DSの上位機種「ニンテンドーDS Lite」が発表に - Nintendo iNSIDE

やってくれましたね、任天堂さん…


はじめてですよ…
このわたしをここまでコケにしたおバカさんは……
まさかこんな結果になろうとは思いませんでした…


ゆ…
ゆるさん…


ぜったいゆるさんぞ岩田社長!!!!
じわじわと予約してくれる!!!!!


とまあ、思わずフリーザ風に始めてみましたがw、このニュースは相当にショックでしたね…。本当、裏切られた感じがひしひしとします。特に、年末に家族に2台買わせ&買ってあげた後だけに、その衝撃は相当なものです。「前から欲しいとは思っていたんだけど、新型いつか出るかもって待っていたんだよね」と言った兄弟の言葉が胸にぐさりと突き刺さります。

●新型発表までの流れ

この新型の噂は、年末に品薄になったところから常に噂をされ続けていました。まず最初にささやかれたのは、米任天堂のReggie氏の以下のインタビューからでしょうか。
HDサポートはなし、DSの新デザイン?―Reggie Fils-Aime氏 - Nintendo iNSIDE
この中で、ニンテンドーDSについては、発売後すぐに新デザインについて検討を始めた、というコメントがありました。まあ、これまでの任天堂の戦略からして、定期的にデザインを一新して新型を出すことは分かり切っていましたし、このこと自体は当然のことだろうと思われました。
その後、この新型の噂が真実味を帯びてきたのは、ファミ通の噂記事からでしょうか?今年の初め、「春頃、次世代機でないゲーム機がリニューアルされる」との記述が掲載されました。そして、時を同じくして、力生という香港のサイトで、「新デザインDSが1/16に発表される」との記事が掲載されました。
近日中に新デザインDSの発表があるという噂 - Nintendo iNSIDE
新デザインの任天堂DSは16日発表? - Engadget Japanese
ちょうど、日本ではクリスマス以降、ニンテンドーDS極端な品薄になりました。年末年始で200万台ほど売ったわけで、この品薄も仕方ないとの声も多数ありましたが、一方で「在庫調整では?」「新型がでるからだろ」という声もいろいろなところでささやかれ始めました。

これに対して、国内では何もレスポンスは無く、ただ単に、1月末には大量に出荷できる、というアナウンスをしただけでした。
ニンテンドーDSが品切れ状態に、任天堂が公式コメント / ファミ通.com
※お詫びのコメントは削除されている模様…。
一方で、海外では、米任天堂がこの新型の噂を否定したと、大手ニュースサイトIGNが伝えています。
任天堂がDS新デザインの噂を否定 - Nintendo iNSIDE
任天堂DSの新デザインはお預け - Engadget Japanese

ただ、これも特に公式のコメントだったわけではなく、つい先日もHD DVD搭載新型Xbox360のニュースをMSが否定した後、すぐにXbox360向け外付けHD DVDを発表するといった事態があり、こうしたリーク情報をいったん否定してすぐに正式発表ということはしょっちゅうあることだけに、新型の噂が消えることはありませんでした。
また、その後にも、中国の工場で実際に新型DSを作っているという人のリーク情報も公開されていたりしました。
Panyawoさんのブログ:新型DSの 詳細 なウワサ?


そして、今日とうとう新型DSの発表。結果的に、これまでの噂はほとんどすべて正確だった、ということのようですね。特に、最後の中国の情報は、ほぼそのままっぽいですね。

