「Wii Street U」レビュー〜大画面・GamePad・ジャイロでの快適仮想観光、UIや機能面で改善余地あり

年明け以降不調の伝えられる任天堂WiiU。

Wii U プレミアムセット kuro【メーカー生産終了】 Wii U ベーシックセット【メーカー生産終了】

1月唯一のソフトである真北斗無双も不振、販売台数も低迷が続く中、少しでもコンテンツ不足を補うべく、以前より予告されていたGoogleストリートビュー体験ソフトが配信開始されました。社長が訊くもあわせて公開されています。

Wii Uで見るストリートビュー Wii Street U は5月末まで無料提供、『社長が背負う』も公開 - Engadget Japanese
Wii U|社長が訊く『Wii U』Wii Street U powered by Google篇|Nintendo

自分も早速eShopからダウンロードしてみました。以下、簡単にレビューしてみたいと思います。

eShopからダウンロード・インストール〜容量は94MB

eShopでのダウンロード。容量は94MBとそれほど大きくありません。ダウンロードの手続きはスムーズで、3DSのeShopよりもやはり使いやすい印象です。

ただその後ダウンロード管理からわざわざ手動インストール必要な面倒くささは相変わらず。



インストールを押した後「残り30分」とか出てぎょっとしましたが、実際には2分もかからずインストール完了しました。(インストールはネットワーク負荷など関係ないんですし、もうちょっと残り時間の精度あげてくれたら、と思うのですが。)

アプリの起動・規約同意

そしてアプリの起動。約30秒ぐらい起動画面が出たままで、最初フリーズしたかと思いました。せめて起動中プロセス動いているなら進捗アイコン出して欲しいです。春のOSアップデートで大幅に改善されることを願います。

初回起動時には規約への同意が必要。ただ、ここで規約を確認するにはわざわざブラウザアプリを別途起動しないといけないという仕様に。これぐらいアプリ内で表示しましょうよ、と。規約読ませる気全然ないなぁ、という感じです。自分は基本目を通す方なんですがね。

その後、GamePadを垂直にテレビの方に立ててセッティング。ジャイロ機能の初期化ですね。GamePadは背面カメラも無く、テレビの位置を認識することはできませんので、ここで仮想的に初期設定してやる必要がある感じです。

ストリートビュー表示

これでいよいよ操作開始。自分の場合はまず浅草が表示されていました。これは起動時にランダムでおすすめの場所から選択されるっぽいです。

表示内容は、すでにPCやスマホなどでおなじみのストリートビューそのものですね。特徴はGamePadのジャイロと連動して視点変更できること。ここが一番の売りとなっています。GamePadを持って身体の向きを変えると、それに応じてGamePadの向きが変わる、という形です。その他、左スティックで視点移動が出来たりもします。右スティックの上下で拡大縮小。この辺は非常にヌルヌル動いて感動的です。

またGamePadを縦にすると表示が縦長になったりもします。アイコンの向きが変わらないのがiPhoneとかに慣れているとあれ、という感じですが。

独特な移動方法〜A・Bボタンで前進後進、長押しで継続移動

ただ、それ以外の操作がかなり独特な感じになっています。以下、説明書の画面。


まずしょっぱな違和感を感じたのが「前進」「後進」がAボタン、Bボタンに割当たっていること。たしかにPCでのストリートビューでは矢印をクリックすることで前進したりするのでそれと対応をとった形なのかもしれませんが、せっかくGamePadで操作しているのにかなり不自然な印象。連続で前進はAボタン押し続ける、というのもいつの時代のUIだ?という感じがします。一方、十字キーは左右で90度視点変更が可能ですが、上下キーは割り当てなし。ここに前進後進を割り当てれば何の問題もないし直感的だと思うのですが、なぜしなかったのか。今後のパッチでキー割り当て機能の追加を期待したいところです。(なにしろ、現在「設定」画面を開いても規約へのリンクとバージョンしか表示されてない状態ですので。今後追加の予定はありそう。)

