任天堂、Wiiの後継機を2012年発売〜3DSは361万台出荷

4月末は決算発表が目白押しの時。今日は任天堂が昨年度の決算報告を行いました。それに合わせて、これまで噂されていたWiiの後継機についてのアナウンスも出しました。

時事ドットコム:Wii後継機、来年発売=任天堂、6月に詳細公表

前回のニンテンドー3DSの時と同様、今回も書面でのアナウンスのみとなっています。仕様などの詳細はE3で発表。プレイアブルの形での出展も行うようです。発売については2011年度売上には見込まないということで、2012年4月以降の発売としています。

決算に関しては、利益は確保しているものの落ち込みは大きく、円高WiiやDSの落ち込み、そして震災などが大きく反映された形になっています。

時事ドットコム:任天堂、2期連続の減収減益=ゲーム機値下げ、円高響く
決算短信(PDF)

3DSは361万台出荷も目標未達〜秋まで回復は困難

とくに3DSについては新ハード発売直後に大震災ということで、一番大事なロンチ期間の購買意欲に大ダメージををうけたこともあり、日本では150万台出荷見込みが106万台にとどまるなど大幅な未達。トータル400万台出荷見込みで全世界では361万台(米132万台、その他123万台)と、日本の落ち込んだ分だけ全体でも落ち込んでいる形です。
(※ちなみに、任天堂は通例IRでのリリースでは出荷台数を「販売」と表記しています。プレゼントかでは、別途実売についても調査機関の数字を用いて説明することが多いです。この辺はいろいろややこしく混乱しやすいですが、昔記事にしたことがあるので以下を参照ください。)
『出荷台数』と『販売台数』についての注意 - わぱのつれづれ日記

この3DSの件も含め、NHKの記事では「秋まで回復は期待できない」と述べていたと報じられています。

任天堂 秋まで回復期待できず NHKニュース

5、6月と3DSではいろいろソフトも出てきますが、やはりスタートダッシュで一気に売る必要があったのが売れなかったことは、かなり深刻であると捉えているようです。

Wii後継機と3DSの2つを任天堂は支えきれるか?

3DSの不振には何より任天堂ソフトの不足、OSの機能提供未達があると思っていました。しかし、Wii後継機の発表でその理由も分かったような感じですね。WiiとDSの落ち込みが早いので焦りもあるのかもしれませんが、一度に据え置きと携帯の新ハードを賄うことができるのかどうか。アイデアも昔ほど簡単に出せなくなってきていますし、OS実装未達を見てもリソースが足りてない感じがします。3DSWiiとでネット展開などが共通化できているようならいいんですけどね。すれちがい通信いつの間に通信などとの連携があるんでしょうか。

Wiiの後継機は楽しみではあるのですが、すでに3DSが2万5000円で売っており、任天堂が4万とかするハードを売るとも思えないため、性能が他機種をはるかに凌駕する、というのも想像しにくいところがあります。コントローラとかに金をかけるようなら、より本体性能が犠牲にも。そうなるとPS3Xbox360と性能的に同世代としての戦いになることも予想され、サード関連でどの程度優位性を打ち出せるのかは大きな課題となりそうです。また、3DSも性能が上がったことでソフト開発の期間や費用増大も想定され、Wii後継機でさらにそれが重なります。その負担に、任天堂がクオリティを維持してテンポよくリリースできるものかどうか。

今世代では圧倒的な市場支配力を見せましたが、その両軸に陰りが見える中での次世代機は、想像以上にハードルが高いと考えられます。ライバルも決して顧客拡大がガンガン出来ているわけではなく、任天堂が落ちてきているだけという状況ではあるのですが、スマートフォンの台頭もありゲーム市場の先は読めないところもあります。ゲーム専用機がレガシーなものになってしまうかどうか、ある意味瀬戸際とも言えるでしょう。任天堂の「驚きを提供」というものに、一ファンとしては期待したいところです。