前作よりもやりごたえ大幅UP!〜「WiiSports Resort」レビュー

今年に入ってから、いまいち盛り上がりに欠けていたWii朧村正アークライズファンタジアなどの注目咲くも出ていましたが、PS2時代からあまりこうしたゲームはプレイしていなかったこともあり、自分はスルー。そのかわり、最近428を購入してプレイしています。これはこれで非常に面白いソフトですね。ただ、それ以外で特にWiiのソフトは購入しておらず、毎日WiiFitで体重計測のため起動するだけ、という感じになっていました。

そんなWiiにおいて、久しぶりに楽しみにしていたソフトが「WiiSports Resort」です。

Wiiスポーツ リゾート (「Wiiモーションプラス (シロ) 」1個同梱) Wiiモーションプラス (シロ) (「Wiiリモコンジャケット」同梱)

Wiiリモコンのこれまでの3軸加速度のみのおおざっぱな動き認識に、新たに角速度計をついかしたWiiモーションプラス。これが果たしてどの程度プレイ感覚の向上につながっているのか、実際に体験してみなければ分からないものだけに、楽しみにしていたわけです。

Amazonの初期の販売の時に油断していて注文できず、二次出荷分での注文だったため昨日到着。いやー、これは面白いですね。前作よりも1人でプレイしていても圧倒的にやり込み度があがった感じがします。一通りのメニューは体験した状態で感想を述べてみたいと思います。

最初にWiiモーションプラスの接続法説明〜※SDカード直接起動時に不具合有り

WiiSportsResortには、Wiiモーションプラスが付随されています。これの取り付け方がちょっとトリッキーということで、ゲームの初プレイ時に約3分の映像が流されます。ストラップをカバーの裏に通す、といったあたりが確かにわかりにくいところですね。分かってしまえばたいしたことは無いんですけど。

ちなみに、現在この紹介映像がWiiチャンネルでSD内のチャンネルを直接起動すると再度表示されてしまうバグがあるようです。

(NS) WiiSportsResortでスキップ不可ムービーが複数回再生される不具合

おそらく、本体のファームアップで対応される見込みのようですが、スキップ不可というのが痛いバグでしたね。自分も試してみましたが、たしかに再現性有り。本体にチャンネル実体がある場合はいいですが、SDカードにしかチャンネルがない状態だとだめのようです。(現時点で任天堂も認識しているとn-stylesさんのところには書かれていますが、公式の発表は見あたらず。)

自分は、いま無線LANルータが壊れていて、Wiiのオンラインファームアップが出来ないんですよね。自分の場合、これだとSDカード直接起動が当分できなくなります。不具合対応に定評がある任天堂ですし、オフライン環境の人向けにまたディスク交換なりの対策を打ち出してくれることを期待しましょう。(そもそも、こうした不具合を出さないようしっかりデバグしてから出してほしいものですが。HDD搭載しておらず、ゲームごとへのパッチも難しいWiiなんですし。)

スカイダイビングで島に降下〜多数のゲームを選択可能

さて、モーションプラス接続ムービーを見ると、いよいよゲームの開始。最初は、本体内のWiiキャラを使って、ウーフーアイランドにスカイダイビングにより降下。ここで最初にモーションプラスによる操作を体験できます。このあたりの流れは、E3で紹介されていた通りですね。そして、パラシュートが開いたタイミングで、WiiSports Resortのロゴ表示、そしてタイトル画面へ。このあたり、ちょっとした映画的演出でいいですね。

タイトル画面では、前作では4種類しかなかったゲームが、12種類も選ぶことが出来ます。そのうち、リモコン+モーションプラスだけでプレイできるのが9個。アーチェリー、マリンバイク、自転車の3種類がヌンチャクが必要。ヌンチャク接続時は、モーションプラス裏側のコネクタ部分のカバーをはずして装着する形。そのカバーも、コネクタ部分に固定できる仕組みがあって芸がこまかいですね。

以下、一通り遊んでみたものに対しての寸評をしてみたいと思います。

「チャンバラ」

まずはチャンバラから。これは、モーションプラスで加わった傾き検知を実に分かりやすく感じられるゲームですね。構えた動きと、画面内の剣の動きが綺麗にリンクしています。また、初期値の設定をすることで性能をあげており、最初に画面に向けて構えてAボタンを押す操作がそれにあたるようです。また、プレイ中に十字キーの下を押すことでも初期化できます。この手の手段がいろいろ用意されているのを見ると、それなりにズレが大きくなるってことなんでしょうね。社長が訊くで言っていた魔法の技術は、さすがにこれでは無いと思いますけど。

チャンバラでは、試合、居合い切り、組み手の3モード。試合と組み手では、相手の防御をうまくかわして攻撃することが必要となります。ガード中は結構斬り方を変えても防御されるイメージ。組み手モードはステージクリア型の通常ゲームっぽい作りで、なかなか燃えますね。ピンクと黒のキャラが中ボスクラスで、防御を巧みに使ってくるため、結構歯ごたえがあって面白いです。無双系ゲームの一つのモデルケースかもしれません。

