PS3にYouTubeへのゲーム動画投稿機能追加〜「まいにちいっしょ」が対応

Cellによる高い処理能力を持ったPS3。その能力を使って、高品質なDVDアップコンバートなど付加機能を実現していますが、ゲームではまだCellフル活用という感じのソフトも出ておらず(MGS4が使い切っているそうですが)、他にも活用が期待されるところでもあります。

そんなPS3ファームアップごとにいろいろな機能が追加されてデジモノ好きに喜ばれているわけですが、今回新たにゲームと連動した面白い機能が追加されたようです。

PS3にゲーム動画のYouTubeアップロード機能が追加

今回追加された機能は、ゲームのプレイ画面をリアルタイムにキャプチャしてエンコードし、YouTubeに直接PS3から投稿できるというもの。まずはPS3の独自優良コンテンツ「まいにちいっしょ」が対応しているようです。

PS3の余剰処理能力の有効活用

PS3に搭載されているCellは非常に高い性能を持っているものの、実際のゲームで常にそれだけの処理能力を必要とするような使い道は、ゲームデザインからしてまだ見いだされていません。その中で、遊んでいるCellの能力を使って裏でゲームプレイ画面をキャプチャしてエンコードするというのは、いかにもPS3らしい、PS3ならではの機能と言えるのではないでしょうか?

今回の動画形式はQVGAのMPEG4のようですが、Wiiではこのレベルのデコードは出来てもエンコードは無理でしょうしね。Xbox360は出来なくもないでしょうが、余剰処理能力の活用、という観点からするとPS3との相性の方がいい感じがします。

ネットとゲーム動画の積極連携

また、今回の件はゲームのプレイ動画を、公式にユーザーが自由に動画投稿サイトにアップロードできるようになったところが、動きとして新しいところだとも思います。この手のゲーム動画は、比較的著作権者の圧力が強くない分野ではありましたが、権利的に考えればユーザーによる無断動画アップは著作権に引っかかります。これに対して、今回のPS3YouTube投稿機能では、エンコード時に自動的にロゴ&権利表示を埋め込んでしまうところがいいですね。ユーザーにとっては、権利を侵しているという後ろめたさなく上げることができるわけなので。

さらに、今回の動画投稿では、カメラの使用できる場所に制限も設けられています。まいにちいっしょの主要コンテンツであるトロステーションは録画はできてもネット投稿ができません。このあたりも、ユーザーからしてみれば制約を感じる一方で、著作権関係の公開可否はゲームメーカー側がある意味責任を持って取捨選択してくれているわけで、その点での判断が必要ないというのは楽なところなように思います。

今後の他のゲームへの派生も期待

今回は、SCE製のまいにちいっしょだけの対応となっていますが、機能的にはPS3の標準機能としてライブラリなどでサードにも提供されるでしょう。これまでも、ゲームごとにはリプレイ動画などを保存してネットに投稿することはできましたが、あくまで投稿時はゲーム内データだけで、再生する側も同じゲームソフトを持っていることが基本でした。それが、動画でYouTubeということになれば汎用性は一気に高まりますし、ゲームメーカーとしても面白い切り口で動画投稿を許可しておけば、ユーザーコンテンツによるコストのかからない広告効果も見込めます。

あとは、そのあたりの「どこを許可して、どこを不許可とするか」を各メーカーが考えなければいけない、ということですね。あまりに許可しすぎて、動画だけで消費者が満足してしまっては、販促効果になりませんので。後は、ニコニコ動画へのH.264形式アップロードなんかにも対応してくれるといいですね。

今後、思わずユーザー動画を見たくなるような、面白いゲームがPS3に出てくることを期待しています。