往したり、買えずに失望して帰る人がいたり、ヤフオクで高く売買されることが普通に成り立ってしまう異常事態を生んでしまったことには変わらないでしょう。

今回、任天堂が意図的であろうとなかろうと、ヨドバシが予約を取らない時点で、DSLite発売日行列は確定でしょう。たしかに、マスコミは大々的に報道するでしょうし、宣伝効果も抜群です。しかし、これは本来はあまり美しくない盛り上がり方であることを岩田社長には心にとめておいてもらいたいです。消費者が身を削ってまで並んだり走り回ったり、買えなくて失望したり、転売屋が儲かったりするのを見て憤慨したり、そうした消費者の負の感情の上で築かれた宣伝効果、というのは、PSPのときのようにどこかでひずみが出てくるものです。これまでの任天堂はバカ正直に顧客中心でやってきた、というのはありますけど、マスコミ効果を狙うにしても、今後も顧客重視の対応をお願いしたいと思います。