任天堂第3四半期決算発表〜通期見込みを再び下方修正、450億円営業赤字へ

年末年始圧倒的な売上を見せたニンテンドー3DSWiiもソフトの新作は少ないものの、既存ソフトがいまだ継続して売れています。
ニンテンドー3DS アクアブルー【メーカー生産終了】 モンスターハンター3G - 3DS マリオカート7 - 3DS スーパーマリオ3Dランド - 3DS

こうした状況に、任天堂の好調を皆が感じていたわけですが、一方で本日発表された第3四半期の決算と通期見込みは厳しいものでした。

任天堂、450億円の営業赤字に転落へ 3DS販売台数を下方修正 - ITmedia ニュース
任天堂は上場来初の通期営業赤字へ、3DS販売計画も下方修正 | テクノロジーニュース | Reuters
任天堂、営業赤字に転落へ 12年3月期  :日本経済新聞

前回予想の10億円黒字から450億円赤字への再度の下方修正。3DSについても前回据え置いた年度内1600万台販売を1400万台に下方修正。日経記事によれば、岩田社長が「年末商戦の販売盛り上がりが見込みに届かなかった」とコメントしていたようです。

日本では好調に見られましたが、海外ではモンハンもなく大手サードタイトルも不足している状態。ソフトの売れ行きが当初見込みから大きく乖離しています。また、円高の影響なども大きく響いているようです。3DS本体も現状逆ざやで、それも売上低下に繋がっている模様です。

市場はネガティブな印象

詳細な説明や任天堂の分析は明日開催の説明会で披露されるのでしょうが、現状ではかなり市場ではネガティブに受け取られているようです。特に以下の日経記事はかなりきつい口調で書かれています。

任天堂、3度目の下方修正 市場に失望感も :NQNスペシャル :マーケット :日本経済新聞(要日経ID。無料会員でも月20記事まで閲覧可能)

個人的にも、度重なる下方修正は正直印象悪いですね。赤字転落は本体値下げと円高である程度予測していましたが、何度も下方修正していて、さらにそれを下回るというのは、見込みが甘かったと言わざるを得ません。投資家もある程度任天堂の予想を信頼してお金を出しているわけで、あまりこういったことを繰り返すのは、信頼感の低下につながると思います。

また、年末年始の売上が見込みを下回った、というのも今後に向けてもネガティブですね。あれだけ手を打ってソフトを出しても予想より下というのは、これからの成長シナリオを想定することが難しくなります。そもそも現時点でもGBAの延長のような、「驚きのない成功」レベルの3DS。このままではDSの時のような爆発的ヒットは期待できません。GBAみたいでも十分だという言う人もいるかもしれませんが、個人的には面白みに欠けます。

WiiUは年末商戦に〜不安要素も

WiiUに関しては、別途今年の年末商戦の発売と記事が出ています。

任天堂の新型 Wii U、日米含む主要市場で2012年内発売 -- Engadget Japanese

WiiUの方がさらに不安要因ですね。HD機としては後発で、ここでは360とPS3が大きなシェアを持っています。任天堂の強みはソフトですが、HD機になったからといってその魅力が急に増すかというと疑問符が残るところも。さらに、液晶付きのコントローラ、無線低遅延映像転送はかなりのコストアップ要因。これを含めて低価格で出そうとすれば、本体性能か利益率をどっちか諦めざるを得ません。どっちにしろ、経営的には不安要素です。ですので、来年度も厳しい結果が予想されますね。

3DS自体は販売台数も増え、ソフトも出てきたのでプラットホーム的には一定の広がりを見せてきそうとは思います。ただ、もうちょっと新しい何かを見せて欲しいですね。マリオ・ゼルダポケモンばかりでは、目新しさが薄いので。ゲーム業界の中では高い品質のソフトを継続して提供している任天堂だけに、底力を見せて欲しいものです。まずは明日の経営方針説明会でどういった話が出るかに期待したいと思います。