軽量美麗なAmazon製電子書籍ビューワ「Kindle Paperwhite 3G」ファーストインプレッション

いよいよ本日Amazon Kindle Paperwhiteが発売されました。

Kindle Paperwhite Wi-Fi (第5世代)

Kindle Paperwhite Wi-Fi (第5世代)

Kindle Paperwhite 3G (第5世代)

Kindle Paperwhite 3G (第5世代)

電子書籍ビューワーの本命として、多数メディアでいろいろ開封やスタートアップのレビューなどが出ていますね。

いよいよ発売:Amazonの電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」を使ってみた - ITmedia eBook USER
アマゾンの電子書籍リーダーKindle Paperwhiteを速攻レビュー

自分は米国発表の段階から興味を持っており、日本での発売開始のニュースを受けてすぐに発注。昨日発送、本日無事受け取ることができました。すでに多数出ているメディアの記事とも重複しますが、個人的な感想などを紹介してみたいと思います。

ダンボールのパッケージに直貼り伝票

まずパッケージからですが、いきなりビックリする状態。黒いダンボールのケースなのですが、その上に伝票直貼り。さらに、開封する箇所も通常のAmazon梱包と一緒でペリペリと破って剥がすタイプでした。

個人的に外部ケースなどは綺麗に取っておくので、いきなりこれを見て萎えましたねぇ。伝票のところに納品書なども入っているようですが、とりあえずはそのまま放置。開封箇所も破るのは気が引けたので、下からカッターを入れて隙間を開けた後、徐々に剥がすことにしました。ちなみに接着はよくある紙タイプの両面テープのようです。

中はアップル製品でもおなじみの「いきなり端末登場」のパターン。端末の裏にmicroUSB Bのケーブルが、フタ側に電源の入れ方と充電の仕方だけ書かれたマニュアル(黒)、規約(白)が入っています。端末はラップではなく普通にビニールの袋に入っています。

端末の外観は上記のような感じ。電子ペーパーだからか、スリープ状態でも画面が表示されているのが新鮮でおもしろいです。背面のマット加工はかなり触感がよく、全体的に安っぽさはありません。

電源オン〜セットアップ

端末下側にある電源ボタンを押すと、端末がスリープから解除。そのままセットアップが開始されます。

上記のスクリーンショットKindle Paperwhite(以下Kindle PW)のスクリーンショット撮影機能を使っています。具体的には「画面の右上隅と左下隅を同時にタップ」。こうすると画面が一瞬暗転し、これでKindlePW内に保存されています。画像はUSBでPCにつなげるとドライブとして見ることができ、そこからコピー可能です。

セットアップは非常にシンプルで、Amazonのアカウント情報は最初から登録されているので順にタップしていくだけ。WiFiについては手動でパスワード入力が必要ですが、3G版ならスキップしてもおそらくOKです。ツイッターFacebookをリンクすることもできますが、ここもスキップ可能。その後はチュートリアルに移ります。

チュートリアルも非常にシンプルかつ丁寧。ホーム画面の使い方や本の閲覧中の操作、Kndleストアへの移動の仕方などが実戦形式で紹介されます。これならPCとかが苦手な人でも大丈夫な気がしますね。3G版でアカウントも別途用意してしまっておけば、プレゼント用にもよさそうです。

持ち心地〜軽く負担小

さて、続いては端末の使い勝手について。まずは持った感じですが手のひらにすっぽりおさまり、軽いこともあって手首への負担は非常に小さいです。Nexus7も比較的軽い方ではあるのですがそれでも長時間持っていると手首に負担が来ました。Kindle Paperwhite 3Gは自分が図ったところでは219g、Nexus7は335g。すでに1.5倍の差。さらに自分は現状以下のMoKo Slim-fitのカバーを付けているため、実に498g。

Nexus7用オートスリープ対応本革ケース「MoKo Genuine Leather Sim-fit Cover」レビュー - わぱのつれづれ日記

バンドがあるのでホールド感はNexus7もあるんですが、重量感については圧倒的にKindlePWですね。さらにこの状態で、Nexus7で以前使っていた100円ショップのフリーバンドもためしてみました。

100円で「Nexus7」のホールド感を格段にアップする方法〜100円ショップのフリーバンドをグリップ代わりに - わぱのつれづれ日記

フリーバンドはKindlePWでもかなりいい感じでおさまります。ホールド時に鷲掴みする必要がなくなる分、手への負担も軽くなります。

上記はAmazonの純正カバー。オートスリープ解除にも対応、磁石で蓋もピタっとしまり、本体もカバーにジャストフィットするなどなかなか評判はいいようですが、3480円という価格がちょっとネックですね。とりあえず自分はまず100円のこのバンドと同じくNexus7用に100円で買ったあったソフトケースでいいかな、という感じです。

3G版の使い勝手〜クラウドからのダウンロードは快適

続いて3G版の使い勝手について。3G機能についてですが、ほとんどの操作は3G機能だけで十分ですね。WiFi無しでもKindleストアへのアクセスなどもそれほどストレスを感じません。また、すでに以下の2冊の本をKindleで安売りしていたときに購入していたので、クラウド上からダウンロードしてみました。

