5pbが合併して解散、新会社「MAGES.」に〜社長は再び志倉千代丸氏
今期いろいろあるアニメの中で注目されているのがシュタインズ・ゲート。自分はニコニコでの配信を主に視聴しています。
原作はXbox360で発売。その後PCにも移植され、6月にはPSP版も発売されます。また360では同時期に本編のプラチナコレクション、さらにファンディスクである比翼恋理のだーりん、そして2つを合わせたダブルパックまで予定されています。
そのシュタインズ・ゲート、ギャルゲのフォーマットながら内容は非常によく練られたSFアドベンチャーで、近年発売されたADVゲームの中ではトップクラスの作品で、アニメもいい感じの出来でファンも増えているところですね。
この作品を生み出したのが、志倉千代丸氏の率いる5pb.。元ヒューマンのサウンドクリエイターで、サイトロンを経て5pb.の代表取締役社長、いとうかなこさんをはじめとする数々の曲の作詞や作曲を勤めながら、シュタインズ・ゲートやカオスヘッドノアなどの企画原案を行ったりと、非常にマルチな活躍をみせている方ですね。
5pb.としては360やPSP向けゲームの他、今井麻美さんらの歌手が所属して音楽ビジネスなどを手がけています。その5pb.ですが、本日急遽解散するというニュースが飛び込んで来ました。
【情報追加】5pb.がドワンゴ傘下のAG‐ONEと2011年6月1日付けをもって合併、5pb.は解散に？ - ファミ通.com
官報の情報で発覚〜実際は合併→新会社設立
情報の出どころは今日公開された官報。
ここで5pb.がAG-ONEに吸収合併され、5pb.は解散と記載。また賃借対照表も表記されていて、約7億円の債務超過であることも発覚。はや5pb.ブランド消失の一大事、シュタゲなどの行く末は？と一時騒ぎとなりました。
結果的には、ファミ通のところにも追記されているように、5pb.を吸収したAG-ONEが新会社「MAGES.」となり、志倉氏が再度社長就任、というものでした。
「新会社『株式会社MAGES.』発足のお知らせ」 5pb.ニュースリリース
5pb.ブランドやゲームタイトルについてもそのままの体制を継続。対等合併という言葉を使われていますが、形的には合併を使って債務超過を一旦消した形で、以前債務超過のSCEがソニーに合併されて解散、再設立されたパターンと似ていますね。
事業規模も拡大〜問われる志倉氏の手腕
今回の場合は、資本金が増えており事業的にもAG-ONEのイベント関連なども合併されており、志倉氏の社長としてのカバー範囲が広がった形ですかね。5pb.自体、赤字体質だったのかTYOから株をただ同然で志倉氏が引きついでやりくりしていたようでしたので、結果的にはシュタゲなどの科学ADVという知名度あるIPを元に合併が実現、規模がでかくなって先に進んだ、という形ですかね。
規模は大きくなりましたが、その分ドワンゴや文化放送といった大口株主が存在します。昨年からすでにこうした状態だったようですが、合併＆社長就任で志倉氏には経営者としてより高いハードルが与えられた形になります。一サウンドクリエーターが経営者として大きくなっていくところは、規模は違いますが任天堂の岩田社長（元HAL研究所スーパープログラマー）も思い起こさせますね。
いずれにせよ、これからはよりシビアに収支などが株主にチェックされるようにもなるでしょう。一方で、5pb.では志倉氏の音楽、作品が稼ぎ頭になっていたのも事実。MAGES.という新会社でどういった作品が、どういった戦略で展開されるのか、注目していたいと思います。
