「アナザーコード」「王様物語」などの開発元「シング」が破産申請
本体、ソフトの売上で大きなシェアを誇る任天堂プラットホーム。一方で、売れるソフトと売れないソフトのジャンル的な偏りもあり、「任天堂製のソフトしか売れない」、「任天堂のソフトであっても従来ゲームが売れない」と揶揄されることもしばしばありました。
そんな中、任天堂のセカンド的な位置づけでニンテンドーDSやWiiにゲームを提供していたシングが、この程破産申告手続きの準備に入り、倒産することになった模様です。(経由:Twitter / 日々是遊戯)
「王様物語」「アナザーコード」などで知られるゲーム開発会社シング、破産申請の準備に入り倒産へ | ゲーム情報!ゲームのはなし
ゲームソフト開発ほか(福岡)/(株)シング:Net-IB|九州企業特報|データ・マックス
上記の上4つが任天堂販売、下のAGAINはテクモ、王様物語はマーベラスエンターテイメントが販売元ですね。自分も、上記の中ではDSのアナザーコードとウィッシュルームをプレイしており、どちらももう一つパンチが足りない印象はありましたが面白いゲームで、雰囲気も好きなゲームでした。
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上記は任天堂販売のものが多いですが、王様物語はマーベラスエンターテイメントが発売。ただ、このときはMMV側のプロデューサーが予約状況の悪さに嘆き、「まだ死にたくない」とコメントして物議を醸し出したこともありましたね。
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最近でも、ラストウィンドウというウィッシュルームの続編を出されており、任天堂ハードで貴重なADVを作ってくれる会社だと思っていただけに、今回の件は非常に残念です。任天堂もなんとかフォロー出来なかったものなんでしょうかね。
中小メーカーにとって厳しい時代
現状、ゲーム業界は本当厳しい状況になっているようですね。任天堂ハードでは家族向け、任天堂製ゲームに需要が集中、一方でHDゲーム機では開発費が増大し、大外れを避けるため大手ゲームメーカーの大作続編ゲームばかりになってきています。一部PS3でのアニメ調RPGや360のギャルゲ・シューティングといったオタク、固定客層向けの展開もありますが、これは濃い客層がついているからなんとかなっているところもあり、そうしたオタク要素のない純粋なゲームで中小メーカーというのは、非常に厳しい状況におかれているように思います。ゲーム購入者側もブランド志向が非常に強く、閉塞感がただよっているように感じますね。
こうした状況を打破しようと、iPhoneマーケットなどでいろいろ積極的な動きが見えるようですが、果たして打開策となるかどうか。DSiウェアやWiiウェア、XBLAにPSNといろいろ低価格で小規模ソフトを売り出す手はあるのですが、マーケティングの方とうまく連動がとれていないようにも感じます。店頭に並べられない、ということで宣伝効果が期待出来ないところもありますしね。
任天堂だけでなく、MSやソニーも、より多くのデベロッパーが活躍できる場の開拓を進めていただきたいものですね。来週からのGDC2010も開催されますが、こうした状況を打開するような新しい技術、戦略が見られたらいいな、と思います。