任天堂版FF?! Wii向け坂口氏新作RPG「ラストストーリー」発表〜ゼノシリーズ新作も

昨年は、タイトル不足に苦しんだ任天堂Wii。しかし、年末商戦はDS版の延長にあたるNewスーパーマリオWiiが記録的な大ヒットとなり、結果的に本体売上の底上げも図ることとなっていました。

そんな任天堂が相変わらず苦戦しているのは、従来ゲームファンの取り込み。いくつかゲームは出しているのですが、PS時代からのファンに向けたアピール力が弱く、新作タイトルを出しても惨敗する傾向が強くなっています。かといって、PS時代の続編を持ってきたからといってホイホイとついてきてくれるほどHDゲーム機が売れていない訳でもなく、こっち方面では結構手詰まり感が感じられていたところもあります。

そんな中、本日任天堂の中間決算報告会が開催され、いくつか任天堂から新作タイトルの発表がありました。

2010年1月29日(金) 第3四半期決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

上記の発表の中で、6,7ページ目でタイトルが発表されています。

DS ポケットモンスター新作
DS 黄金の太陽 新作
Wii XENOBLADE
Wii METROID OtherM
Wii ラストストーリー

どれも、任天堂本体でないセカンド的会社のソフトばかりですね。特にインパクトが大きいのは、FF生みの親坂口氏が率いるミストウォーカーとの共同開発「ラストストーリー」でしょうか。

FFを強く意識したタイトル「ラストストーリー

すでに、ラストストーリーのサイトもできており、タイトルロゴと曲を確認出来ます。

THE LAST STORY(ラストストーリー)

曲は落ち着いた感じでなかなかいいですね。雰囲気的に、ファイナルファンタジー(しかもSFCまでの)を強く意識している感じはします。昔、任天堂ファイアーエムブレムを作った加賀氏が任天堂を抜けてファイアーエムブレムっぽいタイトルをエンターブレインで出し、そのタイトルを巡っていざこざがあったわけですが、なんか今回はその逆に任天堂がFFのスタッフを使ってFF風のゲームを作っている感じがします。ロストオデッセイがMS版FFという感じでしたが、WiiではSDだけにもう少しディフォルメされた感じになっているのかもしれません。FF13が正直従来のFFファンにも微妙な評判なところだけに、本家坂口氏の作るFF風ゲームと言うのは、結構訴えかけるものがあるかもしれません。また、Wiiのユーザーはファミコン時代からの回帰組も多いので、うまくFFっぽさをアピールできれば、意外とヒットさせることもできるかも。

Wiiでの開発自体は、9月頃に若干HPの記事から漏れていたようです。

ネットは1日10時間 : ミストウォーカーはWii用のソフトを開発している?

ちなみに、商標自体は9月頃にはとられていた模様。

任天堂、謎のタイトル『ザ・ラスト・ストーリー』を国内で商標登録 - Game*Spark

また、ミストウォーカーのブログ(mistwalker)でも坂口氏が何回かハード不明としてゲームに付いて言及していました。それを「ゲーム情報!ゲームのはなし」さんのところでまとめられていた記事があったので紹介しておきます。

ミストウォーカーの新作は来年春頃に発表、タイトルは決定済み | ゲーム情報!ゲームのはなし

いろいろ、新しい取り組みを時間をかけて行っていた感じがしますね。WiiというSD機でどこまでそれが実現出きているのか、興味のあるところであります。しかし、坂口氏のXbox360向け新作RPGとして上記を期待していた人には、残念な発表だったかもしれません(もっとも、もう一本HD向けに同時開発している可能性もなくはないですけどね。)

いずれにせよ、FF生みの親として大きなネームバリューがあり、独立後もいろいろソフトを出しながら思ったような結果は上げられていないミストウォーカー。DSでのASHの失敗もあるだけに、今回任天堂との共同タイトルと言うことで、どの程度の結果を残すことができるか。ある意味正念場でしょう。

その他にもセカンドタイトル

その他のものとして、METROID OtherMはテクモTeamNinjaとの共同開発。さらにXENOBLADEはゼノシリーズを手がけたメンバーの新作となっています(モノリスは正式に任天堂に買収されているので、今はファースト扱いですけど)。ポケモン新作もインパクトがでかいですが、これらのセカンドを使った従来タイトル群も、「ゲームらしいゲーム」と呼ばれるところのラインナップに苦戦していた任天堂としては、ようやく弾の仕込みができてきたというところでしょうか。

今回の発表について、岩田社長は以下のように発言しています。

任天堂は、商品情報の鮮度を大切にしていますし、基本的に、今年年末の主軸タイトルは、6月に開催されるE3でお見せすることになると思いますが、今日は、今年発売するソフトの中から、いくつかをご紹介したいと思います。

2010年1月29日(金) 第3四半期決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内容全文

上記の発言を見る限り、ラストストーリーなどの発売も夏ごろまでには期待できるのかもしれません。どちらかというと、もっと早く出すつもりが開発が遅れてしまった形なのかもしれません。また、6月のE3ではさらに別のタイトルも発表されそうですね。

新型PS3の発売以降の爆発的な伸びと、従来ゲームのWiiでの振るわなさから、今後はWiiのソフトラインナップが貧弱になっていくのでは、と予想されていましたが、思ったよりも今後ソフトが増えてくるのかもしれません。とりあえず、6月のE3までの情報でWiiの市場性を判断するのは難しそうです。資金力もある分、今回のようなセカンド的な展開もありえますしね。

客層が分散し、混沌を極める今世代のゲーム機。果たして、今年はどういった動きが起きるのか。MSも有力タイトルを引っ張ることを画策していますし、PS3torneでゲーム以外のユーザー拡大を図っています。次世代の足音も聞こえる中、今後の各社戦略に注目ですね。