海外でPC版ストリートファイターIVとパッドのセット販売

先日、過去最高の売上となる昨年度業績を発表したカプコン

カプコン:過去最高の売上高918億円 「バイオ5」「スト4」ミリオンヒットで 09年3月期決算(まんたんウェブ) - 毎日jp(毎日新聞)

世界市場でも通じるソフトをPS3Xbox360とマルチで展開、PSP復権の立役者になったMHPなど、ソフトごとの適正を見て特定のプラットホームに固執することなく自社のIPを有効活用できている好例ですね。今年度も、360でのロストプラネットWiiでのモンハン3など、多方面への展開が予定されています。

さて、そんなカプコン好調の1つとなったソフトがPS3Xbox360で発売されたストリートファイターIV

ストリートファイターIV(特典なし) - PS3 ストリートファイターIV(特典なし) - Xbox360 ストリートファイターIV スティック ストリートファイターIV スティック

本ソフトに併せてスティックタイプのコントローラはHORIから発売されていましたが、海外ではセガサターンの風パッドコントローラも発売されていました。

セガサターン風ストIV仕様のパッドが海外で発売〜PS3・Xbox360共 - わぱのつれづれ日記

このMad Catz製のパッドコントローラ、海外で今度発売されるPC版ではパッドとの同梱版の発売が行われるようです。

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ソフトとパッド付きで$59.99と、なかなかお買い得な値段ですね。

日本でも要望が多数上がってこれば販売可能?

このパッド、日本でも反響は結構あり、先日のファミ通の360イベントでもカプコンストIVプロデューサーである小野氏に要望として上がっており、その場でのプロデューサーの返答は以下のようなものでした。

――6ボタンパッドを出してほしい。
小野 要望があれば、ぜひとも出してほしいです。『ストリートファイターIV』自体もユーザーの皆さんの要望に応える形で実現したものです。ユーザーあってのツールなので、ぜひともカプコンに届く形で声を上げてほしい。そうしたら僕も担当部署に「こんな要望が来ています!」って伝えます。

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上記のファミ通記事では書き起こしてませんが、実際の放送の時には小野氏が直接Mad Catz社の名前を挙げていて、「某H社に配慮して」みたいなコメントもしていました。どうやら、国内でのコントローラとしての周辺機器展開では、HORIが相当大きな影響力を持っているようですね。NIKOやMediaCatzといった、海外有力周辺機器メーカーの製品が国内でなかなか流通されないのは、もしかしたらその辺の理由もあるんでしょうかね?もっとも、パッドについては単純に、数が出る保証がないこともネックになっているようでしたが。たしかに、格闘ゲームは日本ではかなりマニアゲームになってしまっていますからね。ただ、SFC時代のストIIセガサターンでのヴァンパイアなどをパッドでやりこんだユーザーもそれなりにいる気もするんですけどね。

日本のゲーマー市場拡大が必要

ここ数年の国内ゲーマー向け市場は、世界的に見て非常に狭い市場となっています。なおかつ海外ではあまり人気のないアニメ・漫画調ゲームが強く、FPSが受け入れられないなど特殊性が高い市場となっており、どうしても世界を見据えた企業では日本市場を軽視しがちです。大企業ほど、会社規模が大きすぎて国内販売だけで社員をまかなえなくなってきている出しょうからね。SCE任天堂といったファーストの日本企業ですら、その傾向はうかがえます。現状では、今回のようなニッチな商品は、ある程度企業側にもうけ度外視をして出して頂くしかない状況でしょうね。

一方で、現状に不満のあるゲーマー側も、ある程度声を発したり、周りを巻き込んでいくなどの行動はできるのかもしれません。ネットで最近、WiiやDS市場の失速をゲーマー視点で嘲笑するような論調を見かけたりしますが、Xbox360PS3でも格別新規ゲーマー層が増えるような展開は見られておらず、日本のゲーム市場という視点で見ると楽観できる状況では無いでしょう。どの業界でも、ライトで数を売って稼げるからこそ、マニアックなゲームを出していく余裕も出てくる訳ですしね。任天堂のこれまでの成功は一つのゲーム市場拡大の光明だったわけで、その取り組みがしぼんでいき、元のコアゲーマーだけが残っていくことを喜ぶのは、かなり退廃的な喜びのように思えます。

まあ、アニメのように「コアな少数の人たちからいかに多額のお金を巻き上げるか」、というやり方も確かにありなのですが、そうしたコンテンツになり得るのはどうしても限られています。ゲームだとガストやIFなどはそうした固定ファン向け商法ですね。アイマスDLCも似た路線ですが、やはり全部が全部固定客向けを狙ってもレッドオーシャン化するだけでうまくは行かないでしょう。MMOが廃ゲーマー狙いで多数乱立しても、一握りの定番ソフトしか成功していないのもその例のように思います。あくまで狭い市場での生き残り策であり、前向きな解決方法にはなっていないのではないでしょうか。

とりあえず、各メーカーにはゲーマー人口を増やす取り組みを積極的に行って、国内市場のビジネス規模を拡大するような努力をしていって欲しいところです。据置ゲームでも、MHP的な人口拡大につながるキラータイトルの登場が望まれるところですね。一方ゲーマーの人たちも、WiiとかDSで入ってきた新しい人たちを毛嫌いしたり、ゲームから離れていくのをただ笑って見ているだけでは、遠回しに自分のやりたいソフトを出してくれる可能性を狭めていることになると思います。抵抗感の少ないレベルでゲームの話をしてみるとか、もう少し仲の良い友達なら対戦にさそってみるとか、そういったゲーマー人口の広がりにつながる行動が草の根レベルでできると、日本市場ももっと好転するのかもしれませんね。