任天堂が失ったもの

この新型発表を受けて、まずは自分の心境を反映してネガティブな方から分析したいと思います。
まず、この年末年始にニンテンドーDSを買ったユーザには、間違いなく損したイメージを抱かせるでしょう。たしかに、値段は既存の機種より高くなるようですし、そういった意味での損は無いのですが、わずか2000円の追加でより軽く、スタイリッシュなものが手に入るのですから、何か損した気になるのは確かです。
また、「これだけ年末年始に売れまくったのに、急いで新型を投入するはずがない」と、新型の噂を否定し、まわりにDSを進めてきた任天堂ファンの反感もかなり大きいでしょう。だって、普通に考えれば今投入するのは変ですしね。任天堂ファンも、それが正論だと思って発言していたでしょう。それが、まさか任天堂側から壮大に否定され、新型発表されてしまったのですから、正直面子丸つぶれです。単純に腹立たしいと思う人も多いのではないでしょうか?
あと、任天堂および岩田社長の読みの甘さも露呈した感じです。これまでは、年末年始のニンテンドーDSの品切れ現象も、「年末年始で200万台も売れるのは予想外」「予想できなくて当然」「こんな桁違いの需要満たすほど作るよう工場拡張していたら逆に無能だ」など、擁護する意見がかなりありました。
しかし、こうして新型のDSが発表されてしまえば、何のことはありません。単に、ニンテンドーDSの最後の売りどころと見て年末年始の販売台数を予想して一気に作り、その後は生産を抑えて調整をしていたのは明白です。新型DSの制作のためにも、新たにラインを作って量産試作とかしなければいけませんしね。その分、既存のDSの生産ラインは縮小されていたのでしょう。しかし、予想外にDSが年末年始に爆発してしまったため、ここに不整合が生じました。いったん縮小したラインを復活させるのには、かなりの手間と無駄なコストが生じます。新型が発売されれば既存のDSは当然急激に売れなくなります。今更ライン復活したくない、という意図もあったでしょう。そのあたりのゴタゴタが、この数週間の品切れにつながっているのでは無いでしょうか。そもそも、毎週10万ぐらいは出荷する能力はあっただろうに、現在全国すっからかんの状態で週6万台ぐらいしかうれていない、というのは、やはり生産数自体が抑えられていたことを予想させます。1月末から出荷が増える、というのは、単純に1月末出荷分からはラインを増やした(戻した)結果と見ることができます。
要するに、新型DSまでに旧型DSを売り切るつもりが、その見積もりをミスっただけ、というわけです。ここ最近、任天堂の神がかった戦略を喜んで見ていただけに、こうした現実的な、しかも自社都合の失態を見るとちょっと興ざめするところがありますね。
以上、この新型発表は、年末年始の爆売れに水を差す要因が少なからずあると言えるでしょう。久しぶりにみせた任天堂の死角という感じです。ものが売れなくても、消費者の期待・心情を裏切ることはない優良な会社と思っていただけに残念ですね。

任天堂が得られるもの

一方、ネガティブな面ばかり見ていても仕方ないので、ポジティブな要素についても分析してみます。
まず、一点は何と言っても「軽量・明るい・かっこいい」という機能改善点でしょう。これまでのDSは、明らかに重すぎ、デザインは微妙にサイバーで正直かっこよくはなく、液晶も致命的ではないもののかなり暗いものでした。また、十字キーなどの押しにくさも問題になっていましたね。要するに、かなり操作性、可搬性などで欠点を抱えていた機種だったわけです。
それが、この新型によりかなり改善されています。詳しい比較はPanyawoさんのところが分かりやすいです。
Panyawoさんのブログ:DSの上位機種「ニンテンドーDS Lite」が登場!
重さは約20%減。体積は約42%減少しています。また、液晶は明るく4段階で調整可能、十字キーやボタンもゲームボーイミクロ相当のものになるとのことで、かなり使いやすさは増しそうです。マイクの位置が蝶番のところなのも、音声認識率の向上につながるかも。このように、素直にすべての要素がブラッシュアップされているため、これからDSを買おうとする、とくにライトなユーザにはこちらのニンテンドーDSLiteの方が断然おすすめですね。高いけど。
また、こうしてブラッシュアップする方向に早めに出ることで、長期的に見ればより使いやすい機体が出回ることとなり、ユーザのプレイ感向上につながることでしょう。現状のデザインは、お世辞にも女性に似合う、と言うものではないですしね。白色だと大分ごまかされはしますが。また、軽く使いやすい機体は、年寄りなどのユーザにも最適でしょう。
レボリューションとの統一感が増すことも、次世代据え置き機を見据えた戦略では相乗効果が期待できます。DSで消費者に任天堂ゲーム機への抵抗感を和らげたところで、レボリューションもついでに買ってもらおうというところでしょうか。
値段についても、今回は16800円という値付けですが、これは旧型DSを安易に値下げすると、年末年始に買ったユーザの不満があまりに大きいということからの暫定処置じゃないかと予想します。おそらく、今年の年末商戦では新型、旧型両方とも値下げしてくるのでは、と予想します。
あと、北米市場の影響もかなり大きいでしょう。新型DSの主な理由は、間違いなく全米でのDSの苦戦(と言っても負けてはいませんが)でしょう。岩田社長も、新聞のインタビューでそのようにコメントしていましたから。これに対するてこ入れ効果も十分に期待できます。
以上のように、純粋にこれからDSを買おうと思っているユーザにとっては、メリットな点もかなりありますね。

