子供・高齢者にとってのiPad

直感的な操作で注目を集めるiPad。これまでも幼女が使いこなしたり、猫が遊んだりといった動画を紹介してきました。

2歳半の女の子が初体験でiPadを使いこなす動画 - わぱのつれづれ日記
iPadの画面とたわむれる猫 - わぱのつれづれ日記

他にも、日本でもお子さんに体験させてみた動画などが紹介されています。

iPhone FAN (^_^)v: 3歳と4歳がここまで出来る!! iPadセカンドインプレッション!!

その他、100歳のおばあさんにiPadをプレゼントした動画などもYouTubeで多くの注目を集めています。

ITmedia記者両親の例

一方、そんな盛り上がりとは少し異なる視点で公開された以下の記事が、日本で注目を集めました。

iPadリポート総集編(1):「なんだ朝日新聞は読めないのか」――高齢者がiPadを使ったら? (1/2) - ITmedia +D PC USER

朝日新聞が読めない」という内容で、ちょっと釣りを意識したタイトルであったり、記者の両親でPCもある程度できるというちょっと特別な例を元に話を展開しているため、節々に無理がある内容にはなっていますが、ひとつの見方だとは思いますね。
「文字が小さい」という点は、記事の写真のようにスタンドに置いて使っていると難しいですが、手で持つのであればその持つ場所を変えれば相対的に文字の大きさも変わりますし、iPhone同様、ダブルタップすれば文字は拡大されます。ただ、老人ですと老眼ということもあるので、適切な状態にならないこともあるかもしれません。

「PCとできることが変わらない、PCより劣る」というのは確かにそのとおりでひとつの見方ではありますが、普遍的な意見ではないようにも思います。特に、このご老人の場合はすでにPCをある程度使いこなしており、写真編集などがしたいという明確な意志を持っているわけですからね。現状、カメラ取り込みキットも発売されていない段階で、特定の目的を持つ人に意見を聞いても、とは思います。

iPadの持つ話題性と可能性

結局、iPadで何がしたいのか、という事なのかもしれません。少なくとも、日本発売前の現時点ではアプリも揃っておらず、「日本ではコンテンツが充実しない」と断言するのは早計でしょう。iBooksについて、日本では無理ではという意見もありますが、コンテンツ業界もなんだかんだいって目の前に広がる市場には魅力を感じると思います。ニンテンドーDSの時もそうでしたよね。まず、直感的なデバイスとキラーソフトで、普段あまりゲームに触れない人にも爆発的に広がった結果、その層を対象にしたカジュアルなゲームが多数リリースされました。iPadも、操作性でキーボードとマウスという世界とは違いを持っていますし、なによりAppleの新製品ということで話題性も集めています。タッチパネル端末という事自体は別に新しくなくても、「みんなが注目しているもの」という話題性に特に日本人は弱いところがあるので、その流れで需要、供給が集まれば、ひとつの動きを起こすことになるとも思います。

自分の場合は、パーティなどで写真の閲覧に持っていったことがありましたが、その快適な操作性と物珍しさもあって大いに盛り上がりましたし、フォトスタンドとしての用途は十二分に発揮しています。あとは、PCのあるデスクから離れた時のWeb閲覧やメールチェックなどですね。その他、いくつかフリーのゲームを中心に遊んでいたりしますが、大画面&全面マルチタッチ、そして傾きセンサー搭載ということで、iPhoneとはまた違う、「据置ゲームの携帯操作」的な感覚があり楽しいです。次世代携帯ゲーム機を先取りしているような感覚ですね。

スペック至上主義の製品モデルが崩れているなか、こうした「話題性」「目新しさ」「広いターゲット」というところはどんどん重要になってくるでしょう。従来のデジタルガジェット好きだけでなく、あまりこの手のデバイスに詳しくない層をどうやって巻き込み、盛り上げていくか。ハード、ソフト、広告と、一貫した戦略が必要です。はたして、iPadニンテンドーDSのようなムーブメントを日本で起こすことはできるかどうか。