Xbox360大幅値下げ正式発表〜「2万円以下のHDゲーム機」実現

先日エントリでとりあげたXbox360の値下げ&60GB通常版について。

噂:Xbox360通常版が値下げ&HDD 60GBで9/11に発売?!〜通販サイトで予約ページ登場 - わぱのつれづれ日記

これについて、正式な発表が本日開催された「Xbox 360 Media Briefing 2008」で行われました。

Xbox 360が値下げ。「アーケード」モデルは2万円を切る価格に
「何かが起き始めた」――Xbox 360、“値下げ+国産の大作”で年末商戦へ攻勢 - ITmedia News

プレスリリースはこちらになります。
マイクロソフト、日本市場に向けた Xbox 360® の年末商戦施策を発表 - Xbox.com | COMPANY - プレスリリース

具体的には、事前に出ていた情報通り。以下のような値下げとなります。

モデル 旧価格 新価格 差額 備考
Xbox360アーケード 27,800 19,800 -8000
Xbox360通常版 34,800 29,800 -5000 20GB→60GB
Xbox360エリート 47,800 39,800 -8000

値下げはアーケードとエリートが8000円。通常版は5000円の値下げですがHDDが3倍の60GBに。価格は全て*9,800円と、非常に分かりやすい価格になりましたね。これだけ苦戦続きだったXbox360ですが、何気に通常版は価格自体は初の値下げだったりするんですよね。←2回目でした。

ビジネス的なインパクトがあるネタだけに、一般マスコミでもニュースになっています。

asahi.com(朝日新聞社):「XBox360」値下げへ 最安機は2万円以下 - ビジネス
マイクロソフト:「Xbox360」5千〜8千円値下げ - 毎日jp(毎日新聞)
NIKKEI NET(日経ネット):企業ニュース−企業の事業戦略、合併や提携から決算や人事まで速報

以下、今回の報道で興味を持った人もいることでしょうから、各モデルについてその特徴などに触れながら紹介してみたいと思います。

HDDインストールも見据え、絶妙な容量の「Xbox360通常版」

まずは、品薄が続き、今回モデルチェンジとなった通常版。

従来の通常版からの違いはHDD容量のみ。20GBから60GBへと、容量が3倍になっています。この60GBという容量、PCなどを使用している人からしてみれば少ない容量だと思います。ただ、今回の発表で日本での展開も正式にアナウンスされたHDDインストールを考えると、この容量は結構絶妙な容量と言えるでしょう。

これまでの20GB版では、初期状態で7GBほどキャッシュ容量などで確保されており、空き容量は13GBほど。HDDインストールではDVDイメージを丸々取り込むため、1ゲームディスクあたり5GB前後の容量が必要と言われています(GTAIVの場合で約7GBぐらいの模様)。そう考えると、20GB版では他に何も体験版など落としていない状態でも2ディスク分入れるのが限度。これだと、あまりゲームを持っていないライト層でも不便を来す容量です。

それに対して、60GBあればとりあえずゲームディスクを5〜6枚インストールすることができます。これでしたら、現在プレイ中のゲームをHDDにイメージ化しておき、足りなくなったら消して入れ替え、という運用が比較的現実的になります。同時期に5種類以上のゲームをやっている人はそうはいないでしょうしね。そう言った意味では、60GBというのはなかなか絶妙な容量ではないかと思います。

Xbox360の魅力であるDLC、ほとんどのゲームにある体験版などを買ってすぐに堪能できる意味でも、やはり「通常版」は安心感があるといったところでしょうか。D端子接続でもHDMIと比べて大幅に画質劣化することはないので、「Xbox360が欲しい」という意味では第一候補にあるモデルと言えるでしょう。

2万円以下で魅力の増した「Xbox360アーケード」

続いて、2万円切りで俄然魅力の増したXbox360アーケード。

Xbox 360 アーケード (HDMI端子搭載) 【メーカー生産終了】

Xbox 360 アーケード (HDMI端子搭載) 【メーカー生産終了】

やはり「イチキュッパ」という価格のインパクトはなかなか大きいですね。Wiiの25000円よりも5000円安く、Wiiの内蔵フラッシュと比べて同容量半分の容量の256MBメモリユニットがついてHD解像度な訳ですしね。2万円を切ったというのは、やはり見た目にも印象がだいぶ変わって見えます。

また、人によっては他のモデルよりもおすすめなところがあります。特に、「とりあえずHDゲームをプレイできればいい」という人。「テイルズオブヴェスペリア」や「インフィニットアンディスカバリー」など、これからのRPGをプレイできることがまず第一という人には、このアーケードを買うだけでメモリーユニットも付いてきますしお薦めです。体験版などが落とせないデメリットはありますが、メモリーユニットを使ったいわゆるPS2的なプレイが出来るので、安価にHDの和ゲーを楽しみたい現行のPS2ユーザーには魅力的ではないでしょうか?

