3DS「コード・オブ・プリンセス」発売直前インタビュー公開〜実力派スタッフ陣の開発秘話も

4/19という激戦区に発売される、一部ファンには注目の高いタイトル、コードオブプリンセス

CODE OF PRINCESS - 3DS

CODE OF PRINCESS - 3DS

セガサターンの名作アクション、ガーディアンヒーローズの主要スタッフが参加していると言うことで、特に古参ファンの注目を集めており、元セガハードユーザーの自分も体験会に行って実際に触れたりスタッフに質問したりしていました。

ガーディアンヒーローズの正統後継的ソフト〜3DS「コード・オブ・プリンセス」体験会レポート - わぱのつれづれ日記

ただ、いかんせん発売元がアガツマ・エンタテインメントとあまりメジャーでない会社で、なおかつメディアへの露出もあまりがつがつした感じが無く、公式ツイッターなどがあるわりにはアピールが弱い印象。同日発売にファイアーエムブレム覚醒という、これまた懐古ファンにはビッグタイトルがある分、その話題に埋もれがちのところがあります。

ファイアーエムブレム 覚醒 - 3DS

ファイアーエムブレム 覚醒 - 3DS

そんな中、本日待望のスタッフインタビューが電撃オンラインで公開されましたので紹介してみたいと思います。

独特の開発経緯〜フィギュア企画が発端、海腹川背近藤敏信氏が中心に

公開された記事がこれ。

『コード・オブ・プリンセス』発売直前インタビュー! 西村キヌさんによる原題は“ドキッ! 女だらけのRPG!! ポロリもあるよ♪”だった!? - 電撃オンライン

まず、この記事タイトルからしてかなりの色物ですね。最初は元カプコン西村キヌ氏のフィギュア企画が先行してあり、その際にキヌ氏が独自の世界観でかなり凝った設定資料などを作っていたことが起点としてあるようです。そして、それに目をつけたのが本作のディレクター近藤敏信氏。「海腹川背」のキャラデザで有名な人ですね。

海腹川背・旬 セカンドエディション完全版

海腹川背・旬 セカンドエディション完全版

近藤氏がゲーム化を立案、ストーリーもキヌ氏と打ち合わせして書き上げたようです。キヌ氏の原題案が「ドキッ! 女だらけのRPG!! ポロリもあるよ♪」というのが、何ともインパクトありすぎです。

パブリッシャーは知人のコネで。アガツマの方でコアゲーでの展開を模索していたところ、プロデューサーである中島氏の趣味にあったという感じみたいです。ガーヒーのデザインをされていたはん氏は、近藤さんの会社スタジオ最前線の社員、ということみたいですね。右京雅生氏も近藤氏とのつながりという感じでしょうか?
スタジオ最前線
有限会社リリースユニバーサルネットワーク|ゲーム開発・システム開発で未来を繋ぐRelease Universal Network

と言うわけで、かなり独特な経緯を経て、なんとも濃いメンバーが集結したなぁ、という印象です。

ガーヒー当時やりきれなかったことを追求〜3DS独自要素は取捨選択

ゲーム部分については、右京氏やはん氏がいろいろコメントされています。実際に過去に関わったガーヒーをもろに上げてますね。このスタッフだから必然的にこういうゲームデザインになったと。SS時代にやりきれなかったことを、今回3DSで突き詰めたということで期待感が持てます。
一報、キャラがプリレンダの2D表示というのは以前自分が体験会で聞いた通りですが、3DSの仕様からしてあまりこうした2Dキャラがごりごり動くのは向いてないところもあるようですね。その部分で苦労したと書かれています。思えばPS1とかもスプライトは弱かった気がするので、今は2D中心のデザインというのはプログラム的には大変なのかもしれません。PCとかでも、2Dはペラのポリゴン板にテクスチャ貼り付けるだけ、みたいなことしますからね。