ウェイクボード

つづいてはウェイクボード。これは、リモコンを横持ちで遊びます。船に引っ張られる状態で、船のおこした波を使ってジャンプ。トリックや着地での得点を競う競技です。

まず練習から始まるのですが、これがなかなか難しい。とくに、着地がなかなか綺麗にきまりませんね。水平にしないと行けないようですが、これが思ったようにいかず。あと、練習中は横持ちの影響かメッセージのスキップがオートになっており、Aボタンでのスキップが効きません。着地に失敗するたびにアドバイスが出るのですが、このメッセージが消えるまでに3秒ほど待たされるのが非常に鬱陶しかったです。配慮しすぎで逆に煩わしいという、MSがOfficeとかでたまにやらかすミスを犯している感じがしました。

実際のプレイでも、結構波乗りジャンプが難しい感じですね。また、ジャンプ後リモコンを動かすとトリックができるのですが、ちゃんと着地しないと得点になりません。結構難易度が高く、高得点を狙おうと思うとやり込み度が高そうな気がします。

「フリスビー」

フリスビーは、フリスビードッグとフリスビーゴルフの2モード。フリスビーを離すタイミングがオートとマニュアルの2種類が選べます。自分はオートでプレイしましたが、離す基準がいまいちよく分かりませんでした。加速度が一定度を超えたら、かな?思った以上に最初はスライスになってしまい、思った方向に投げられませんでしたが、徐々にまっすぐ投げられるようになり、面白くなってきた形です。
フリスビーゴルフはフリスビーを使ってゴルフをプレイ。3種類の距離の異なるフリスビーを使って、実際のゴルフのコースをまわります。最後のカップインは、グリーンのピン周辺の光っている部分上空にフリスビーがかかればゴール。遠くからでも直接カップインが狙える替わりに、すぐ近くでもそれてしまうと激しくオーバーしてしまうことも。距離感覚が非常に分かりにくい感じでした。

「アーチェリー」

アーチェリーは、右利きだとリモコンを左手で持ち、ヌンチャクを右で持ちます。操作は結構手順を踏み、まずはAボタンでセット。続いてヌンチャクをZボタンを押しながら後ろに引くことで弦を引き絞ります。そして、その状態で表示される○と的とを見比べながら、Zボタンを放すと矢を発射。的までの距離、そして風の計算が結構重要になってきます。

ゲーム的には、マリオ&ソニックのアーチェリーも似たような操作だったので、それほど目新しさは無かったですね。Wiiモーションプラスならでは、というポイントはどこだったのか、ちょっと分かりにくい感じがしました。

「バスケットボール」

バスケットボールは、スリーポイントと試合の2種類。スリーポイントはBボタンでボタン受け取り、リモコン振り上げでジャンプ、そしてリモコンの振りで最後スロー。この流れをかなりスムーズにやらないと高得点は狙えません。というか、全部の球を投げるだけでも結構大変かも。個人的にBボタンで最初のボールを獲るところがいまいちしっくり来ませんでした。ただ、高得点獲るために繰り返しプレイ。結構はまります。

試合の方は、3on3なのですが、結構微妙。攻撃の時はドリブルの操作で相手を抜けるのですが、なにをやるとうまくいくのかよく分かりません。多少遠くてもリモコン振り上げればジャンプショットしてしまいますし。防御の時は相手のドリブルの動きを見ながらAボタンでボールを奪い、相手がシュートしてきたらリモコン振り上げでジャンプ。試合という割にやることはこれだけですので、なんか中途半端な感じでしたね。

「ピンポン」

ピンポンは、試合と連続リターン。いろいろボールの球筋をスイングの仕方で変えることができますが、単純にラリーとして見るとそれほど影響がないかな?本当の卓球みたいに、相手のスピン方向にあわせて打ち方を変えないと行けないとか、そういうものもありませんし、ボールも自動的に拾いに行ってくれますし。連続リターンをやると分かりますが、結局タイミングだけのような。左右反転時の誤爆は今回もありますし、旧作テニスとの違いがそこまで明確にはつたわってきませんでした。

「ゴルフ」

前作からあったゴルフは、コースが18コースプレイが可能になり、リゾートとクラシックのコースが用意。また、プレイの時はまず下に構えてBボタンを押すと、リモコンの初期位置が決定されます。手首のひねりの基準位置もそこで。そこから振り幅で距離を決め、最後初期位置との差分でフック、スライスが決まります。これは、結構リアル。油断すると、簡単にスライスしてしまいます。腰をひねって振り上げ、払うようにリモコンを前に出さないと、なかなかまっすぐ飛びませんでした。ただ、強く振ると球がぶれるのは今回も健在。かなり力をついて振らないと、この振りすぎ制限に引っかかってしまう感じです。まあ、実際のゴルフも力むとだふったりしますし、この振りすぎの指標も実はいいレッスンになるのかもしれませんね。

