PS3でアトリエシリーズ最新作「ロロナのアトリエ」発売決定〜6/25発売

2月から3月にかけて、龍が如く3バイオハザード5無双OROCHI ZとPS時代の有名タイトルの続編が連続してリリースされ、いずれもスマッシュヒットを記録し調子の良いPS3

龍が如く3 - PS3 バイオハザード5 - PS3 無双OROCHI Z - PS3

一方で、年度末を迎え、徐々に来年度に向けたソフトの発表も始まってきています。そんな中、PS3向けタイトルが3本まとめて発表され、話題になっています。

"仲間とともに戦う"ガンダムゲーム登場!〜この戦いはひとりじゃない『機動戦士ガンダム戦記』 - ファミ通.com
『ロロナのアトリエ 〜アーランドの錬金術士〜』最新作はプレイステーション3で登場 - ファミ通.com
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ガンダム戦記はPS2版の発展版、NINJA GAIDEN Σ2はXbox360版の移植となっています。今回はこの中から、ロロナのアトリエについて取り上げてみたいと思います。

PS時代から続くアトリエシリーズ最新作

今回発表された、アトリエシリーズの最新作である「ロロナのアトリエ」。
ロロナのアトリエ〜アーランドの錬金術士〜

ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術師~(通常版) - PS3

ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術師~(通常版) - PS3

PS時代の「マリーのアトリエ」や「エリーのアトリエ」など、結構な人気を博したシリーズですね。自分はプレイしたことはないのですが、その柔らかい絵柄や暖かみのあるファンタジー観は好みでした。個人的に「ミニ四ファイター」の頃から好きな越智善彦氏のマンガなども好きでしたね。

その後、シリーズはキャラデザが変わったり、プラットホームを変えたりしていろいろと展開。最近はDSで展開されていました。Wikipediaで見ると、なかなか圧巻です。

アトリエシリーズ - Wikipedia

その最新作が、いよいよHDゲーム機に登場ということで、注目されます。特にファミ通では大量のスクリーンショットを公開していますね。3Dのモデルはトゥーンシェイドで、キャラの造形は2D版のイメージよりもかなり幼くなっています。というか、ほとんど別人ですね。まあでも、これはこれで有りなんじゃないでしょうか?

PS3ユーザーに即したタイトル

今回の「ロロナのアトリエ」は、ミリオンセラーを狙えるような大作ではありませんが、根強い人気を持つタイトル。そして、こうしたアニメ調のファンタジーな世界のゲームというのは、PS時代に特に好まれたジャンルでもあります。最近ではJRPG群がXbox360で矢継ぎ早にリリースされ、本来こうしたタイトル群を期待していたPS3ユーザーにとっては残念な展開になっていたのかもしれませんが、アトリエシリーズのようなタイトルがPS3でリリースされるということは、PS3ユーザーにとって期待の持てる展開になったと思います。

世界市場を見据え、大金を注ぎ込んで作成するタイトルは基本マルチになると思いますが、会社の規模やジャンルによっては国内だけで勝負せざるを得ないものも存在します。アトリエシリーズなどは、DSやPSPの方が利益的には安定しそうだとは思いますが、HDゲームでこうしたジャンルのゲームがどのように進化するか、期待していたファンも多いでしょう。

Xbox360の場合は前世代が日本で爆死でしたし、はじめから洋ゲー特化なことを承知で、主流ハードになるとは思わず買ったユーザも多いでしょう。最近の売れ行き増加も、純粋に「やりたいソフトが出ているから」買った人が多く、今後全てのゲームがXbox360に集まってくると考えている人はそれほどいないと思われます(期待はしているでしょうが)。一方、PS3の場合は純粋に欲しいソフトが出ているから買った人がいる一方で、これまでの流れで「PS2時代のゲームがたくさん集まる」という期待感で買った人も多いと思われます。ですので、このアトリエのようなゲームに対する飢え・購買意欲は、PS3ユーザーの方が高いのではないでしょうか?

厳しいHDゲームでのビジネスモデル 〜 利益と質の両立なるか

ただ、Xbox360と比較すればだいぶましですが、PS3もまだ十分普及しているとは言えず、PS2時代のように客層が固まっている状態ではありません。さらに、元々の客の中にはすでに家庭などを持ってこうしたゲームを卒業してしまった人もいることでしょう。また、PS2時代と比較すればどうしても開発費・開発期間は長くなる方向に進んでしまいます。

こうした中で利益を上げるには徹底した開発コストの削減、新規顧客の獲得などの企業努力が必要となります。かといって単純にボリュームを落としたり、調整不足のままリリースしては、従来からのファンの厳しい批判にさらされることになります。人気シリーズというものは、どうしても過去の美化された記憶と比較されてしまいますからね。そうした意味で、ガストにとっては高いハードルと言えるでしょう。このあたりを、ファーストであるSCEがどの程度フォローできるかが、「PS3で国内市場のみ」という展開の利益構造を決めていくことになると思われます。うまく行かないようであると、中小ゲームメーカーにはHDゲームでの展開が難しくなってくるように思います。

個人的には、PSからPS2への移行で2Dから3Dに変更し、ストーリーやキャラはよかったものの激長のロード時間など、ソフトの作りそのものの出来が悪くてシリーズが止まってしまった、ポポロクロイスという苦い思い出もあります。この「ロロナのアトリエ」は、そうした悪夢を繰り返さないよう、なんとか頑張ってほしいですね。PS3ユーザーでアトリエシリーズをやったことの無い人もうまく巻き込み、利益を生める展開になればいいですね。