アイドルマスター2 PS3版発表〜G4UやアニメBDを同梱した特別版も

現在アニメが展開中のアイドルマスター。全国ライブツアーも残すところ今週末の大阪だけとなっています。これまでのライブでは特にサプライズ発表は無くアニメPVが流されていて、ガミPの登場も無かったため、最後の大阪では何かゲーム関連で発表あるか、と思っていたところ、その前に大きな展開が発表となりました。それはXbox360で出ていたアイドルマスター2PS3版の発売です。

アイドルマスター2 - Xbox360

アイドルマスター2 - Xbox360

『アイドルマスター2』がプレイステーション3で発売決定 - ファミ通.com

PS3版の公式サイトもすでに用意されていますね。

THE IDOLM@STER2 プレイステーション3 | バンダイナムコゲームス公式サイト

公式ブログでも内容の紹介がされています。

PS3「アイドルマスター2」10月27日発売予定!|アイドルマスター公式ブログ

予想はされていたPS3

今回のPS3版については、ぶっちゃけかなりフラグが以前から立っていただけに、そこまで驚愕の内容、とは受け止められていないように思います。自分自身も、そもそも2の発表の時点でマルチかな、と思っていましたし、2の360版発表後も2の仕様が判明し夏にアニメ化という話が出てからは特にその可能性が大きくなっていたように思います。個人的にマルチの可能性を一番感じていたのは、センシティブトゥーンの話の時ですね。縮小傾向の360向けだけに、他のゲームでも使うような描画エンジンを、コスト高の日本人開発者エース級投入して作らせるのは変だと思ったんですよね。PS3と360のマルチ環境を用意する、という考えであれば自然ですので。

アイドルマスター2 (通常版) - PS3

アイドルマスター2 (通常版) - PS3

今回のPS3版の詳細な仕様紹介は今のところ無し。本編はあまり大差ないかもしれません。竜宮小町や律子のプロデュースも、ストーリーを弄る必要がありますし、わざわざコストかけていれこむかというとちょっと疑問が残るところも。あっておまけストーリーぐらいかとも思います。その他大きな点としては完全初回限定版に、グラビアフォーユーという写真撮影ゲームと、BDの初回限定版がついてくるというもの。BDまでついてくるあたり、特典の域を越えて単なる抱き合わせ販売になっちゃってますね。普通だとBDを付属せず、その他の特典であるサントラとかぐらいで1万前後ぐらいにするものなんですけどね。トータルで2万というのも、なかなかアイマスファンの購買力の足元見てるなぁ、という感じです。
また、360版のDLCも一部ついてくるとのこと。360版ユーザーとしては買い直す手間が省けるという見方もあれば、高い金出して買ったものをPS3版から入るユーザーはただ同然で手に入れる、という不満もあるでしょう。ライブでのサプライズとせず、この段階での発表としたのは、9.18の反省でしょうか。大阪ではG4Uの映像紹介ぐらいに留めるのか、プラスアルファで誰でもよろこびそうなネタを何かまだしこんであるのか。

ファン層や展開の広がりに期待も、複雑なところも

現状、アイマスのために全機種持ちになっているような自分からすると、まあPS3版が出てもアイマスの世界が広がるなら…という気持ちはあります。一方で、相変わらずのバンナムの完全版商法に、えげつないなぁ、と閉口しているところも。洋ゲーなら、同発マルチが基本で、それならあまり角は立たないんですけどね。360で先に出してPS3版の存在は隠しておき後で、なんてやるものだから、変な機種間戦争にまきこまれてしょうもない煽りを受けて売上に響いたりファンコミュニティのいざこざを誘発したりもする訳で。

日本のメーカーはバンナムを筆頭に、スクエニとかコナミとかも完全版・決定版商法やってきますが、ソフトの差分追加で同じファンに2度買わせようという魂胆が見え見えで辟易とします。それぐらいしないと今のHDゲーム市場ではやっていけないということなんでしょうけど、それでさらにゲームファンのモチベーションを落として業界衰退を招いている気もするんですよね。PS3独占のTOXとかですら、後に追加要素入れて再度PS3でなんて手もここまで来たらあっても不思議でないですし、「どうせ半年〜1年待てば、完全版で無くても安くなっているさ」とか割りきってしまう人も出てくるかもしれません。自分で自分の首をしめているというか。

こうしてレッドオーシャンを加速させ、客は減退し、海外には通用しないコンテンツばかり…と、日本のゲーム業界は正直、数年後に明るい未来が描けない状態になっている、という印象。こんな業界では優秀な新卒の人も入社してこないでしょうし、チャレンジも無いので人材も育たず、世界には差をつけられるばかり。そうするうちに会社は多数倒産・合併し、一部の搾取上等な「お得意様」相手に、ソフト焼き直し、特典商法だけ繰り返し、ほそぼそと生き残っていく、あたりが現状の日本ゲームメーカーの行く末なのかな、という印象です。

PS3持ちアイマスファンとして、なんだかんだでこれは買ってしまいそうですけど、こんな顧客ばかり相手にしていたらお先真っ暗ですよ、と「お得意様」の立場からも苦言を呈しておきたいですね。素直に最初からPS3独占にするなり、同発マルチ発表するなりして、消費者に台所事情のまずさを露呈しないような商売をすることが、ゲーム業界の発展につながるのでは、と思います。なんとか、日本が盛り上げていたゲーム業界を縮小・ガラパゴス化して収束させないような意欲的な取り組みも、どこかの会社には見せていただきたいものです。