コンシューマーレポート、なお「購入非推奨」を継続〜他社も反論

先日の会見で、iPhone4でのアンテナ受信感度問題を公式に認め、無償ケース配布の対応を発表したアップル。一方で、この問題はすべての携帯で起きるものであり、iPhone4だけが深刻な問題を抱えているわけでないという主張を行ない、実際に他社携帯をつかった問題発生例を自社サイトで公表したりしていました。

アップル - スマートフォンのアンテナ性能

日本人には受けないやり方だよなあ、と昨日のエントリでも記しましたが、案の定はてブのコメントなどを見ても批判的なものが並んでいます。

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これに対して、具体的に巻き添えにされた形の携帯各社も、アップルの発表にクレームをいれているようです。

ライバル各社、米アップルのアンテナ問題「一般的」発言に反論 - インターナショナルビジネスタイムズ(IBTimes)

いずれも、アンテナの受信感度が握り方の影響をうけるということそのものには否定的ではありませんが、BlackBerryのRIMは「そもそもiPhone4のようなアンテナデザインを避けるようにしている」、「うちはバンパーはいらない」ともっともな批判。HTCの「うちのはiPhone4より顧客満足度が高い」という批判は微妙ですね。結局お互いの独自データに基づくもので、バイアスかかってしまいますし。最初に槍玉にあげられながら実証サイトからは除外されていたノキアは「数千人の握り方検証をしている」という批判です。

ここまでは、他社批判を軸に自社擁護をした時点で想定済みでしたが、追い打ちをかける形で、今回の騒動による株価暴落の引き金となる「購入非推奨」の発表を行った米消費者団体誌コンシューマーレポートが、先日のアップルの無償ケース配布を受けてなお、「購入非推奨」を継続するとの表明をしたようです。

CNN.co.jp:「ケースがあってもiPhone 4は推奨しない」米誌

理由としては、「様々なケースでの対応となると、公平な判断ができない」「そもそも根本の問題解決となるか不明」ということのようです。たしかに、今回の対応では、公式バンパーの精算が間に合わず、サード製のケースも配布するという対応となっています。こうなると、アップルが「問題が起きない」と考えるケースはどれなのか。数が多すぎれば、この消費者情報誌でのテストでは追試しきれないでしょうし、追試できないデータを根拠に非推奨の取り消しはできない、ということでしょうね。Wiiのリモコンジャケットのように、公式でもれなく配布、さらに店頭発売分に同梱するのであればまた違うのでしょうけど。そもそも、アップルが無償配布するサードケースで、どの程度しっかりと問題検証がされているのか。言われてみれば疑問が残ります。

こうした内容を受けてか、7/19のNASDAQのアップル株価は、先週末比で-4.32と大きく値を下げています。ケースの無償配布で一端沈静化に向かうと見られたiPhone4の不具合騒動ですが、なまじスマートフォンでトップ売上を見せており、敵も消費者巻き込み次々とつくってしまっている状態で、危うい状態はつづいているようです。時間と共に解決するか、それとも火種は続くのか。事の推移を見守りたいと思います。