任天堂4-6月期決算、円安で黒字もWiiU苦戦鮮明〜世界で16万台、今年度目標の2%

3DSで日本のゲーム業界をリードする任天堂。一方で、据え置きゲーム機ではWiiUが未完成なOS&不十分なソフトラインナップで発売を強行した結果、歴代任天堂据え置きゲーム機でも最悪レベルの苦境となっています。この状況を反映したような4-6月期決算が発表となりました。

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任天堂の最終益86億円、円安で為替差益169億円 4〜6月 :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞

数字としては経常利益は86億円の黒字。昨年同時期の172億円赤字と比べると大幅に改善しています。ただ、これはひとえに円安によるもの。為替差益だけで169億円を計上しているわけです。営業利益としては49億円の赤字。今年度の岩田社長のコミットメントは「営業利益で1000億円」だったので、これから残り3四半期で1049億円の営業利益をあげないとコミット達成できない形です。

3DSの販促費拡大も利益を圧迫しているようですが、特に深刻なのはやはりWiiUですね。

「平成26年3月期 第1四半期決算短信」(PDF)-任天堂

ハードの出荷数は、日本で9万台に対して北米は6万台。その他は1万台。トータル16万台とひどい結果。北米とかの数を見ると、これは在庫が溜まってろくに出荷出来ていない感じですね。先日、ルネサス任天堂据え置き用SoCを生産していた工場閉鎖検討中などが報道されましたが、こうした在庫方による生産調整の影響が出ているように感じます。

ビジネスニュース:旧NEC系の最先端半導体工場が瀬戸際、ルネサスが鶴岡工場の閉鎖を検討 - MONOist(モノイスト)

一応、7-9月期は世界同時発売のポケモン新作もありますし、任天堂の利益は上がるのは確かでしょう。ただ、1000億円のコミットメントを考えると、WiiUの不調解消も必須課題。WiiFitUやWiiPartyU、ドンキーコングなどで挽回と言っていますが、はたしてどこまで行けるのか。

今のところ、OSが未完成、ソフトも十分出来ていないのに昨年末に見切り発車したことによる自業自得な感じのWiiU。中々経営方針説明会などで質問してくれませんが、個人的には「なぜこの状態での販売にGoを出したか」、岩田社長にはしっかり説明して欲しいところがあります。あれだけ「3DSの反省を活かして」「質を重視しないと」とか言っていたのに。OSもソフトも半年以上間に合っていない状態で、この状態を把握出来ていなかったのなら、それはそれで問題があるとも感じます。任天堂内での進捗管理や、その状況の情報伝達がうまくいっていないとか、そういうのがあるんですかね?

いずれにせよ、年末にはPS4やXboxOneがロンチとなる今年度、任天堂ポケモンなどを擁して立ち向かう構図。果たして結果はどうなりますか。