北米NPD、1月のゲーム販売結果を発表〜好調を維持する任天堂陣営

世界的不況の引き金ともなっている北米市場において、昨年のホリデーシーズンの売上ではWii・DSの躍進が目立ち、不況の影響を感じさせない売上を見せていました。

北米NPD、12月のゲーム販売結果を発表〜DSは月販300万台、Wiiも連続200万台 - わぱのつれづれ日記
北米NPD11月ゲーム販売結果が判明〜Wiiは1ヶ月で200万台を販売 - わぱのつれづれ日記

その北米の1月の売上について、NPDからの発表があったので紹介してみたいと思います。

January NPD: Industry up 13% over Jan. '08, handhelds down 80% from Dec. - Joystiq
January NPD: Lord of the Rings Squeaks One Out | Game | Life from Wired.com

12月比では大きな落ち込み〜Wiiが売上首位に返り咲き

前回のエントリと同一の形式で、まずは1月の販売台数と、12月との比の紹介から。

機種 販売台数 先月差 (比)
Wii 67.9万 -147万 (-68%)
DS 51.1万 -250万 (-82%)
Xbox360 30.9万 -110万 (-76%)
PS3 20.3万 -52.3万 (-72%)
PSP 17.2万 -84.8万 (-83%)
PS2 10.1万 -30.9万 (-75%)

さすがに年末の商戦期を過ぎただけに、各陣営大幅な落ち込みを見せていますね。この中で80%以上の落ち込みを見せているのがDSとPSPの携帯機。一方、唯一70%以下の落ち込みとなっているのがWiiとなっています。結果的に、11月度に続いてゲーム機月間売上首位の座にWiiが返り咲いた形ですね。台数的にはWii≒(PS3PS2Xbox360)って感じですね。

2008年1月との比較〜目立つWii・DSの躍進とPS陣営の後退

つづいて、昨年の同月比との比較です。昨年のデータは以下のページを参考。

January NPD: PS3 and PS2 top 360, everyone down for the month - Joystiq

機種 09年1月 08年1月 (昨年比)
Wii 67.9万 27.4万 (248%)
DS 51.1万 25.1万 (204%)
Xbox360 30.9万 23万 (134%)
PS3 20.3万 26.9万 (74%)
PSP 17.2万 23万 (75%)
PS2 10.1万 26.4万 (38%)

昨年比のデータだけを11月、12月、1月と並べると以下の通り。

機種 11月 12月 1月
Wii 208% 159% 248%
DS 103% 123% 204%
Xbox360 109% 114% 134%
PS3 81% 91% 74%
PSP 74% 96% 75%
PS2 42% 37% 38%

大きな傾向自体は先月、先々月と変わってませんが、Wii・DSの昨年比がさらに上がり、PS3PSPPSPがさらに昨年比が下がっている形。Xbox360は値下げの効果もあってか、増加を維持している形ですね。ただ、アーケードをWii以下の価格設定にしてもこれというのは、MSの見込みと比べてどうなんでしょうね。

ソフトもWii・DSの定番ものが圧倒

ソフト売上については以下の通り。

1. Wii Fit w/ balance board Wii Nintendo 77.7万
2. Wii Play w/ remote Wii Nintendo 41.5万
3. Mario Kart Wii w/ wheel Wii Nintendo 29.2万
4. Left 4 Dead Xbox 360 Electronic Arts 24.3万
5. Call of Duty: World at War Xbox 360 Activision 23.5万
6. Skate 2 Xbox 360 Electronic Arts 19.9万
7. Guitar Hero: World Tour Wii Activision 15.5万
8. New Super Mario Bros. DS Nintendo 13.5万
9. Mario Kart DS Nintendo 13.2万
10. Lord of the Rings: Conquest Xbox 360 Electronic Arts 11.3万

本体がWii/DSが伸びを見せる分、WiiとDSの定番ソフトが上位を占めていますね。ちょっと前の日本のランキングを見ているようです。本体が伸びるのと合わせて定番ソフトがずっと売れ続けていく、という傾向は北米でも共通ですね。

一方、本体の傾向と合わせるようにPS陣営のソフトは無し(※)。また、新作ソフトとしてもSkate2とLoad of the Ringsだけということで、従来のコア向けゲームが苦しんでいるのは北米も同様の傾向を示しているようです。(※ソースによってはLoad of the RingsがPS3と表記されているものがあるようです。)

今後の展開は?

以上、ざっと見てきましたが、なんだか少し前の日本と似たような傾向を見せている感じですね。日本では、WiiやDSのバブルも一段落して来た分、市場拡大を狙うか、狭く深くやるかの判断が迫られてきているところもありますが、海外ではまだカジュアル路線の広がりが強そうです。

こうなると、苦しいのはコア向けゲームですかね。日本だけでなく、海外でもHDゲームがビジネス的に苦しんでいることがいろいろ聞こえてきているだけに、いよいよ市場が狭くなってきた感じ。Wiiでもコア向けゲームがあまり売れていませんからね。

カジュアル層は飽きるのも早く、最終的にはコア層が残るのかもしれませんが、その残ったコア層自体が減退傾向にあるのでは、ゲームメーカーもいままで通りのソフト販売計画ではやっていけないでしょう。ラインナップを絞るか、費用を落とすか、それともカジュアル層に打って出るか。PS2時代のようなゲームがたくさん出てくるのを望んでいる方々には、歯がゆい展開が今後も続くかもしれませんね。

日本で起きたことは海外にも遅れて伝わる傾向がありますが、市場規模は今や世界が圧倒的。この規模の差と時間差が、日本のメーカーにとってはいびつでもあり、またチャンスなのかもしれませんね。