角川書店など運営する「KADOKAWA」のHPが改ざん、閲覧者に感染のおそれ〜社名判明・公表まで1週間以上

昨今、ネットでのクラッキングやウィルスなどでの被害が騒がれないときがないというほど脅威にさらされているのですが、今回一つひどい事件があきらかになりました。それはKADOKAWAのHPが改ざんされ、マルウェアがしこまれていたというものです。

角川HP改ざん 閲覧者感染のおそれ NHKニュース

HP改ざんされてスパイウェアなどが仕組まれる、という事件自体は結構頻繁に起きているためある意味なれてしまっているところもあったのですが、この件で引っかかったのはオタクには馴染みの深い角川出会ったということの他、その日付です。改ざんされのは1/7 AM1時、そしてそれに気づいて修正して対応したのが1/8 PM1時。約1日半、1万回以上のアクセスがあったわけですが、一切この情報を公表してなかったわけです。

この公表までの遅れは非常に疑問が残ります。この間に角川のページにアクセスした人はマルウェアに感染したおそれがあり、その感染者の人は気がつかないまま感染状態で10日近くすごしていたことになるわけです。みすみすアクセス者を危険にさらすような真似をした意図はいったいどこにあったのでしょうか。

自分はウォッチしきれてなかったのですが、実はこの件は昨日の段階でシマンテック経由で報じられていました。

ある国内大手出版社、悪質なiframe仕込まれる、閲覧者が「Gongda」の餌食に -INTERNET Watch

シマンテックは社名を明らかにしていませんでしたが、「書籍や雑誌、漫画、映画から、ゲームまで取り扱っている大手」という表現で多くの人が角川であることを連想していたようです。

結局、角川は最初この件を公表せず隠し通す意図だったのではないかと想定されます。しかし、シマンテックの情報が出て疑いの目が向けられ、NHKによって具体的に社名まで明らかにされ、仕方なく下記のPRを出したという感じでしょうか?PDFが出たタイムスタンプがいまいちわからないので前後関係が違うのかもしれませんが。

弊社ホームページ改ざんに関するお詫びとご報告(PDF)

個人的には知りたいのは2点。「なぜシマンテックは社名をふせて公表したのか」、そして「なぜKADOKAWAは公表が遅れたのか」ですね。まずなぜシマンテックが角川の名を伏せた意図。シマンテックが配慮しなければいけないほどのビジネスつながりが角川とあるということなんですかね?会社名も出さずこうした感染情報だしても、読んだ方は対処しようがないわけで意味ないわけでしょうに。そして角川が発表を送らせた理由。少なくとも、上記のPDFにはそれは記載されていません。その点を角川自らが明らかにしない限り、「隠し通してしらばっくれるつもりだった」と受け止められていても仕方ないでしょうに。

今回の件は、角川に興味のある客が危険にさらされています。しかし、会社名が伏せられた報道が出る、実際に公表されるのも1週間以上後ということで、そのウイルス以上に「角川関係のネット情報のうさんくささ」が強調された出来事のように感じます。他にどれだけの情報が「配慮」され、報じられなかったり変更されていたりするんでしょうね?まあ、この辺の「大人の事情」を了承した上で楽しむのがオタク関連のコンテンツでは必要なのかもしれませんが、正直気味が悪いですしいい気もしませんので、今回のような隠蔽などはやめてほしいですね。