ニンテンドーDSのマルチメディア路線拡張について

今回、ニンテンドーDS用に、ワンセグ向けチューナーが出ると発表されました。ワンセグについて昨日は特に触れませんでしたが、これは地上デジタル放送の一つで、通常のハイビジョンテレビで放送されるものが12セグメントで送信されているのにたいして、残る1セグメントを使って携帯など向けに送信される放送のことです。
1セグメント放送 - Wikipedia
マスコミ各社では、ライバルPSPで既に用意されているロケーションフリーと比較していましたが、ロケーションフリーは自宅にあるストリームサーバーの映像をLAN経由で見る、というもので、ワンセグのように実際に電波を受信して放送を見る、というものとは結構異なります。ワンセグは携帯テレビのデジタル版というところな訳です。
このワンセグチューナーについてですが、マスコミ、とくにテレビ局は大々的に取り扱っています。
Yahoo!ニュース - フジテレビ系 - 任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」、受信機装着でワンセグ放送対応へ
しかし、実際には端末メーカーとは温度差があるようです。
Sankei Web 経済 「ワンセグ」4月1日スタート 冷ややか携帯各社(02/14 04:05)
テレビ局としては、通常のテレビ以外にもCMを見てもらえる機会が増えるのに対して、携帯電話では数千円のコストをかけてビューワを載せても客に買ってもらえないのでは、という思惑があるようです。ただ、この報道の逆の見方もあって、テレビ局側はワンセグにも同じCM流すのだけれど、ワンセグ分のCM台はもらいづらいという要素もあったわけです。
こうした、いろいろと逆風の強い中でのニンテンドーDSワンセグチューナ。国内で年内1000万台を狙おう機種だけに、ワンセグに対する好感度の向上にも役立つでしょう。そういった意味ではマスコミからの支持は広がるかもしれず、メディアでの好意的報道へとつながる可能性があります。マスコミに広告費をばらまいて有利な報道させるのが特異だったのはソニーですが、任天堂もこうした分野でも順調に力を伸ばしているように思います。
このワンセグチューナだけでなく、プレイやんなど、本来ゲームのみに特化していた任天堂は、ソニーの特異とするマルチメディア分野にも乗り込んできました。ソニーと違ってゲームに本腰を入れているのは確かですが、他の娯楽についても奪わなければ勝てないという危機意識の現れでしょうね。