ソニープレスカンファレンス開催〜Vita 12/17発売、3Gプランやロンチタイトルも発表

昨日の任天堂の発表会に続き、今日はソニーのプレスカンファレンス。結構急に決められた感じのあったカンファレンスでしたね。

SCEJプレスカンファレンス | プレイステーション® オフィシャルサイト
「SCEJ Press Conference」生中継 - ニコニコ生放送

SCE公式の方は、開始前からアクセス過多のためか繋がらない状態。自分はニコ生の方で視聴していました。

カンファレンスは、SCEJプレジデント河野氏のプレゼンで展開。若干あがっていたのか、かみ気味のプレゼンでしたね。平井氏などは登場しませんでした。冒頭で新SCE CEOとしてアンドリュー氏が出てきましたが、日本語ペラペラでこちらもビックリ。

発表内容としては、1時間半以上に渡るものでしたが結構淡々とすすんだ感じです。ゲーム映像もほとんど流されず、どちらかというとVitaの本体機能とかの説明、そしてタイトルラインナップをざっくり見せた、という感じでしたね。クリエーターボイスとかゲームタイトルも、スライドで読めないほどのスピードで切り替えていき、一体何を見せようと思っているのかちょっと疑問に思うプレゼンでした。

タイトルとしても、HDリマスター系や中小系のタイトルが多く、これ、という目玉キラータイトルが無かった印象があります。3DSの時もロンチはそんな感じでしたし、それと比べれば充実していますが、1年先行している分、今年の年末はソフトが揃っていますからね。現実的にはそれと対抗せざるを得ないわけで。

以下、発表の内容をざっくりと振り返ってみたいと思います。あと、発表後にHPで掲載された情報も。

Vita発売日は12/17〜ロンチは26タイトル、本体仕様も公開

まずは発売日。年内発売が予定されていましたが、発売日は12/17の土曜日となりました。クリスマス1週間前ということで、クリスマス商戦という意味ではぎりぎりのタイミング。ただ、ちょうど3DSでモンハン3Gが12/10に発売され、その1週間後というのは結構厳しい時期でもありますね。予約は10/15から開始されるそうです。値段は以前の発表と変わらず、WiFi版は24980円、3G版は29980円。3DSの大幅値下げで、対抗した値下げをしてくるかとも思いましたが、値下げが無いことが講演で河野氏より強調されました。

具体的な本体仕様や同梱物などは講演では発表されず、終了直後に公式HPで掲載されたプレスリリースに書かれています。
プレスリリース(Vita本体、ラインナップ)(※PDF)

ロンチタイトルなどもずらっと書いてありますね。ロンチで26タイトル。ただアプリや小粒ソフトも含んだものとなっています。その他76 タイトル程が開発中のようです。

本体仕様としては興味深いものとしてはバッテリ時間。スクリーン明るさ標準、Bluetooth無し、ネットワーク無しの条件で、ゲーム約3〜5時間、動画5時間、音楽9時間。ちょっと短い印象ですかね。毎日充電必須という感じでしょうか。バッテリも今回は交換制で無いようですし。

メモリカードは4GB 2200円〜本体同梱無し

続いて、こちらも講演でははっきり紹介されなかった、メモリーカードについて。VitaではSDカードやメモリースティックのような汎用のメディアではなく、専用のメモリーカードということで値段が懸念されていたのですが、その値段も発表されています。

プレスリリース(Vita周辺機器)(※PDF)

メモリーカードについては、4GB 2200円、8GB 3200円、16GB 5500円、32GB 9500円。microSD 32GBが4000円以下で買えたりしますから、それと比べると倍以上しますねぇ。

たしか、大きさ的にもかなり小さく、PSPの時にあった変換アダプタを使ってmicroSDを利用、というアプローチも難しかったように思います。上記の本体に関するリリースを見ると、本体にメモリーカードが同梱されている様子もありません。セーブデータに関しては、PSPUMDとは違って今回はゲームメディアがカード形式であり、3DSのように内部にセーブデータを保存できるものもあります。ゲームによってはメモカに行うものもあるみたいですが、無いと全くだめ、という話ではないようです。ただ、Vitaの売りである音楽や動画を見ようと思ったら必要ですし、PSPのDL版をプレイするとしても、セーブデータをPSPから移行するには専用メモカがいります。そうなると、やっぱり1枚は欲しい気がしますね。マイナーメディアであまり中華の廉価品が期待できないおそれがあり、ちょっと頭がいたいところかもしれません。

