ファミコン生誕30周年〜次の30年に向けて

1983年7月15日。この日その後の歴史を大きく変える商品、ファミリーコンピュータ任天堂より発売されました。本日2013年7月15日をもって、ちょうど30周年となります。

20周年のときは任天堂ファミコンミニシリーズを発売するなど大々的な盛り上げがありましたが、今年はそこまで大きなものは無かった印象ですね。WiiUのテコ入れ30円VCがあったぐらいでしょうか。

ファミコン生誕30周年記念 Wii U バーチャルコンソール 体験キャンペーン|Nintendo

ツイッターなどでは、30周年ということでいろいろ感想が書き込まれたりもしていたようです。

ファミコン発売から30周年 「ファミコンの日」ハッシュタグで思い出語り - ねとらぼ

自分の場合だと、ファミコン時代は毎年数本のソフトしか買ってもらえず、繰り返し遊んだり、友人と貸し借りして遊んだりしてましたね。ツインビーグラディウスピンボール、このあたりはもう数えきれないぐらいやりこんだ記憶があります。ベストプレープロ野球とかも自作チーム作ってはまっていましたね。後はファミスタファミリーテニスで繰り返し対戦してはよく喧嘩していたものです。ドラクエ、FF、FEなどもがっつりあそびました。ワゴンで1500円程度で買ったラグランジュポイントスウィートホームなんかも、値段に見合わぬ名作でしたね。悪魔城伝説など、コナミの特殊音源にワクワクしたりと、とにかく技術の日進月歩に驚かされる時代でもありました。

マスコミニュースは経済紙中心

一方、マスコミはというと多くのところは興味なし。記事を上げたのが日経と産経というのだから思わず苦笑w。

任天堂ファミコン30年 中年「マリオ」再び跳べるか  :日本経済新聞
家庭用ゲーム機、活路模索 任天堂ファミコン30周年 (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
任天堂 ファミコン発売30周年 交流ゲーム急伸、正念場+(1/2ページ) - MSN産経ニュース

産経は、本誌とSankeiBizの両方で長文を載せる気合の入れよう。「あんたら本当は任天堂大好きだろw」という感じも。「アンチ巨人は巨人ファン」的な理屈で。経済紙にさえスルーされるようになったら本格的にまずいですからね。不振でも話題にさえならないというのは、もう世間の関心がないということなので。(もっとも、経済紙の論調も、一時のモバグリの天井知らずとは状況が変わっているだけに、幾分トーンが落ちてる感じはしますけどね。あれだけソーシャル持ち上げておいて、パズドラヒットを読めてなかったのが、経済紙らしいというかなんというか。)

これからの30年はどうなるか〜さらなるムーブメントに期待

ファミコンから30周年ですが、今や実写と見紛うほどのグラフィックの中、オープンワールドで自由に歩き回れるような時代にもなりました。一方で、根本の「ゲーム性」というものでは進化が止まってきており、今までと同じルールの目先を変えただけ、グラを綺麗にしただけ、みたいなものも増えてきています。任天堂すら、今までは同じマリオでも中身がぜんぜん違うものでせめてきていたのが、最近はそれらの2や3という続編が続く始末。業界全体を覆う閉塞感というか、プレイヤー側としてもマンネリ感、飽きは否めません。「スマホで通勤・通学時の時間つぶしできればいいや」ぐらいになるのも、ある意味仕方ないとも言えます。

結局のところ、ゲームも娯楽の一つでしかありません。文化の一つとも思うのですが、残念ながら映画などほど根づいているところがない印象。このまま同じことを繰り返すようなら、待っているのはマニア化による市場縮小、ライト化による市場希薄化でしょう。「無くてはならない物」では無い以上、世間にアピールするには常に「攻める」必要があると思います。マリオ、ドラクエストIIテトリスポケモン、モンハン、WiiSports、WiiFit脳トレ、いろいろとゲーム業界は世間の関心を引くゲームを送り出してきました。そして、その中心で日本の会社も輝きを見せていたわけです。実写ベース、決まりきったFPSオープンワールドのテンプレートが繰り返される昨今、自力に劣る和ゲーメーカーは存在感を弱くしています。せいぜい、オタク固定ファンなどに特典商法する程度だったり。多数の正規社員の人件費を稼がないといけないという問題があるのでしょうが、この状態ではジリ貧。緩やかな死をこのまま迎えてしまうのか、再度盛り返すことができるのか。任天堂だけでなく、ゲーム業界全体が何かムーブメントを起こす努力を行う必要があるように感じます。果たして、次の30年後にゲーム業界は存在するのか。これからの各社の一挙手一投足が重要になってくると思います。


P.S.
マスコミ関連の記事で、ざっとGoogleニュースで見たものを紹介しましたが、他にもいくつか一般紙のものがあったので紹介しておきます。

朝日新聞デジタル:「ファミコン」発売30周年 ゲーム時代の開拓者 - テック&サイエンス
写真特集:ファミコン発売30年 世界中で遊びのスタイル変え− 毎日jp(毎日新聞)
「ファミリーコンピュータ」を覚えているだろうか… - 西日本新聞
「ファミコン30歳」任天堂、ネットに活路 : 京都新聞
ファミコンの「ここが好きだった!」ランキング - 芸能 - ZAKZAK

朝日のは有料記事なので一般の人は冒頭のところだけ。最後のZAKZAKのは厳密には30周年記事とうたってませんが、公開日が今日なのでおそらく30周年関連のものでしょう。