ニンテンドー3DSが8/11から1万円値下げ〜既購入者には20のVCソフト提供

昨年今年2月に発売された、DSの後継機3DS
ニンテンドー3DS アクアブルー【メーカー生産終了】 ニンテンドー3DS コスモブラック【メーカー生産終了】 ニンテンドー3DS フレアレッド【メーカー生産終了】

裸眼立体視というキャッチーな機能とDS後継という鉄板さで予約当時は壮絶な争奪戦が繰り広げられたりもしたのですが、ソフトがいまいち「これこそ3DS!」みたいなソフトがなく、さらに発売直後に東日本大震災に襲われて「本命ハードの後継機をノリで買う」という需要が落ち込んだことで予想外の低迷。地震の影響が無いはずの海外でもさらにひどい伸び悩みをみせ、低迷が続いていたWiiと合わせて任天堂の失速感を大きく感じさせる状態となっていました。

そんな中、任天堂が思わぬ一手を売ってきました。それは、1万円もの大幅な本体値下げです。

ニンテンドー3DSが1万円値下げ、1万5000円に 「今思い切った手を打たねば」 - ITmedia ニュース

ちょうど今日に限って、外出先でiPhoneの電源が切れ、しょうがないからと3DSのブラウザを立ち上げてWiMAX経由でGoogleニュースを見ている中この見出しが飛び込んできて、すごくシュールな感覚を味わってしまいました。

値下げはまあ分からなくも無いのですが、1万円という下げ方は非常にショッキングでしたね。8/11というと半年にまだ満たないぐらいですしね。過去にも、PS3が発売直前に大幅に値下げしたり、XBOXが発売3ヶ月で1万円値下げしたりしたケースもありますが、いずれも高すぎるとかそういった批判を受けたものでした。

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今回も1万円という価格ですが、元値が25000円ですからね。比率では40%値下げ、それが半年以内というのだからびっくりです。発売日購入者としては、えー、という気持ちになるのは至極当然なことでしょう。特に、任天堂岩田社長が、昔から本体の値下げを「高く買ってくれた人が損した気分になるから」と繰り返し言っていただけに、そっちの言葉を反故された方が衝撃が大きかったです。ああ、岩田社長でもこんな無茶な値下げとかやっちゃうのか、と。言ってしまえば、幻滅、ですかね。一応、早期購入者への補填として、ファミコンGBAのソフトのVCを20本提供という大盤振る舞いですが、結局はネット上の自社IPのたたき売り感覚。PSNの復帰のSCEソフト提供で非常に微妙な感覚を味わったように、当然のようにこのVCについても微妙な印象でしたね。というか、1万円もVCにぽんと普段お金出したりしませんから、20本とかつけられてもこまっちゃうというか。任天堂への実負担は増えますけど、自由に使えるようなポイント、既存の3DSソフトから選択して1、2本もらえるとか、そういった自由度のある補填であればよかったんですけどね。GBAでもらえるソフトはかなり魅力的ですが、実装がかなりバタバタなようで、Home無し、いつのまに通信なしなど、マルチプロセスな対応がさっぱりできてない形なのも、「苦しいなぁ」という印象を抱かせます。

この値下げは、リアルにでかい実害は中古販売業者ですね。数万〜数十万単位で即座に含み損が載せられてしまう計算です。直接任天堂から購入していた店舗には、おそらくなんらかの補填があるでしょうけど、中古屋にあるとも思えませんし。あとは、完全に「3DSが立ち上げ失敗した」という印象を与えてしまうのも大きいですね。ある意味敗北宣言というか。他にも、他社のVitaとかにも暗に値下げ圧力が加わってしまう形で、TOVが完全版商法をやって他のゲームでも無駄にそういった噂が出されてしまったような状況を、よりにもよって任天堂が作ってしまっているのが、なんだかなぁ、という感じです。

これでも売れなかったら、果たしてどうするつもりなのか、というのも。そもそもこの値下げも、本来は裸眼ディスプレイが大量生産で安くなってから切るカードでしたでしょうしね。この先はソフトやサービスで注目を集めざるを得ません。そのソフトが根本的に欠けている中での値下げなので、果たしてどれほどの効果があるんでしょうね。

もっとも、同時にマリオ3Dランドが11月、マリオカート7が12月とも発表されました。根強い人気を誇るゲームだけに、この値下げもあいまって年末はまた任天堂ブーストが見られることでしょう。ただ、それだけでは一時的な盛り上がりだけ&任天堂ゲームしかまともに無いハードというレッテルを貼られかねません。ライト層が無料ゲームとかに流れている中、今回の博打が功を奏するのかどうか。ロンチ購入の自分としては、とりあえずもらえるものをもらってから、その結果をチェックしていたいと思います。