「ボウリング」

こちらも前作からあったボウリング。今度は手首の角度とかがより細かく反映されたり、歩き出す進み方がちゃんと腕の振りに連動したりしていたりします。ただ、自分の場合前作では結構うまく曲げられていたのですが、同じ振り方だとなかなか曲がらず。ボーリングは家族と一緒にやりこんでいただけに、違和感を感じたところがあります。他の人がどう感じるか、ですね。

100ピンボーリングも10レーン通して遊べるように。ピン数が多いだけに、スペアを取れるかどうかの差がスコアにもろにひびきますね。

マリンバイク

マリンバイクは、「リングくぐり」と「対戦」。これはヌンチャクも使用したプレイになります。ヌンチャクとリモコンを水平、もしくはハの字に持ってプレイ。リモコンの傾きで左右の旋回、そしてリモコンのひねりでアクセル全開となって加速します。リモコンのところが、単なるブースト機能程度でしか使われていないのがちょっと微妙かな?操縦は微妙なターンは比較的簡単ですが、急に方向を変えると操縦しづらくなります。このあたりは、普通のレースゲームっぽいですかね。オートバイゲームにも応用できそうな操作系です。ただ、手を前に出してプレイするだけに結構疲れます。ハの字で楽な姿勢で、とアドバイスされますが、それだとうまく操作できなかったので、長時間はちょっとつらいですかね。

「カヌー」

カヌーは、リモコンを使ってオールの操作をすることで進みます。左右交互に繰り出すと比較的安定し、加速していく感覚が気持ちいいです。ターンするときは一方の側だけ繰り返しこぐ形で。水上の樽や藻などにあたるとスピードが落ちますので、コース取りを気にしながら進むのがコツ。プレイ後の残りタイムで、次回のゴール位置がきまるので、次々と自分の能力にあわせてプレイできるのが面白かったです。

「自転車」

自転車は、リモコンとヌンチャクを使用。交互に振ることでペダルをこぎます。連続で振るとスパート状態になり、体力が減少。他人の後ろに入って走るなどの工夫が必要となります。リモコンを左右に傾けると走る方向がかわりますが、それほど極端に方向は変わらず。コースアウトする場所も結構限られている印象でした。これは全般的に、モーションプラスならではという感じはしませんでしたね。むしろ、横に持って手でペダルを回すようにした方が面白かったかも。

「スカイレジャー」

最後はスカイレジャー。これは、リモコンを使って空中遊泳を楽しむことができます。舞台となるのはウーフーアイランド全体。そのいろいろな箇所に名所ポイントが存在し、近づくと情報が取得され、マーカーのところを通過すると、マップに記録されていきます。狭い洞窟の中にマーカーが合ったりして、探索するのは結構楽しいですね。マーカーを集めると風船割りなども挑戦できるようになり、これはこれでいろいろやり込み度が高そうです。

まとめ〜充実したゲームモードで楽しめる作品

以上、各ゲームに対して駆け足で触れてきましたが、どれも結構作り込まれており、やりごたえがありますね。前作は1人でプレイしていてもあまり槍混むところは無かった気もするのですが、今回はモーションプラスで微妙な動きが取れるようになった分、微妙な違い、攻略法の変化などが感じられ、やりがいがあります。チャンバラの組み手、バスケットのスリーポイント、カヌーなんかは思わず何時間もやりこんでしまい、またWii肉痛が発生してしまいましたw。

「ゲームらしいゲーム」が少ないと言われるWiiですが、今回のWiiSportsResortは、これぞまさしく「ゲームらしいゲーム」ですね(もっとも、アニメキャラ、イケメンキャラが出るタイプのゲームではないので、そういったものを「ゲームらしいゲーム」の定義に含めるようだと違ってきますが)。前作の続編という形で、似たような続編は単純には売れないDSやWiiの傾向を見るといきなりのミリオン、ダブルミリオンというのは厳しいとは思いますが、内容はよくできているように思います。(ただでさえ追加周辺機器をつけたゲームで売ることが難しい条件ですしね。)

とはいえ、モーションプラスによるゲームの広がりにつながるよう、売上にも期待したいところです。理想的にはDSiのように、どこかの段階でWii本体自体のバージョンアップをしてWiiモーションプラス付きのリモコンを標準にしてほしいですね。もしくは、Vistaの優待キャンペーンのように、これからWiiを買う人にはモーションプラスが1個ついてくるとか、クラブニンテンドーのポイントでプレゼントするとかでもいいかもしれません。通常のゲームのマンネリ感が激しい昨今ですので、いいきっかけになってくれるといいですね。