その他、上記で述べた視点移動についても少々難有り。左スティックでの視点移動は一時的なもので、スティックを話すとジャイロの方が優先されて、GamePadを向けている方向に戻されてしまいます。向きを変えたかったら、十字キーの左右で90〜180度単位での変更しないと固定されません。分岐がなければ前後反転のみ。一応、LかRのスティックを押し込むと、その時点で一番近い進行方向を上にセットしてくれますので視点を移動してこまめにスティックを押しこめばすこしはマシですが、それでもFPSのように自由に視点を変えながら移動というのとは程遠い感じですね。できれば視点移動を右スティックに割り当て、十字キーの上下で前進後進、左右で90度視点変更、左スティックで拡大縮小と割り振りたいところです。これならばかなりFPSっぽい動きができると思うので。それから、ジャイロ機能のオフも。勝手に視点を戻されるのは、椅子に座って操作する際にはかなり鬱陶しいので。

実際の移動についてですが、街中とかのシーンでは比較的いいのですが、上記のような自然系の名所だとAボタン長押しでも一向に景色が変わらず退屈なところも。これは元々のストリートビューでもそうなのである程度仕方のないのですが、Aボタン長押し時はスピードアップ機能があって数回分スキップして進んでいくようなモードも欲しいところです。

また、「常に進行方向を上」にする設定も欲しいところ。というのも、ゆるやかなカーブとかのシーンですと、Aボタン押しているだけだと道に視点が追従してくれず、壁とかの方ばかり見ちゃうんですよね(これはブラウザ版も一緒なんですが)。左スティックで徐々に視点を変えながら、適宜差が大きくなったところでスティック押しこみをすることである程度道に沿って操作できますが、あまり直感的な操作とは言いがたいです。進行方向常に上ならば、こうしたカーブでも実際のドライブ感覚で観光できるとおもうんですよね。この辺の機能追加にも期待です。

マップ表示〜動作はかなりカクカク

その他、TV画面にはマップ画面とストリートビューの画面を切り替えて表示できます。マップ画面についてはおなじみのGoogleマップ。航空写真との合わせこみ表示もできます。

ただ、動作に関しては相当カクカク。フレームレート10fpsぐらいじゃないか?というカクカク具合です。ズーム変更時の地図変更もあまりスムーズとは言いがたいところも。Vitaのマップもそこまでパフォーマンスがいいとは思えないところもありましたが、スマホとかよりも遥かに高性能な据え置きゲーム機なのに、スマホよりも格段に動作が遅いというのはなんとかして欲しいところです。ストリートビューの視点移動はヌルヌルなんですけどねぇ。

おすすめスポット〜72箇所がプリセットも自身で登録は不可

後は、実際に観光できる場所についてですが、現在は72箇所がプリセットされておりRボタンで一覧表示してアクセスできます。結構バリエーションに富み、さらに有名所も多いので、過去に観光に行ったところとか見ると懐かしい感じですね。

ただ、このおすすめスポット、自分でお気に入りを登録できないのが何点。マップの方で住所入れたりして任意の場所を表示できるのですが、その場所を覚えさせておくことができません。このため、例えば自宅周辺とかを表示させても、次回もう一度見たい時にまたわざわざ検索などをしなおす必要があります。「昔住んでいた家の周り」とか、おすすめ以外で見たい場所はいろいろあるものですから、お気に入り登録機能は是非ほしいところですね。

まとめ〜PCより快適さ増すも、改善・機能追加期待箇所多数

以上、ざっとWiiストリートUを紹介してみました。ジャイロによるヌルヌルな視点移動や、有名スポットにお手軽におとづれて観光気分に味わえるなどのコンセプトは現状のバージョンでもうまく出ていると思います。

ただ、上記でちょくちょく上げたように、操作性や機能面でまだまだ改善してほしいところが多数。まずはキーカスタマイズ機能、せめて十字キーの上下での前進後進ですね。それからジャイロ機能のオフ、地図のお気に入り登録機能も欲しいところです。「進行方向を常に上」も欲しいですね。ここまであれば、まさに「FPS感覚で仮想空間を満喫」となると思うので。理想を言えば前進速度アップもあるとよりいいですね。

現時点でもPCブラウザ版よりは全然快適ではあるのですが、あと一歩機能が充実すれば化ける感じもあるので、今後のバージョンアップを楽しみにしています。無料期間は5月末まで。ストリートビューを有料で使う、という感覚がどうも違和感はありますし、この無料期間のあいだに上記のような機能追加・改善はお願いしたいですね。そうでないと、6月以降に有料で買う人がどれだけいるやら、という感じもしますので。現状はまずはお試し版という印象。特にアップデートによる機能追加が確約されているわけではありませんが、今後のアップデートに期待したいと思います。