ニンテンドー3DSLL発表〜日経リーク通り今夏発売、ACアダプタ無しで18900円

今日はニンテンドーダイレクトの開催日。自分は別途ソフトバンク株主総会の一般枠に抽選で当たっていたのでそちらに参加、長引いて結局会場でiPhoneで視聴していました。

Nintendo Direct 2012.6.22|Nintendo

今回の発表は、基本的には今までのダイレクトと同様、既存発表タイトルの詳細紹介が多かったのですが、でかい発表が2個ありました。それは「スマブラ次回作をバンナムが開発」「ニンテンドー3DSLL発売」です。ここでは、特に3DSLLの発表について、自分の感想を述べていきたいと思います。

日経リークを「全くの憶測記事」扱いした後発表したニンテンドー3DSLL

さて、その3DSLL。以下が公式ページです。

ニンテンドー3DS LL

これを語る上で欠かせないのはやはり日経のリーク記事でしょう。

任天堂、新型Wii多機能に カーナビ・電子書籍  :日本経済新聞

この中で、WiiUの特徴に併せて3DSLLが今後発表されるとリーク。これに対して、任天堂は「数多くの間違いを含んだ、全くの憶測記事」とのPRを出しました。

ニュースリリース : 2012年6月5日

通常、リークがある程度あっている場合は「当社が発表したものではない」程度で留めるものです。ここまで強い口調で言い放ったため、多くの任天堂ファンは「3DSLLはありえない」と判断し、日経を捏造だと非難しました。

実際には、今回のようにある程度リークに沿った形の商品が発表されました。細かいところで異なる点があり、特に画面サイズは「1.5倍」に対して実際は「1.9倍」と、たしかに「多くの間違いを含む」ことは確かであり、憶測まじりの記事ではあります。ただ、それ以外の精度を見ても、何らかの情報ソースをつかんだ上でのリークであったことは、3DSLLの存在やその発売が夏ごろというところからも確かです。

結果的に、任天堂の否定発言を聞いて、ファンは3DSLLは出ないものと思い、今回実際出たことで「任天堂が嘘を付いた」「だまされた」と思っている方も多くいます。これは仕方のないところもあるでしょう。任天堂のPRでの否定の仕方がまずかったということですね。

もちろん、一番の害悪は企業の秘密をスパイまがいの行為で暴き立て、企業の営業を妨害するような形で勝手にリークして記事にして報じてしまう日経新聞であることは確かでしょう。知る権利、というのを振りかざすのかもしれませんが、企業活動に影響を与えてまで報じることのどこに正義があるのか。そういう意味で、今回のリークが当たっていたからと言って日経を見直す理由も無く、むしろ当たっていることでより悪質さを示しているとも言えます。

ただ、結果的に任天堂のPRなどを通じて、多くの任天堂ファンが結果的に「嘘」を発言することになってしまったこと、これは任天堂も気にかけるべき事柄だと思います。たとえば下のようなコメントなどです。

はてなブックマーク - 任天堂、2つのゲーム機で再攻勢 スマホに対抗  :日本経済新聞
3DSLL発表前、発表後の日経に関するツイート - NAVER まとめ

これらの発言は、任天堂のPRを信じており、なおかつ任天堂に好意があるからのもの。でも、結果的な事実は異なりました。任天堂には「単に『当社の発表したものではない』だけだと、認めているも同然」という意識があったのかもしれません。一つ一つ間違いを指摘しても、より正解を教えてしまうようなもの。そういう意味では、最初から任天堂にとって何一つメリットの無いリーク記事であり、何をやっても厳しい状態だったのは分かります。ただ、結果的に一部ファンの感情を損なった部分があるということはよく認識し、今後の対応に注意を払っていただきたいものです。(それよりもまず、日経へのリーク元の特定、排除、日経への法的対処とか、その辺を強力にやってほしいところですが。)

大型化、ACアダプタやスタンドを無くしてコスト削減、18900円で

さて3DSLLですが、位置づけ的にはDSiLLと同様ですね。解像度や操作系は変わらないまま、単に大きくしただけ、というものです。たしかに、DSiLLはかなりの需要があり、そっちに慣れた人からすると3DSが小さく見えたところもあり、当初からLLが期待されていたところもあります。

ただ、3DSLLが出るのであれば、拡張スライドパッドの機能も入れてくるのではないかと思われていただけに、本当にただ大きくなったのは拍子抜けしたところもありますね。WiiUと操作系を合わせるなどの意味では、ここで入れなくていつ入れる、というタイミングだと思ったのですが、3DSとの互換性を重視したということでしょうか。これでは、3DSゲームでの右スライドパッド活用は期待できませんね。標準でない機能は、おまけの域を出ないのは常なので。さらに、3DSLLにも拡張パッド出すつもりでしょうか?それはそれで不恰好というかスマートで無い印象がします。