できれば、PSPの時のように本体とメモリカードがセットになったバリューパックを安価に用意しておいて欲しいところです。

3Gはドコモがプリペイドプラン提供〜128kbps、時間制

続いては、3Gモデルについて。VitaはWiFi版ではGPS機能がついていない、いわば廉価版相当な機種。フルスペック品としては3G版になるので、その通信費とかでどの程度縛りが生じるのか、気になるところでした。

その具体的発表は以下のとおり。
プレスリリース(3G)
報道発表資料 : データ通信専用プリペイドプランを提供開始 | お知らせ | NTTドコモ

ドコモのページの方が詳しいですね。今回、Vita用に専用プランを開設。時間制のプリペイドプランで、20h 980円と100h 4980円の2プラン。速度は基本は128kbpsとかなり遅い、日本通信のイオンプランA 100kbpsかのようなプランになっています。100hプランの方は、一応別途14Mbpsが3h分ついてはいますが。自分はこのイオンプランAを持っていますが、メール、Twitter、テキストベースのサイト・掲示板ぐらいは十分、通常HPだと相当待たされる、動画とかは無理、という印象です。

しかし、何より縛りがきつそうなのは事務手数料と有効期限です。まず、SIM発行手数料で2100円かかります。これは日本通信イオンプランAでもそうだったのですが、こっちは月額制。プリペイドの方は事務手数料がかかりません。iPad2プリペイドプランが契約手数料で3150円とられるので、それを踏襲している感じでしょうか?あと、20hの方は30日間、100hの方は180日間が有効期限となります。これが切れると、2週間だけ更新猶予期間があり、この間であればWeb上で手数料無く更新手続き可能。問題なのは、この猶予期間を過ぎてしまった場合。この場合は自動解約となり、SIMは無効化。再度プリペイドするには、事務手数料の支配だけでなく、SIMまで郵送で再発行となってしまいます。ドコモ店頭でも対応できないという徹底ぶり。この状態で、期間切れになった人が再契約することはありうるのか、少々疑問です。

また、それ以外だと、有害サイトフィルタがデフォルトでONになっており、それの解除のためには年齢確認書類を持ってドコモショップに行かないといけないとのこと。既に大人の人にとっては面倒くさい以外の何者でもありませんね。後は、時間制というのもどの程度感覚で消費されていくのか、ピンと来ないところも。Twitterの更新やメールチェックなど、本当にネット通信が発生したものだけで計算されるのか、セッション張り始めたらずっと消費されてしまうのか。

キャリアがドコモ、ということで日本通信のSIMが使える気はします(日本通信FOMAなので)。もし使えるなら、月額980円で100kbpsながら低額のプランで運用したほうがよっぽどお得な気もします。なお、3G版のVitaには初期50万台限定で100hのSIMが同梱されるとのこと。そういう意味では、3G版もお得と言えるかもしれません。半年後が課題になりますけど。あと、一応通常のドコモの定額データプランも入れるとのこと。ただ、すでにスマホガラケー持っている人も多いでしょうし、そういう人がもう一回線定額データ通信に入るかというと、出費的にどうだろう、という感じはします。

タッチジェスチャ主体のUI

それ以外では、VitaのUIやサービスの話、何人かのクリエーター登壇しての話とかでしょうか。UIについては、起動したしょっぱなから、画面上のものを「めくる」ジェスチャでめくり上げる操作が必要に。最初に重要なジェスチャを行わせることでチュートリアルも兼ねているのでしょうけど、これは一歩間違うとよく分からない人がはまりそうな印象も。ボタンでも進むようになっていればいいですけど。マルチタスクで複数アプリを立ち上げた際、そのアプリを終了するときもめくるジェスチャが割り当て。特徴を出したかったんでしょうが、めくるジェスチャである必然性があまり感じられませんでした。

あと、アプリのアイコンをタッチしてもすぐに起動せず、真ん中のボタンを再度押さないといけない仕様も、ちょっと面倒くさそうでしたね。また、初回の起動のところでハングアップしたり、タッチでのスライド操作で度々うまくいかなかったりということがデモで出ていたのも不安要素。発売まであと3ヶ月切っているので、いまさらチューニング、という時期でも無いと思うのですけどね。

