モーションプラス内蔵「Wiiリモコンプラス」11/11発売〜旧型と同形状同価格、本体にも同梱へ

ニンテンドー3DSの発売を控える中、据え置き機においては存在感が薄れてきているWii。その原因の一つとして、モーション操作のゲームの飽きが上げられると思います。とくに、ノーマルのWiiリモコンではポインティングの他の動き認識が、加速度センサーによるもののみで細かいリモコンの角度などが図れず、特に剣術系のアクションなどで非常に単調でラフな認識しかできないこともあって、似たような底の浅いゲームが増えることともなりました。

Wiiモーションプラス (シロ) (「Wiiリモコンジャケット」同梱)

Wiiモーションプラス (シロ) (「Wiiリモコンジャケット」同梱)

こうした状況を挽回すべく開発されたのが、Wiiモーションプラス。新たに角速度センサが加わり、手首のひねりなどを検知できるようになったことから、特に剣を降るようなアクションで目覚ましい精度向上が見られました。この辺は、自分もWii Sports Resortのチャンバラで体感したところでもあります。

Wiiスポーツ リゾート (「Wiiモーションプラス (シロ) 」1個同梱)

Wiiスポーツ リゾート (「Wiiモーションプラス (シロ) 」1個同梱)

前作よりもやりごたえ大幅UP!〜「WiiSports Resort」レビュー - わぱのつれづれ日記

ただ、やはり本体に同梱されない周辺機器という側面があるため、Wii Sports Resortというミリオンタイトルを持ってしても、後に続くタイトルはなかなか増えませんでした。そんな中、いよいよ任天堂がモーションプラスの普及を図るべく手を打ってきたのが、Wiiリモコンへのモーションプラス内蔵、そして本体同梱です。

任天堂、WiiリモコンにWiiモーションプラスの機能を内蔵した「Wiiリモコンプラス」を11月11日に発売 -GAME Watch

大きさ・形状は前のものと同様。価格も同じく3800円。リモコンにつける各種アタッチメントや周辺機器が使えるのはいいことですね。また、色もこれまでの4色にプラスし、スーパーマリオブラザーズ25周年モデルの赤Wiiを発売するのにあわせて、赤色も追加されています。

今更モーションプラスでのテコ入れは可能?

もっとも、こうしたモーションプラスの普及を今更促して、これがWiiの落ち込みにどの程度効果があるかは、ちょっと微妙なところも感じます。そもそも、据え置きゲーム機自体が携帯ゲーム機に比べおされています。それでもなお据え置きゲーム機でやろうとするユーザーは結構なゲーマーで、そういった層はすでに開発もこなれてソフトも充実してきたPS3や360に関心をよせています。Wiiでも、任天堂がコアゲーマー向けのテコ入れをしているところですが、サードが一様に手を引いてしまっていることもあり、弾不足な感はいなめません。

一応、モーションプラスを使った大作としては、この先ゼルダが控えていますが、これもどこまでの起爆剤となるか。自分はE3で体験プレイしたのですが、自分自身にゼルダにさほど思い入れがないこともあり、思ったほどの感動はありませんでした。Wiiモーションプラスを使ったギミックも、「どっかで体験したような操作」という感想しかありませんでした。

PS Moveにも言えることですが、リモコンを使ったゲーム操作も、さすがにWii発売から時間がたったこともあり、かなり新鮮度は失われています。センサー精度を高めることでコアゲーマーにも対応しよう、という試みが行われているのですが、そもそもの新鮮味が失われてしまっている中だと、新規にデバイスを買ってまでそのゲームをしたいと思うかどうか。特に、コアゲーマーはモーション操作にかなり拒否感も持ってますからね。恥ずかしい、という感覚で。

もちろん、精度の互いモーション操作のおもしろさはリゾートなどのプレイで分かっていますし、今後もっといろんなゲームで活用されていけばおもしろくなるな、とは思います。ただ、Wiiの性能、そしてサードの姿勢を見ていると、先行きは明るくないと思われます。今回のリモコンプラスの同梱は、ある意味次世代Wiiへの伏木なのかもしれません。今は3DSを軌道にのせるのに精一杯でしょうから、あと2年ほどWiiは引っ張られる気はします。その間、Wiiは持ちこたえることができるかどうか。イノベーションのジレンマに陥っている感もある任天堂、とりあえずはソフト面での展開に期待です。