上記について、まずマンガのテルマエ・ロマエの方はタップしてダウンロード完了まで約90秒。他の本を読んでいる裏でダウンロードするなら我慢できる範囲ですね。事前情報でマンガは3Gはダメという情報があったのですが、クラウドは別なんでしょうか?それとも本によって落とせるものと落とせないのがあるのか。できれば時間がかかってもいいのですべて3Gでダウンロード可能であって欲しいところです。それから小説のマネーゲームの方ですが、こちらはタップ後ものの数秒でダウンロード完了。進捗表示すら出てこず一瞬って感じでしたね。挿絵も少ないテキストベースだからサイズが小さいってことでしょう。

その他、AndroidiPhoneで読んでいたページとのリンクも自動的に行ってくれます。ですので自分の場合ならiPhone4S・Nexus7・KindlePWと、どこまで読んだか気にすること無く好きなときに好きな端末で読むことができるわけです。これは3G版のいいところでしょうね。

その他、Webの表示については、3Gでは基本的にはKindleストアとWikipediaのみ。そもそも上下スクロールとかもE-inkの表示ではあまり快適ではないですし、たまに作者のプロフィールや作品の概要とかでWikipedia参照するぐらいですかね?一応、裏技的に3Gでも一般のWebページにアクセスする方法はあるのですが、Amazon利用規約的には下手すると追加料金食らう怖れもあり。あくまでウェブはおまけという感じですかね。

画面の表示について〜綺麗だが文字のかすれ、ライトむら、暗転が気になる

さて、最後に肝心の画面表示について。E-Inkの表示はかなり綺麗ですね。写真とかも白黒ですがかなり鮮明に見えます。ただ、一方で明朝体についてはちょっとフォントが微妙。細すぎるというか。文字の大きさは適当でも、細い部分が遠目で見るとかすれているというか、ガタガタして見えるところがあります。ゴシック体も選べますが、こちらは逆に本を読むには慣れてないので違和感があるところ。

次にフロントライト機能について。これはたしかにはっきりと明るくなっていますね。ためしに設定をいじってオフにすると驚くほど暗く見えます。明るい部屋では一番明るい状態でもまぶしいということはなくきれいな白に見え、まさにPaperwhiteという感じ。

ただ、一方で海外でも指摘されていた下側のライトむらはかなり気になります。個体差で外れを引いてしまった可能性も無くはないですが。周りが暗い状態だと、上記写真でも見て取れますが自分の機種の場合右上あたりが青白くなっていて色ムラも感じますし。ちなみに、このフロントライトを完全にオフにすることは出来ない模様。輝度最低にしても真っ暗な部屋で画面が読めるので。

その他、E-Ink端末の独特な挙動が画面のリフレッシュ。マンガとかだと1ページごとに画面がぐじゃっと暗く反転します。一応リフレッシュのパターンが2種類あり、完全リフレッシュと部分的なリフレッシュで多少違うところはありますが、暗転と感じるところは差が無いです。小説の場合は、リフレッシュの頻度を落とすために微妙に行の位置がページごとに変わる模様。残像が多くなってくると暗転してリフレッシュされます。いずれにせよ、この暗転はかなり癖があるので、店頭や動画などでどんな感じかは確認した方がいいと思いますね。慣れるといえば慣れるんでしょうが。

まとめ〜気になる点はあるも軽量美麗ビューワ・書籍充実が鍵

以上、ざっと感想を述べてきました。まだまともにこれを使って読み込んだわけではないので、実際の真価はこれから確認する形ですかね。とりあえず3G機能はKindle関連の機能に関しては十分で、WiFi無しでもOKなくらい。ただ、今後Kindleストアでどんどん本を買うようになると、ダウンロード用にWiFiがあるといいでしょうね。ただ、全般的に3Gにしても電子インクにしても、容量が大きくリフレッシュも頻繁になるマンガよりは小説向けの端末だな、とは思います。マンガはタブレットメイン、小説はKindlePWメイン、みたいな使い方が理想ですかね。Amazon的にはそこでKindle Fire HDってところなんでしょうけど、自分はNexus7ですかね。

とりあえずはしばらくPWを使ってみようと思いますが、根本的なところとして「どれだけKindleで本を買うか」というのがあります。今のところ新刊が少ないのがネックですかね。ちょくちょく半額セールみたいなのをやっているみたいですが、いまいち分かりづらい。Amazonという安心感とAndroid,iPhone,Kindleとマルチ端末、この辺はあるので後は実態がともなってくるかどうか。まだまだ日本は出版社側が主導権を握っており、なんだかんだでリアル書店も含めて横並びな状態。DRMも分散してしまい電子書籍についてデジタルの恩恵を日本はなかなか受けられないでいます。個人的には書籍は集約したく、Amazonに期待しているところはあるのですが。

明日はビックカメラなど一部店舗で店頭売りもされます。ヨドバシやヤマダは見送りと、販売面でもなにかドロドロした争いが。個人的にはAmazonももっといろいろ積極的にゆさぶりをかけて、iTMSAppleが日本の音楽ビジネスをデジタル化したように、電子書籍でももっと「利用者のためになる」競争が活発になってほしいなと思います。