モンスターハンター3G、3DSで発売〜拡張スライドパッドも発表

先日ドラクエ10WiiWiiUで出ることが発表された一方で、一番今年注力するはずのニンテンドー3DSの発表会は9/13、そこでいったいどんなソフトが発表されるのか、いろいろな人が注目していました。そんな中、一足早く大型タイトルの発表があったようです。

Wiiで出たモンハン3のGバージョンが3DSで登場

発表されたのはモンスターハンター3G週刊ファミ通で記事が掲載され、公式ページも出ています。

『モンスターハンター3(トライ)G』発売決定! 東京ゲームショウ出展情報も - ファミ通.com
4Gamer.net ― 3DS用ソフト「モンスターハンター3(トライ)G」が2011年末に発売。東京ゲームショウ2011ではプレイアブル出展も
CAPCOM:モンスターハンター3(トライ)G 公式サイト

元々Wiiで発売されていたモンスターハンター3(tri)のアップグレード版のGバージョンとなります。

モンスターハンター3 (トライ) (通常版) (特典無し) - Wii

モンスターハンター3 (トライ) (通常版) (特典無し) - Wii

Wiiで出た作品のG版だけに、通常であればそのままWiiで発売するのが常なんですが、今回はハードを移してきましたね。Wiiの失速を見てカプコンが軸足を変えたのか、任天堂からの働きかけがあったのか。なんとなく後者な感じもします。PSP系ではモンスターハンターポータブル系がありますし、順当にいけばMHP3rdGがPSP(&PS3とVitaでHDver)となるでしょうから、任天堂としてはtriの系列でなんとかバリエーションをつけてもらったのかな、と。

モンスターハンター3G3DSで出ること自体は、まあそれほど驚きではありません。元々3DSにスライドパットが付いた時点でモンハンを予想していた人も多かったですし、でるならポータブルじゃない方、と思っていた人も多いでしょうから。発売時期が今年の年末というのはちょっとビックリですが。

拡張スライドパッドも発表〜後付で右パッドを追加

ただそれよりも驚いたのが、別途発売される「拡張スライドパッド」の方ですね。

ニンテンドー3DSに右アナログを追加する「拡張スライドパッド」、モンハン新作用に登場

この件に関しては、たしかに先月の段階で噂は出ていました。

うわさ:ニンテンドー3DSに外付け右スティック、来年にも新型本体?

ただ、後付で方向キーだけ追加するなんて異例ですし、そんなことも標準対応でない以上対応してくるソフトは限られてきます。サードにいろいろ意見を聞きながら設計したと言っていた3DSで、まさか値下げ直後にそんなことはしないだろう、と思っていたのですが、まさかの展開ですね。噂の出元では2012年発売の新型3DSの噂も話していますが、その可能性も十分ありでしょうね。標準搭載しないことには対応ソフトが増えてきませんし。大きさとしてはすでに今の3DSがかなりLiteレベルまで頑張っているだけに、やるとしたら大型するLL路線でしょうか?大型することで右スティックを配置するスペースも生まれ、持ちのバッテリの容量を増やすこともできますし(その分重くなりますが)。WiiUのように上に左右アナログ、下に十字キーとボタン、という配置にしてくるのかもしれません。

しかし、この拡張スライドパッドも相当な力技ですね。てっきり今の電源ボタンあたりにかぶせるようにつけるかと思いきや、まさかグリップタイプの大型アタッチメントを使ってボタンの横に設置してくるとは。そりゃ、たしかに右手親指でボタンとアナログスティックを同時に扱うような操作はないんですけど、この配置は見たことがなかっただけに想像も付きませんでした。結構かさばりますし、そとでやっていたら目立ちそう。まるで64の時の頃のデザインかと思ってしまいました。スマートさがないというか。

新型3DSへの布石?

個人的には正直、「こりゃないよ」という印象はあります。まるで初期の3DSの設計はダメで、値下げして数はだすけど後で設計見直します、みたいなものですし。Wiiでのドラクエ10USBメモリ同梱でMMO対応という力技で出ましたが、右スライドパッドも拡張で対応。Wiiのモーションプラスも性能が足りなかったのを後から追加していましたね。こうしてみると、Wii以降、任天堂の初期ハードデザインの精度が鈍くなっている、という印象もします。

一方で、悪かったところをユーザーの反感やサードがついてこないこととか恐れず、改良を断行することが出来てしまう行動力も、ある意味すごいとは思いますけど。とはいえ、未だ活用があまいWiiバランスボードとかもありますし、出したものの責任はちゃんととってほしいですね。

モンハン3Gが3DSで年末に出る影響〜同時期発売のVitaに痛手か

しかし、このモンハン3Gの発表で一番の痛手をうけたのはVitaでしょうね。元々、Vitaはスマートフォンと比較するとこれといった特徴も無く、ソフトもまだキラーソフトが無かったために、少なくともPSPの好調の主軸であるモンハンがロンチ近辺で用意されること、が成功の第一要因と思われていました。結果的には、MHP3rd HDverのVita版、もしくはMHP3rdGあたりがPSPとの同発で提供されるとは思うのですが、モンハン3Gが3DSで年末発売となってしまう以上、Vitaのロンチ間際でMHP3rdGを出してくるようには思えません。さすがに自社同士で発売時期をかち合わせるのは微妙でしょうから。MHFのように、若干ことなるところならまだ分かりますけど、3DSPSPでは結構競合してますし。そうなると、VitaにはMHP3rd HDか、という形になります。もしMHP3rdGが出るとしても、同時期に3DSMH3Gが出るのではインパクトは弱くなってしまいますしね。そういう意味で、Vitaのスタートダッシュに必要なタイトルの一つの出鼻をくじかれた形にはなったかと思います。

まとめ〜大型タイトルを引っ張る任天堂の豪腕、混沌とする市場

以上、ざっと今回のモンハン3Gの件について触れてきましたが、ドラクエに続いてモンハンのナンバリングを招き入れたことで、任天堂のある意味豪腕ぶりが発揮された、という印象がします。WiiやDSで得たものを存分に活かしてきたな、と。ただ、一方で図式としてはDQ9をDS、モンハン3をWiiで出したときの逆をやっているだけ、というのもあります。大型タイトルをひっぱってこればハード戦争は勝てる、そういったPS対SS対64の対決の時のような図式をいまだ引きずっている感じもします。当時ほど、プラットホームへのソフト依存度が強くなく、マルチ展開が定常化している状態、さらに和ゲーそのものの訴求力が弱回っている状態ですので、この発表が即ハード戦争を決着させるか、というとそんなことも無いでしょう。スマホやネットのSNSなど、今までにないソフトプラットホームでの囲い込み戦争も激しく、任天堂も単にハード戦争だけを見ていては足元を救われてしまうことでしょう。もう一歩、今までにない戦略、驚きを見せて欲しいところです。

とはいえ、一応まだこの後にニンテンドー3DSカンファレンスが控えています。ここでも何かタイトルが発表されるかもしれません。できれば、そろそろ「他のハード、プラットホームでは絶対真似の出来ない、任天堂ならではの価値観」が感じられるソフトなりサービスを提供して欲しいところですね。