あと、デザインが3DSがクールな感じだったのに対して、こっちは丸みを帯びた感じですね。WiiUと近いというか。個人的にはちょっと丸みが強すぎて好きではないデザインです。ホームボタンなどが押しやすい形になっているのはよさげです。上画面は無駄が小さく画面が大きくなり、一方でバッテリーも大きくなった分若干時間は持つように。ただ、その分重く、言うほど時間も伸びてませんが。

また、特徴的なのは値段。18900円と、これだけ画面が大きくなったわりにかなりお買い得感のある価格のように思います。3DSの15000と比べたら、+4000円で3DSLLという判断も十分ありうるでしょう。この価格のために、ACアダプタと充電スタンドが付かないという選択。スタンドはまあいいとして、ACアダプタを省くのはかなり画期的ですね。北米では同梱したままみたいですが。よく分からない人が買ってきて、いざ使おうと思って充電できない!という自体は絶対発生するでしょう。それに同対応するのか。Vitaがメモカが実質必須であり、同梱していないことをかなり問題だと思っていたので、ある意味それと似たようなアプローチをとられちゃったかな、という印象もあります。

とはいえ、任天堂が「必須」なものを省いて発売する、というのは別に据置では別に珍しい話ではなかったりします。たとえばスーパーファミコンなんかは、ACアダプタやRFスイッチなどがファミコンと互換があるため、別売りでした。3DSLLのアダプタもDSiDSiLL3DSと互換があり、相当な数が市場に出ているので、付属しなくても問題は少ないという判断もあったのでしょう。互換性全くないVitaのメモカとは、その辺はレベルがかなり違うところですね。とはいえ、わかんないでハマる人は絶対いると思うので、その苦情対策、またそれに付随してうまれる不信感にどう対処していくか、任天堂の腕の見せ所というところでしょうか。店員教育もかなり重要ですね。かならず客に「ACアダプタの所有有無」を確認する必要がありますので。

3DS持ちとしては難しい判断〜両立?買い替え?見送り?

さて、それでは実際自分のようなアンバサ3DSユーザーがどうするか。自分はDSのときはDS、DSLDSiと買ったもののDSiをほとんど使わなかった経験からDSiLLは購入しませんでした。そういう意味では、この3DSiLLの購入も難しいところです。

ただ、3DSは結構じっくりやるタイプのゲームも多く、どうせだったら大画面でやりたいという気持ちもあります。単純にハードマニアとして欲しいというところも。しかしそうなると今度は難しいのは既存の3DSとのデータ共有とかをどうするか。データの引越しはできますが、3DSLLは大きいので家は3DSLL、外は3DSなんてこともしたいところ。しかしそれをしてしまうと、ゲームがカードに保存されるものはまだいいのですが、SDカードに保存されるものだと、本体の切替時にゲームカードとSDカード両方を入れ替える必要が出てきて非常に面倒です。そもそもSDカード入れ替えではデータ互換が無く、下手するとツールでコンバートしないといけない可能性も。そうなると、ある程度データのばらつきは覚悟しなければならなくなるでしょう。すれちがい通信があるものは3DS、ひとりでがっつりなものは3DSLLとか。でも、どのゲームもすれちがい通信をウリとしていれてきているところもあり、なかなか難しそうです。

まとめ〜3DSの多様なニーズに応え顧客拡大にはつながるも…

以上、ざっと自分の感想を触れてみました。冒頭の日経関連はまあ置いておいて、3DSLLそのものとしては、値段も安く、画面大型でライト層にもよりプレイしやすく、顧客拡大にはつながるハードだと思います。逆ざやに関しても、おそらく素材とかを工夫してコストを抑え、赤字解消の一端になっているのではないでしょうか?

一方、3DSを持っている人にはなかなか難しい判断になりそうです。特に運用が。ばっさり3DSLLに切り替えて持ち運びもこっち、というのが一番シンプルではあるんでしょう。しかし、ケースとかグリップとかいろいろ買いなおしも発生しそうで、そこまでのメリットがあるかどうか。

ニンテンドー3DS LL ホワイト【メーカー生産終了】

ニンテンドー3DS LL ホワイト【メーカー生産終了】

New スーパーマリオブラザーズ 2 - 3DS

New スーパーマリオブラザーズ 2 - 3DS

発売は7/28。キラーソフトであるNewマリオ2とも同日発売ですね。ゲームのDL販売も開始、マリオでも有料DLCが開始するなど、3DSおよび任天堂として大きな転機になる日になりそうです。3DSLLは店頭で触れるようにもなるようなので、購入についてはまずはそれを見て判断という感じですかね。できれば、任天堂にはファームアップデートなどでセーブデータの複数端末での共有とか、そういった「複数台持ち」へのスマートなソリューションを提供していただきたいものです。