「Xbox360の日本での復権」に関するMSシェーン氏の発言
コアなゲームがそろい、グラフィックも1万高いPS3と同等の性能を見せているXbox360。ただ、先代のイメージの悪さ、知名度の無さ、目立つ騒音など、様々な要因があって日本では未だに60万台程度と、とても成功しているとは言えない状態にあります。
そんな状況にあるXbox360で、他の陣営を上回るような逆転の一手というのは正直ほとんど思い浮かばないところがあります。ソフト関係で効果がありそうなのは、PS・SSの対決に終止符を打った「DQとFFの独占」ぐらいか、と思いもしましたが、すでにDSでDQIXが発売予定となっているため、今世代の据置ゲーム機ではFF&DQ独占という話はおこりません。残ったFF13はPS3独占な訳ですが、これについてMS Game Studioのシェーン・キム氏が面白い発言をしたようです。
ファイナルファンタジーのXbox 360 独占販売には大きなリスク Microsoft Game Studio シェーン・キム氏 - XNEWS
インタビューの中でのいろいろな発言の一つのようですが、「例えFF13を金銭でXbox360独占としたとしても、日本でXbox360が挽回できる補償は無い」という趣旨の発言をしたそうです。単純に、FF13そのものを買わなくなる可能性がある、と。
FF13を独占しても勝てない?
これは、「まあ、確かにそうかもね」と思う分析ではあります。FF13は正式ナンバリングということで大きな影響力はあるとは思いますが、現状いいイメージの無いXbox360を新規購入させるというのは、結構高いハードルでしょうから。正直、現時点でXbox360を買っている人は、ある程度現在の悲惨な状態を把握した上で買っていると思うんですよね。「No.1にはなれないけど、自分好みのゲームはいろいろ遊べる」という割り切りを持って購入しているのでは無いでしょうか?
それに対して、FFを買うような層はどちらかというとライトなゲーマーのような気がします。「定番だから買う」「ずっとやってきたから買う」といった、流れを受けた購入が多いのではないでしょうか?そういった人たちは、たとえFFというタイトルであっても、わざわざ「負けハード」なイメージがあるハードに手を出すかというと、確かに考えづらいところもあります。
ただ、MSの上層部がわざわざ発言することでも無いように感じますけどね。要するにこの発言は、「FF13はそこまでキラーになり得ない」と言っているようなものですし。また、日本でのXbox360復権を願うユーザーにも「日本市場はやる気ないんだ」という失望感を与えかねませんので。
まずは海外市場から
とはいえ、まずは欧米市場から勝負していくという戦略自体は、現時点では理にかなっているとは感じます。Xbox360はPS3に比べて開発がしやすく、またマルチにおいてもグラフィックが優位になるケースがちょくちょくあります。Xbox360のインストールベースを増やしていくことで、ソフトがマルチとしてもどんどん集まってきますからね。日本のメーカーも昨今は海外志向が強いですし、海外で勝負するならばXbox360をはずせないとなれば、自然と国内Xbox360のソフトも充実してくるわけですから。
PS3マルチばかりでは、Xbox360の新規ユーザーはあまり増えないでしょうが、とりあえず現行のXbox360ユーザーからしてみればとにかくソフトが増えればマルチだろうがなんだろうが関係ないですしね。
日本でPS3をXbox360が逆転できるのは、おそらくPS3が撤退するぐらいのことが無いと起こらないでしょう。ただ、すでに海外で確固たる地位を築いているだけに、ソフト供給はある程度期待できます。あとは、商売が成り立つ程度のコアなゲーマーを確保し続けられるかどうか、という感じでしょうか。メジャーにはなれないでしょうけど、一Xbox360ユーザーとしてはそんな感じでなんとか今世代は乗り切ってほしいところです。