3DSでも、無駄にタッチ依存なUIがあっていらいらするところもありました。Vitaについては、ちゃんとボタンやカーソルでも操作できる操作を残しておいてもらいたいものです。親指で真ん中ぐらいのボタンを押すのが、微妙に画面大きすぎてやりにくそうだったので。

移植中心のゲームタイトル〜ニコニコ動画対応も

ゲームタイトルについては、何人かクリエーターが壇上に上がりましたが、タイトルとしてはHD化して移植したものが多かったですね。PS3とのマルチも多く、Vitaならでは、というインパクトは弱かったような。なによりも、ゲームの映像が殆ど無かった、というのが印象を弱くしていると思います。明日もTGSでVitaの講演があるので、それのためにとっておいたのかもしれませんが、初出となる今日アピールしておかないと、とも思うんですけどね。噂されていたMHP3rd Vita版の発表も無しでした。

その他、勇者のきろく。という、スケジューラと一緒になったようなゲーム、それからニコニコ動画が正式対応という情報も。ニコニコ動画スマホではすでに見られていますが、Vitaでも見られれば悪くはないですね。まずは視聴のみ対応、あとから配信も検討すると。ゲームの実況をそのまま上げられるようにする、とかもゲーム権利者が許すならやりたい、みたいなことを言っていましたね。ただ、今回の3Gプリペイドプラン考えると、ニコ動のような動画通信とは致命的に相性が良くないと思うんですけどね。

PSPへの対応〜DL版の「多く」は対応、UMD版所有者への優待プログラムも検討

それ以外の点としては、PSPとの互換性について。元々UMDドライブがVitaにはついていなかったので、ソフトだけ動いても、というところはあるのですが、まずそのソフトについてはDL版PSPソフトの「多く」は動作可能とのこと。PS3の時は、PS2との互換をうたいながら、発売当日ぐらいで急にいくつか不具合があることを公表、情報公開の遅さにいろいろと批難を受けました。今回は、発売前のもっと早い段階から、動作確認DBの公開を期待したいですね。

あと、UMD版をすでに持っている人が、単にVitaでプレイするためだけに同じソフトを買うのは馬鹿馬鹿しい、と思うのは至極当然な発想でしょう。これについて、結局UMD外付けドライブみたいなアプローチは紹介されませんでしたが、UMD版を持っている人が安く変えるような、なんらかの優待プログラムを検討中とのこと。少しでも金銭が発生するだけで気にされそうな気もしますが、はたしてどういった救済プランを用意するのか。PSPgoのときは結局取りやめになってしまったので、あれと同じ、期待させるだけさせておいて実は出来ない、ということはやめてほしいな、と思います。

まとめ〜サプライズ感に乏しかった講演

以上、ざっと講演やHPで発表された内容を触れてきました。全体的に淡々と進み、サプライズに欠けた内容だったな、という印象です。ニコ生のアンケートでも、8割ぐらいの人がマイナス気味の評価となっていました。メモカや3Gのいまいちなところを講演ではしっかりふれていないところもちょっと印象はいまいちです。

ロンチについては、3DSもロンチは移植とかリメイクみたいなものばかりでしたし、ロンチとだけ見ればそれほど悪くはないとは思うのですが、なにせ1週間前にMH3Gが出ていますからね。1年の発売時期の不利がそのままのしかかっているように思えます。それを挽回するほどのソフトタイトルをSCEが自社で持っていない、というのも痛いところですね。

自分は、どうせ買うならGPS付きフルスペックの3G版かな、とは思っていました。Nearとかのサービスも、3G版が普及しないことには企画倒れなサービスですしね。ただ、そうなると今回のドコモのプランのいまいちなところが気になるところでもあります。

とはいえ、本体性能はVitaの方が3DSの方を上回っており、ソフトラインナップを充実出来ればVitaが伸びていく目は十分にあります。まずはロンチから1年、どれだけプラットホームとしての地力をつけることができるか。300万台到達がハード普及の一つの目安と昔から言われますし、Vitaもそれをどれだけ早く達成できるか、今後の展開に期待です。