PS3で「PSPリマスター」登場〜第一弾はMHP3rd
PSN停止問題で利用者のストレスがたまっているPS3。一方、MSや任天堂が勢いのない中、以前として据え置きでは人気のあるプラットホームでもあります。日本では、現状PSPがトッププラットホーム、モンスターハンターポータブルがキラーとして引っ張っているのですが、この流れをPS3に活かそうとする試みがなされるようです。
SCE、PSPタイトルをPS3向けにカスタマイズした「PSP Remaster」始動。第1弾はカプコンの「モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.」 - GAME Watch
PSPとPS3のゲームプレイ共有
PSPリマスター。つまり、PSPのゲームをそのままPS3にHDでプレイ出来るようにしたというものです。リマスターとしてはこれまでにも旧来機種のものをPS3で実現するというものがあり、GoWのリマスターはプレイしましたがHD化により全然古臭くない感じで楽しくプレイ出来ましたね。
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2010/03/18
- メディア: Video Game
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今回のリマスターでは、さらに「セーブデータ互換」というのが非常に大きなポイント。とくにMHP3rdなどではこれまでプレイしたセーブデータの価値がものすごく大きく、これが使えるかどうかで別ゲーになってしまうほどのものでしょう。今まで育てたキャラをそのまま引き継ぎ、家では大画面でプレイできるというのは、モンハン好きにはかなり魅力的なのではないでしょうか?
現状でも、PSPの画面を液晶テレビでしっかり拡大する機能などが貴重視されており、PSPでゲームが揃っているだけにPS3で大画面プレイ出来るのは価値有るでしょうね。PSPの拡大では、なんだかんだでジャギは消えませんし、アナログ入力独特のノイズとかもありますから。モデルそのままでもGPUでHD化される意義は大きいかと思います。将来的には、NGPとPS3でセーブデータ共有、さらにPS+でセーブデータのクラウドでの共有も可能となり、そのための布石でもあるのでしょうね。
安易なリマスター偏重は危険〜長期的視点でゲーム市場育成を
一方で、この路線に安易にどの企業も乗ってしまうと、ただでさえひとつのタイトルを複数機種に使いまわしたり、過去作品リメイクばかりの日本では、さらなる新作タイトル不足に陥る可能性もあります。たしかに、これまでの傾向で日本のソフトメーカーには「HDならでは」のゲームをうまく作る能力、アイデア、技術が欠けていることは露呈してきていました。そのため、PSPがいわば「身の丈に合った」プラットホームにもなっていたわけです。こうした流れでPSPリマスターという形でPS3でも出せるのは、和ゲーサードにとっては貴重な場ともなるでしょうが、これだけに閉じこもってしまうと、ゲーム業界の縮小は加速してしまうようにも思います。
自転車操業状態の和ゲーメーカーにとって、投資が少なくリターンの見込めるこのプラットホームの登場は、日銭を稼ぐ意味合いでは好意的なものでしょう。ただ、それだけではユーザーの「飽き」を加速することにもなりかねません。焼き直しで喜ばれるところと、新作で目新しさを見せるところ、これらを各ゲーム会社が「長期的視点」で戦略を立て、ソフト供給してほしいものです。特にファーストはゲーム業界を潰さない意味でも率先してそうした対策をとっていただけるようお願いしたいものです。