HD画質で遊ぶにはケーブルを別途購入する必要はありますが、特にHDMI付きTVを持っている人であれば別の安いHDMIケーブルを購入して利用することも可能。また今秋のHDDインストールが来たとしても、HDDを別途購入すれば対応できますし、120GBHDDも若干値下げされたので、後から買い足したとしてもXbox360エリートよりそれほど割高とはなりません。

Xbox 360 ハードディスク(120GB)

Xbox 360 ハードディスク(120GB)

ヘッドセットや専用HDMI AVケーブルなどがいらないのであれば、むしろ割安かもしれませんね(アーケード+120GBHDDで35,500円、3000円以下のHDMIケーブルを買った場合)。本体は白がいい&大容量HDDが欲しい場合もアーケード+120GBという組み合わせがいいかもしれません。あと、VGAケーブルでPC用ディスプレイに繋ぐ人にもいいかもしれませんね。

ちなみにAmazonでは、価格改定の9/11を前倒しですでに18,810円で販売している模様(もっとも在庫切れなので結局届くのは9/11という可能性もありますけどね)。以前のコアシステムと混同されやすいですが、アーケードではコントローラもワイヤレス、さらにUNOなどのゲームも5本付いてきます。その気になれば後からHDDなども追加できるだけに、個人的にはなかなかお薦めのモデルになったように思います。

HDMI+大容量HDDでPS3と同価格な「Xbox360エリート」

そして最後はXbox360エリート。

120GBのHDD、別途音声出力も可能な専用HDMI AVケーブル、ヘッドセットもついたフルセットモデル、という感じですね(リモコンが無いですけど)。XboxLiveで積極的にゲームをやりこむつもりのゲーマーで、HDMI付きTVを持っている人にはお買い得。色が黒なのも、好きな人は選択のポイントとなるでしょう。ただ、逆にヘッドセットやHDMIなどは別途購入でもいいや、という人だと前記のアーケードでもいいでしょうし、HDDも120GBも使い切れないというのでしたら通常版でもよいでしょう。そう言う意味では、若干おすすめ購入者が限られるモデルかもしれません。

ただ、それでもゲーム機能的にフルスペックでPS3 40GB版と同価格というのもよくよく考えるとなかなかのものです。PS3はBD、無線LANという追加要素があり、AV機能としては優れていますが、ゲーマーという視点からすると必須ではないかもしれないですからね。

「ポストPS2」を目指して挽回なるか

現状、Xbox360は日本では3年半約2年9ヶ月で未だ70万台以下と、大失敗のレベルに入る販売台数となっています。ただ、その割にはソフトはそろってきていますし、HDゲーム機として2万円を切る価格帯にも入ってきました。ある意味珍しい展開を見せていますよね。PSPがAV機能+モンスターハンターポータブルで復活した例がありますが、Xbox360は純粋にゲーム部分の充実でじわじわ伸びを見せているところが面白いところです。

元々、Xbox360は先代の大失敗を受けて最悪のブランドイメージを持った状態で始まりました。特にRPG不足やHDD標準搭載でコストを抑えられなかったことを反省し、HDD無しモデルやRPGの勧誘など、徹底して「ポストPS2」を意識した戦略を取っていたように思います。結果的に、PS2市場自体がしぼんでおり、そのさらにごく一部を取り入れたにすぎないため現在の失敗があるのでしょう。

ただ、現状PS2のソフトが結構な売れ行きを見せるところを見ても、まだPS2にはそれなりのユーザーが残っています。こうした層をもう少しうまく移行させることができれば、また違った展開も見せてくるのではないでしょうか?

悪いイメージの改善には今秋の大規模アップデートを待つ必要はあるとは思いますが、まずはこの大幅値下げ+新モデルでどこまで調子を上向きにできるか、見所です。