ニンテンドーDS Conference(カンファレンス)! 2006.春

さて、残りの内容は、任天堂が今回も公開している講演内容のページを見て行きたいと思います。
ニンテンドーDS Conference(カンファレンス)! 2006.春 2/14
前半のニンテンドーDSの好調ぶりは、とくに今更触れるべきものでもないでしょう。どうぶつの森がすでに受注で230万、出荷210万というのはちょっと驚きましたけど。この調子だと今年中に300万本行くこともあり得そうです。季節毎にイベントがあるため、どの段階から参加してもある程度皆同条件で遊べますから。
ニンテンドーDS Conference(カンファレンス)! 2006.春 4/14
実際に盛り上がっている様子として、2chとかでもよくイベントや売り場の様子を写した写真が貼られることがありましたが、それを実際のプレゼンでもやってしまうのは、なかなか面白いですね。ネットなどの動向をよく見ているな、という印象です。
ニンテンドーDS Conference(カンファレンス)! 2006.春 6/14
上記のページの最後では、「任天堂ゲームセミナー」で開発しているソフトを、3月にダウンロード配信するとのこと。これも面白い試みですね。これまでは主に発売するソフトの体験版配信かゲームデータ配信ぐらいでしたが、ダウンロード配信専用、というものが増えてきても面白い気がします。
ニンテンドーDS Conference(カンファレンス)! 2006.春 8/14
ここからは新規タイトル。「漢字そのまま楽引辞典」は、えいご漬けの感じバージョンみたいなノリも入っていそうですね。ジーニアスというのも、自分が高校の時に使っていたので、実用性があがっていそうです。「テトリスDS」はWi-Fi対応なので要注目。とりあえず1本持っておくか、という感じです。任天堂のゲームはあまりやってなかったので、あまりに任天堂懐古主義な作りなのが好きではないのですけど。「DS美文字トレーニング」は結構注目。自分は昔から字が非常に汚かったので、日ペン的なものをやろうかとおもったこともあったのですが、面倒だしお金かかるしであきらめていたんですよね。ゲーム的な要素もあるなら面白そうです。「しゃべる!DSお料理ナビ」はとりあえず自分には必要なし。でも、料理中に音声でページを進められる、音声合成でレシピをアナウンスするなど、ヒューマンインタフェース好きな自分にはたまらないものもあります。本当、任天堂はこうしたいままで日の目をあまり見なかった技術を積極的に世に出してくれるのがうれしいですね。
ニンテンドーDS Conference(カンファレンス)! 2006.春 12/14
それ以外の通常ゲームの中では、「ウイニングイレブン最新作」がWi-Fi対応で出てくるのが注目ですね。この手の対戦ゲームのWi-Fi対戦は続々と出てきて欲しいものです。また、「たまごっちの新作」、「オシャレ魔女ラブandベリー」などは、たまごっちやどうぶつの森で獲得した低学年女子をがっちりとつかみそうなタイトルで、ぬかりない感じです。

○まとめ

今回のニンテンドーDSカンファレンスは、「標準プラットホームを目指す」ということが、明確にビジョンとして示された講演だったように思います。自分は以前、12/26の日記で、以下のようなコメントをしました。

しかし、DSの場合、できることは高機能な割に、ゲーム機という枠に当てはめることで操作系統をシンプルにし、様々な要素をブラックボックス化することで、「高機能を簡単に」を実現することが出来ました。その結果、PCなどでは今一ブレイクしきれなかった一般向け教育ソフトなどのジャンルが、非常に生き生きと能力を発揮してきている訳です。

この自分の感想を、さらに昇華してきたのが今回の講演だったと思います。いままで、PCの世界でWebTV、TabletPC、さらにはPocketPCなどと、PCをより簡略化し、様々なインタフェースで多角的に利用してもらおうとするアプローチが多数とられていました。しかし、そのどれもが結局マニアックさ、技術っぽさを払拭できず、一般に受け入れられることはありませんでした。このニンテンドーDSは、そんななかで、タッチペン、音声認識、文字認識、音声合成と、本当に多種多様なマルチメディア技術が取り入れられ、それを「おもしろいもの」、「便利なもの」ということを一般に認識させることに成功しています。これはニンテンドーDSだけでなく、今後の他のIT機器に与える影響も大きいのではないでしょうか?
PSPも、動画を携帯させるというジャンルをメジャー化すると言う意味では、ある程度の成果を残しているとは言えます。ただ、PSPは肝心のゲーム機能を完全に「トリガー」としか見なさかったことで、結局「安いマルチメディアプレーヤ」としかなっていません。バランスの取り方を間違えた感じですよね。
また、教育ソフトだけでなく、一般で受けているけどゲームとしては成功していないジャンルも、続々とチャレンジしています。これらが成功する土台ができるのであれば、世の中では新たにビジネスチャンスをつかめる会社も増え、日本の経済を盛り上げていってくれるのではないでしょうか?
日本が理想としながらも、MS+Intelアメリカ連合に駆逐されてきた汎用コンピュータの歴史。世の中がPCばなれを徐々に起こしている現状で、日本発の技術が新たなプラットホームを作ることができるならちょっとおもしろいのですけど。

SCEは、ゲームをあくまでトリガーとしてマルチメディア技術を売りに来ました。任天堂は、ゲーム屋として、マルチメディア技術や他のプラットホームのシェアも奪って生き残る道を選びました。停滞期を迎えているゲーム業界は、たしかに変わってきています。この先、どのようにして日本のお家芸のゲームが守られていくのか、注意深く見ていきたいと思います。