ソニー、久多良木健の執念 - nikkeibp.jp - 企業・経営

日経BPに、久多良木SCE社長のコメントが載っています。なかなか、読み応えがある記事です。自分はこれまで散々久多良木を貶してきましたが、それはひとえに、経営者としての態度が納得いかなかったからです。PSP初期不良といい、誠意が感じられなかった。そのことに対する印象は変わっていません。
ただ、もともと久多良木健は技術者肌なんですよね。こういった天才肌の人間というのは、扱い方は難しいけど、ある特定の分野であれば爆発的に能力を発揮すると言うことが、企業ではよく言われています。久多良木も、ずっと現場にいるべき人間だったのではないでしょうか。
CELLもその大きすぎるスペックなどで各所で苦言がなされていますが、XBOX2でマイクロソフトが言っているように、マルチメディア+マルチコアCPUというのは時代の流れの必然ではあります。IntelPentiumですら、もう周波数を上げるのはあきらめて、マルチコアを計っていますし。「そんな高度なCPUいるのか」「つかいこなせないだろ」という意見もありますが、そうとも言えないところもあります。動画像などは結構単純な演算で重い処理が使われるところがありますので、そういったところは並列化で高速に処理できますし、ゲームであればものすごく多くのキャラクターを、別々のシンプルな思考ルーチンで動かしたり、とか、非常に複雑な物理計算してリアルな動きを表現するとか、CPUパワーの使い道は多数あります。そうした流れの中で、4年以上の歳月をかけて作り上げたCELLも、決して無用の長物とは言えないでしょう。
現場に戻った久多良木。果たして再び立ち上がることはできるのであろうか?