iPhone向けOpera Mini BrowserがAppStoreで無料配信開始

Appleによる質の高いUI、アプリなどが好評なiPhone。一方で、そのAppleによる囲い込みや閉鎖的なところが倦厭されているところでもあります。特に、AppSoreについては、GoogleVoiceのリジェクト騒ぎを機会に、ライバルサービスを排除するようなAppStoreの審査関連でいろいろ批判されていたところもあります。

そんな中、同じく標準アプリの代替を図るようなもので注目されていたものとして、OperaMiniのiPhone版の存在があります。こちらも、Safariと同様メジャーなブラウザアプリで、さまざまな携帯端末の他、Wiiなどにも採用されているブラウザ。3/24のリリースでAppleへの審査請求に提出したと報告がありましたが、これが果たしてiPhoneで本当に承認されてリリースされるのか、いろいろ話題となっていました。

Opera Mini submitted to Apple's App Store

そんなOperaですが、とうとう審査を通過し、AppStoreでの配信が開始されました。

iPhone版Opera MiniをAppleが承認 App Storeでリリース - ITmedia News

以下がプレスリリースです。

Approved

また、AppStoreのリンクは以下のところになります。

iTunes App Store で扱っている iPhone、iPod touch、iPad のOpera Mini Web browser

独特の操作感&デザイン

YouTubeで公開されている紹介動画は以下のもの。

自分も無料なので早速落として使ってみたのですが、うーん、正直微妙なところもあります。たしかに、ページの読み込みは非常に早い印象もあるのですが、全般的にデザインがやぼったい。アイコンやアドレスバーのところもちょっと大きすぎる感じがして、すごく狭い印象を感じます。動作も、スクロールなどが若干引っかかる感じもします。

ページの通常レイアウトの表示では、全体表示の場合は文字が全く可読できない状態。見知らぬ言語が書かれているのか、というレベルで、あくまでページ全体の雰囲気をつかむ程度でしょうか。見たいところをタッチすると画面が拡大され、そこで改めて文字が読める形でレンダリングされます。Safariのようなシームレスな流れでの拡大でなく、レイアウトも若干崩れ気味です。また、iPhoneの傾きに応じて画面は縦横切り替わるのですが、画面表示の方は更新されず。再度リロードしてやる必要があります。画面回転のロックも無く、この辺の仕様は実に中途半端な印象です。

その他、画像の表示ですがマルチタッチによる拡大縮小の操作をすることができません。大きな画像は、再度別の解像度でレンダリングされたものをダウンロードしなおす形。画面の縦に合わせる、横にあわせるなどのオプションは選べますが、Safariではマルチタッチで手軽に詳細を拡大してみることができることを考えると、これはマイナスですね。

モバイルモードは快適

一方、昔からOperaの特徴的な機能であるモバイル表示モードはなかなか快適です。自分のこのブログも、通常レイアウト表示では大きく崩れてしまってまともに見れないのですが、モバイル表示であれば2段組を崩して1段組にして表示してくれ、普通に閲覧できます。Safariで、ニュースサイトなどの記事をダブルタップして拡大したとき、上下スクロールで微妙に左右にぶれてスクロールしてしまうこともありますが、このモバイル表示モードであれば単純に上下スクロールだけになり、快適に見ることができます。ヘッダが多いサイトだと、本文にたどり着くまでにそれなりにスクロールしなければならないのが何ですけど。

あと、モバイル表示モードの切り替えが、設定メニューの中にあるのもちょっと面倒なところです。設定ボタン→→Setting→MobileView ON/OFFと3ステップかかり、なおかつ手動でリロードする必要もあります。このあたりの使い勝手はこなれていない印象ですね。

今後の改善に期待か

そのほか、ブックマークなどのOperaLinkでの同期などもあるようですが、自分はPCではOperaを使っていないため未確認。ブックマークレットなどの動作もまだ確認はしていません。

とりあえずざっと触った感じでは、ある意味懐かしい感じもするブラウザですね。従来の携帯電話でのブラウザ、フルブラウザを触っているときのような印象を感じました。デザインや操作感が、あんまりiPhoneっぽくないんですよね。なんか、Windows95が出始めたときのWordに対する一太郎、みたいな感じ。モバイル表示向けにいくつかサイトを絞り込めば使える、という感じでしょうか。

とはいえ、こうしたメジャーな機能を提供する独自アプリが、Appleの審査を追加して配信されるようになった、というのは大きな一歩とは言えるかもしれません。Appleの締め付けは厳しいですが、いろいろ競争が起きることは消費者のメリットにつながりますので、今後も各分野がんばって欲しいものです。