●まとめ

ニンテンドーDSのねらい、新規ソフトの開発、新規顧客の掘り下げと、任天堂の神がかった戦略が続いてきました。この新型発表についても、アップルが好調なiPod miniを廃してiPod nanoを早期投入したように、強気の攻めに出た、好ましい姿勢ではあります。
ただ、いかんせん年末年始の予想が外れたのがあまりに痛い。良い方に予想が外れた訳ではありますが、結果として品切れの中多くの子供がDS売り切れに泣き、そこら中のショップを廻っても売っておらず泣き、ヤフオクでの転売が横行、果てはオークション詐欺にまで発展しました。相当な機会損失なだけでなく、クリーンなイメージだった任天堂のイメージへの悪影響も少なからず与えたでしょう。そして、おそらくは去年のことから売り上げが下火に出るはずの1月末でも需要が落ちず、最悪のタイミングで新型発表となりました。これにより、買えないユーザだけでなく、最近買ったユーザにとっても損した印象を与えることとなってしまいました。せめてE3ぐらいまで待てなかったのか、というのが自分の率直な印象です。年末年始に買ったユーザにも、半年ぐらいは「新しいものを買った」という気持ちを味合わせて欲しかったです。
以上のように、今回の新型発表、正の面と負の面を両方持ち合わせていると言えます。新型について、自分は既存の機種に不満を持っている分おそらく購入するとは思いますが、正直複雑な気持ちなのは確かです。年末年始に買ったユーザ、既存のユーザを十分に満足してくれるよう、さらなるサービスの充実を願ってやみません。


P.S.
N-Stylesさんのところで従来型と新型の比較の図が公開されています。相変わらず、グラフィカルな表示の能力に長けた方ですね。
[NS] "ニンテンドーDS Lite" 3月2日に発売
これを見ると、厚さは現在のDSを開いた状態での下の部分と同じぐらい、ということですね。大分薄い印象。スタイラスについてですが、おそらく横向きに入れるようになるんじゃないでしょうか。任天堂のHPにある画像でも、スタイラスは今までより一回り大きくなっている印象がありますし。意外と、ヒンジの中央部分が空洞になっていて、そこに差し込む感じなのかもしれませんね。電源、液晶の明るさの調整はミクロと同じ機構だと予想。ミクロも液晶の輝度は4段階ですから。ACアダプタもおそらくミクロと兼用でしょう。ただ、音声調整はミクロと違って別に用意して欲しいんですけどね。イヤホンで聞くときと、スピーカーで聞くときは音量がかなり違うので、ミクロ方式のボリュームだと、何度もボタンを押す必要が出てしまうので。(DS方式も、狙った音量で固定しにくいという欠点はありましたが。)
値段も現行機より若干高めのところといい、製品コンセプト自体もミクロに似ている印象はあります。あとは、薄さとLRがどの程度使いやすいか。ミクロの欠点でもあったので、このあたりがかなり心配ではあります。