また、3DSならではと言うことについては、取捨選択を行ったようです。立体視については、ライン制の横スクロールということでそのまま採用。一報で、タッチについては「ボタンから指を離してタッチする流れに違和感」ということで不採用になったようです。3DSでの対戦格闘とかだと、必殺技をタッチを使ってワンタッチで入力できるようになっているケースがよくあるのですが、コープリではそういうことは無く、コマンド入力の表示やステータスを切り換えて表示する、あくまで情報画面として下画面は使われています。この辺の感覚はいかにもコアな感覚な気がしますね。(まあ、違和感があったのは独自に検討していた「ミニマップでのタッチして…」という要素のようですが。)

あと、オンライン協力プレイについては、アガツマの中島さんが後から要望した要素のようです。これも3DSならではということですよね。近藤氏が「やっぱりやるのかー」と発言しているように、ある程度想定はしていたと言うことなんでしょうけど。主人公である体験を持った姫を、「主人公キャラだから使いやすいバランスにして」と要望したり、この辺はプロデューサーとしての客観的目線がしっかりしている感じがします。

バランス調整なども念入りに

ガーヒーというと、とにかく出てくるキャラはモブも含めて全部使えて、大人数のごちゃ混ぜ対戦ができる、カオスな仕様が特徴でした。今回もそういったキャラのバリエーションがたくさんあるのですが、はん氏の発言を見ているとかなりバランス調整には時間をかけて取り組まれたようです。ガーヒーやった側からすると、「バランスとれてなくても上等」ぐらいの感覚はあるのですが、それはそれで作り手の意識としては最善を尽くすということなんでしょうか。いきなり「ラスボスの調整に苦労した」ってインタビューで話ちゃうあたりが、なんとも「濃いなぁ」という感じですけれど。

西村キヌ氏の「独特な世界観」はどの程度?

インタビューを読んでいて気になったのは「西村キヌ氏の独特な世界観」というところ。開発スタッフにも当初ピンとこない人がいたと言ってますし、ファミ通レビューでも「癖がある」と触れられていました。近藤氏ですら本人はすぐはまったといいながらやはり独特と評してますし、自分も体験会では特にこの部分に触れられなかったので、気になるところではありますね。

声優が付くことでしっくり来たとありますし、かなり豪華な声優陣でもあることから、アニメファンなら受け入れやすいところがあるんでしょうかね。この辺、ガーヒーファンがどの程度すんなり入れるのか。

古参・新規の満足出来る出来、さらに次に繋がる売上に期待

以上、インタビューの内容をざっと触れてきましたが、ストIIのキヌ氏、海腹川背の近藤氏、ガーヒーの右京氏とはん氏と、往年のゲームファンには読んでいるだけでわくわくする内容でした。とはいえ、逆にそれがマニアックすぎて一般受けしないのでは、という不安も。記事タイトルも色物、主人公も色物っぽい感じですからね。アニメオタクを引きつける要素はあるのですが、そちらから見ても色物扱いされてないか。

インタビューの最後で右京氏が「今後も近藤さんたちと、遊び応えがあるゲームを作っていきたい」と語られていますが、こうした「古き良きコアゲー」な作り方が今後も続いていって欲しいなと思います。もっとも、そのためにはまずは本当にこの作品が「良ゲー」であることが重要です。時代はいろいろ移り変わっていますし、「昔は良いゲームデザインだったけど今やるといまいち」となっていては駄目ですしね。美化された思い出を越えるのは並大抵のことではないとは思うのですが、古参と新規両方に受ける出来になっていることに期待したいです。

また、ゲームの出来が実際良くても、売上が伴わなければ商売は継続しません。良ゲーである前提で、もっとたくさんの量を売るべく、アガツマの広報にはがんばっていただきたいものです。このスタッフインタビューもできればもうちょっと早めに出した方が古参の関心を引けたんじゃないでしょうか?一応、今回のインタビューに併せて、タイアップでニコニコ動画の実況なんてのもやっているようですが。

3DS専用ソフト CODE OF PRINCESS(コード・オブ・プリンセス)実況プレイ解説 - ニコニコ動画

後出来れば体験会で聞いたオンライン要素ありの体験版も発売後に出して、パルテナやFEが一段落した人らが次に楽しむソフト、みたいな感じで拾ってもらえる努力も必要ではないかと思います。

ともかく、4/19の発売を楽しみに待ちたいと思います。